殺気の漂う凄まじい音圧と圧倒的なキレ味・ドス黒いうねりを炸裂させる爆発的なグルーヴ感・緊張感、そしてこれまでの音楽史から見ても明らかに前人未到の領域に踏み込んだ完全にネクストレベルと言えるあまりにもキラーなビートを人力で叩き出し、「音で殺す」という言葉を見事に体現した凄まじき世界観を放出し、今もなおその中毒者を全国規模で増殖させている４人組・skillkills。HIP-HOPから派生しながらも音への飽くなき探求を繰り広げ、国内にとどまらず世界規模で考えても常にこれまでになかった新種のサウンドを我々に届けてくれる日本が世界に誇る唯一無二・変幻自在の音楽集団「BLACKSMOKER RECORDS」。skillkillsはBLACKSMOKER史上においては完全に異例の初のバンドサウンドとして2011年12月に1st album「skillkills」をリリース。そのちょうど一年後となる2012年12月には2nd album「BLACK MUTANT」を同じくBLACKSMOKER RECORDSよりリリースしている。更に「バンド」であるという特性を活かしながら縦横無断に様々な音楽シーンを往来しながらコンスタントな止まる事のないライブ活動を続け、各地で見た者に衝撃を与えながら全国規模で確実にその中毒者を増殖させている。常人の思考では到底考えられない音を常に叩き出し、常に音楽の持つ可能性を更に広げ続けているBLACKSMOKER RECORDS。そしてskillkillsはそのBLACKSMOKER RECORDSの可能性を完全に新たな角度から更に押し広げ続けている。まさに次世代のBLACKSMOKER RECORDSを担っていく存在である。そのskillkillsにおいて圧倒的な音圧を誇りまさに聴き手を殺しにかかる様な低音を操るベーシストであり、サウンドの大部分を作り上げているバンドのコンポーザー・まさにskillkillsの頭脳と言える鬼才・HIRONAKASUGURU氏の初のソロ名義「GuruConnect」の1st album「FreakOut x BlackBass」がBLACKSMOKER RECORDSよりリリースされる。

HIRONAKASUGURU名義としては既に二枚のソロ音源と１枚のMIX CDを自主リリースしている。skillkillsの楽曲制作の手法の変化と共に自身のソロ音源の制作手法も移り変わり、初期作品では自身のベースプレイも披露していたが現在では完全にサンプリング・エディット・プログラミングのみで全楽曲を制作している。しかしこの盤を再生すればわかる通り、まさかそんなシンプルな手法で制作されているとは到底思えない、もはや楽曲制作といった概念すら無意味とすら思える、「異世界からの導き」をそのまま音で体現してしまったかのような想像を絶する楽曲の数々に確実に度胆を抜かれるはずだ。全く予測不能な角度から鼓膜へと切り込み全く予測不能な躍動を繰り返す、もはやサンプリングソースなど一切想像不可能な完全新種の音像を叩き出すウワモノの数々は思考を越えた感覚の部分へと直接コンタクトしながら瞬く間に思考を停止させる。聴き手の意識を更なる異世界へと大きくぶっ飛ばすかの如く全く予測不可能な動きで反復を繰り返すループ・シーケンスは脳内へトラウマにも似た中毒性を与える。そこへskillkillsでも聴かせるような変幻自在の超絶奇天烈ビートがそれらに絡みつくかの如くまとわりつきながら、間違いなく全世界見渡してもここでしか有り得ない完全に新次元の極太グルーヴが吹き込まれる。そして楽曲を読んで字の如く「必殺」の領域へと押し上げるのはドス黒き鈍い光を放ちながら地中奥深くでどこまでも煙たくDOPEに揺れ続けるベース。この盤は一切の理屈や理論はもちろんルールや方法論などといったあらゆる「既成概念」を鼻で笑い軽く蹴散らし、もはや残酷なまでにただただ「ヤバイ音」が充満した問答無用のキラー盤でしかない。もう「衝撃」なんていう言葉すらも軽く感じられる。HIP-HOP・DUBSTEP・BREAKBEATS・BREAKCORE・REGGAE・DUB・TECHNO・HOUSE・etc….断片を聴けば数々の音楽ジャンルを示す言葉を引き合いに出す事も出来るかもしれないが、はっきり言ってそういった音楽を示す言葉はここでは何の意味もなさないし、もはやそれがどれだけナンセンスな事かというのがこの作品を聴くだけで十分思い知らされてしまう。聴き手が思考を働かせる前の無意識状態のうちに鼓膜から脳内へと直接コンタクトし、その意識と共に空間を支配する。気付けばその「音」が支配する空間の中でただただ身を委ねてしまっている。その感覚はskillkillsを初めて聴いた・観た時のあの感覚と酷似する。「得体の知れないもの」を目撃してしまったかの様な戦慄と興奮、動物的本能が反応してしまう野性のニオイ、気が付いた時には揺れ動いてしまっている体。それら全てには一切の理由もなければ、言葉も必要としない。GuruConnectが手掛ける音楽はまさに「絶対的」なのである。「KILL YOUR SKILL」この言葉で全ては完結する。

