空気ブラウス

ねぇトニー

「モニャ　新しい事件ですか　先生」

モニャモンが電柱の影から顔をのぞかせる
俺はこの郊外の町で探偵事務所をやっている
そしてモニャモンは、人ではない何かであるが
俺の立派な助手だ
だたモニャモンはお金の価値が分からないので
一銭も渡していない
その代わり大好物の油粘土を渡している

俺
「そうだモニャモン　新しい事件だ　
今回は厄介だぞ
街の西側に建設途中の
ショッピングモールができただろ
あそこでフンババの親子が悪さをするらしい
そいつらの駆除だ」

モニャモン
「それはオイラたち　探偵のする仕事ですか？
　警察に任せておけばいいような気もするんですが
　クライアントはどちらですか？　」
俺
「クライアント？　
そんなの当然頭のおかしいやつからの依頼だよ　
フンババの親子なんて　現実にいる訳ないだろ　
でも　もう前金で半額を頂いてるんだ、
適当に現場に行って写真を撮って、
片付きましたって　報告して終わりだよ」

モニャモン
「先生はそのクライアントさんのことを、
現実と妄想の区別のつかない
　頭のおかしいやつとおっしゃいますが、
先生だってオイラの存在を
みとめてるじゃないですか
おいらは　旗から見れば
黄色い雪だるまみたいな　見てくれをしてる
いってみれば怪物　
この人間社会では　
到底　理解不能な存在じゃないですか　
もしかしたらオイラの存在自体　
先生の妄想の産物で
本当に頭のおかしいのは　
先生なのかもしれないですよ
俺
「たとえ　そうだとしても　
　　　　　　　俺はお前にピースサインを送るぜ」
モニャモン
「どういう意味ですか？　それ　」
俺
「そんなことはいいから早く現場に向かうぞ

普遍的な　ラーメン屋が3件　大型パチンコ店2件
何を生産してるか良く分からない工場　十数軒
自転車二人乗り学生
中古カーショップ　バーガーショップ　
中古屋でシンフォニックメタルを
　　　　　　　　　1280で購入したおじさん
猫　が好きだといいはる　顔の曲がった女性の方
引きちぎられた　サンダル
街の西　建設途中のショッピングモール

モニャモン
「勝手に入って怒られないですかね　
　警備の人に見つかったら　めんどくさいですよ」
俺
「見つからないよ　俺は普通の人には見えないんだ」
モニャモン
「それは先生が実は死んでいて
　　　　　　　　　幽霊だからということですか」
俺
「いや、そんな安いB級ミステリーみたいオチじゃないさ
　
　　　　　　　　俺が全裸だからさ　

普通の人は信じたく無いんだよ　
公共の場を　堂々闊歩してる全裸の男の存在なんて　
そうなるともう　
大概は　見えてないってことにししまうのさ」

モニャモン
「先ほど　先生のこと、
　　　頭がおかしいかもしれないといって
すいませんでした　先生は勤勉です　
　　　　　　　　まるで勤労学生です」

俺は天高く　ピースサインを掲げた
鉄骨の骨組みから漏れる　光の粒が
全てを肯定してくれたかのようだった

再検討必要あり

僕は飴太郎
黒いメガネをかけてる
ネット音楽を中心に批評を
やらせてもらってます
最近は、サウンドクラフトやバンドパンツ
を中心にフリーで公開されてる中に
面白い音があるよね

そんな一文をポイッターに投稿する
飴太郎　４４歳
ポイッターには孤独を共有するために
飴太郎のような、中年が集まる
若者はもう　
そんな不毛なことはしない
ネットを捨て、リアルで身体を伴う
コミュニケーションを行っている
飴太郎世代は、未だ「ネット」という
古いメディアのしがらみから
抜け出せずにいる