GuruConnect / ParisDakarRace feat. K-BOMB

Atsuhiro Ito / Blackpharmacy feat. The Lefty

Yoshio Ootani / Jazz Abstractions
 Percussion Bitter Sweet


　ジャズからエレクトロニック・ミュージックまで、多彩な活動を行う大谷能生によるジャズとヒップホップのアブストラクト・アマルガメイション！

　スタジオでは何かと目の敵にされる雑音がライヴの場では現場の雰囲気をいきいきと再現する背景音になるから、その音源はドキュメントとしてすぐれている、ということではない。食器の擦れ合う音、キャッシャーのチンジャラジャラ、声をひそめた会話、息づかい、ひとの気配、これらはケージのことばを俟つまでもなく、音楽のいちぶではなくそのものであり、欠かすことはできない。ある夜、ヴィレッジ・ヴァンガードに登場したピアニストのライヴ盤を聴いてジャズにめざめた大谷能生の感じ方はそのまま私の音楽体験にも重なってくる。わかりすぎるほどわかる、ひょっとしたら時代というものの働きがあるかもしない。大谷能生がジャズに狂いはじめたとき、ヒップホップはすでに存在した。そこではジャズやソウルやファンクから切りだしたビートがループした。音楽の線条の時間は音盤になることで不動を約束されたかに思われたが、リサイクルされる段になってアーカイヴは急迫した。90年代の話である。ジャズもスウィングの、ビバップの、モダンの、フリーの、フュージョンの歴史の上から高みの見物をきめこむわけにもいかなくなった。ビートの最小構成単位に切断された過去は組み直されることで現在進行形を意味するだけでなく未来を予見したが、エレクトロニック・ミュージックはエントロピーを増大させるかのようにジャンルも方法論も細分化をきわめ、ちょうど前世紀と今世紀の変わり目、ようやく未来になったあたりで道に迷っていた。そのとき、批評家でもある大谷能生は音楽の歴史を問い直す著述を多くこなし、古典にことばで向かうことで、現実の閉塞感を打破する方法を模索していた。本人はそうじゃないというかもしれないが、そうじゃないこともないだろう。

　『Jazz Abstractions』は、音楽家／批評家の両面をもつ大谷能生にしかできない作品である。ライナーにある通り、このアルバムで大谷能生は一曲につきひとりのジャズメンの肖像を描くように音を再構築している。曲名でおおかの察しがつくと思うが、モンク、コルトレーン、マックス・ローチ、エルヴィン、ミンガス、アイラーやボブ・ジェームスもいる、絶妙の王道感と偏向ぶりだが、内容はそれに輪をかけて王道であるとともに偏向している。何に対する偏差かといえば、ヒップホップに対するそれだ。大谷能生のアブストラクション（ズ）はヒップホップのアンダーグラウンドをほのめかすクールさとロジックをもちながら、そこからはみだす身体性と野趣を強く感じさせる。これは大谷能生の演奏を聴いたり文章を読んだりしたことのある方ならご理解いただけることだろうし、どこか〈Blacksmoker〉のレーベルカラーを彷彿させもする。大谷のコンダクトに呼応して、音に抽象化されたジャズメンたちはその不在を埋めるようにときに饒舌に、また寡黙に語りはじめるが、ビートと一体となることで、ジャズでもヒップホップでもある／ない音楽がそこにできあがっていく道程に、気づけば私たちは誘い出されている。（松村 正人）


1. Thelonious Study #1
2. Colemanʼs Mushup TV Dinner
3. Bob James
4. Percussion Bitter Sweet
5. No Cover,No Minimam
6. Elvinnvie
7. Cumbia Jazz Fusion
8. DlsMcx
9. Thelonious Study #2
10. Conquistador!
11. Iʼll Remember April Rejoice
12. Strange Fruits




blacksmokerrecords

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