海底公園では　若者達は
一見下着のような　水着姿で
どんぶりやドラム缶を叩き
歌い踊る

中年は、カプセルルームで
コンピュータミュージックを
脳のプラグから採取する

飴太郎は今日
DOOMWAVEのアーティスト
DOT Arise
のEPのレビューを執筆した

凄くドローンでパンデミック
ウサギみたいなミミをつけて
街に出たいな　
ネオンの流星
そこの　ゴム服　だれの？

といったように
全く意味不明の文章だった
そこから導き出される答えは
一つ
飴太郎はふざけているのだ
そう
月と海の間で
美しく　ふざけているのだ

Dot Arise

Dot Arise -inst-

向こう側に行くことが怖かった
サオナの住む町は何処にでもある郊外
外に出ても退屈
だからサオナが本当に自由になるには
ネットの海に潜るしかないのだ
しかしその根底にあるのは
ある世界の残酷な真実だった

サオナの容姿は宜しくない

無造作に猫は歩く
一生涯孤独だ
僕の心が　夢子さんの力になるのなら
僕は歌います

公然猥褻は東京の闇夜を切り裂く
一つの答えではない

上京したての　メガネ
雪凛と　トマホーク

じゃあ君は誰だ
つん太郎と言います
３２歳です
生まれついての悪　
そう　彼は悪いのだ
ホールと　ランス
君の心のペガサス
だからそれが何を意味するのですか
ゴムさんは家族を形成する過程で重大な過ちを犯した
列車だった　生き急いだ結果
彼の側頭部から無数の路線が延びていたのだ

LIFEは常にごった煮
カタツムリのおっぱい
無理して奇人ぶることは無い
証明するのは真っ白いブリーフから覗かせた
その純粋な牙だ

お遊戯

彼らは全員スナイパー

暗闇でブリーフ一枚DANCE

ブリーフ一枚で踊っている
ブリーフ一枚で踊っている
ブリーフ一枚で踊っている
別に意味はなく笑っている
 
とんがった棒 とんがった棒 
とんがった棒 とんがった棒

つぶぐー　つぶぐー　つぶぐー　つぶぐー　つぶぐー　
ずんずん　ずんずん

ほんじょっぽり ほんじょっぽり　
ほんじょっぽり　ほんじょっぽり

反復横跳び　貧乏チャマ

とんがった棒

Business partnership

On the bridge

⊹⊹⊹美少女⋌⊷⋋美少女⊹⊹⊹

よく考えてみたら
ペロ君は
ごぼうを　蛸だと思っているんではないか
根っこが八本
タスマニア　グリズリー　とんかち

おいらは　ブリーフ一枚　街中に飛び出した

キョロキョロ キョロキョロ

どったの？

机の上に置いていた蟹が何処にも無いんです 姉さん

それだったら 和室に置いてあったよ

ありがとう ちょっと見てきます
本当だっ 
和室に 蟹あったよ姉さん!

とある電車の中で

花粉症がひどくて鼻水が止まらない
鼻をかみたいけどティッシュを使い切ってしまったんだ

とん　とん　とん
お兄さんよかったらこのポケットティッシュ使ってよ

キノコちゃんがポッケからポケットティッシュを丸々
僕に差し出してくれた

うんしょ うんしょ
ふ~ 疲れるな

何を運んでるの？

ダンボール一杯の蜜柑だよ

へー 大変だね
手伝おうか

ありがとう 一緒にお願いできるかな

つんぽこ　と　月

これはおまえにも関係ある話だ
都会のファンタジー
とうもろこしのような　頭
チップスの　カス
後悔の数


Mr. Pero is thinks it's octopus the burdock「ペロ君はごぼうを蛸だと思っている」

WATARU

山。岩。タム。闇。

トランペットトニーは
ぼよちゃんの恋人
真っ黒な車で
弁当を食べてる
とれたてのホタテが
グラサンについてる

トランペットトニーは
２分間で作れる
小麦粉とバターを
ぼよちゃんはこねてる
とれたてのホタテは
真実をゆがめた


トランペットトニー

ぼくパピルくん
機械の妖精のネネと一緒にダンジョンに挑戦するの
ボウズ　第七階層　のトラップには気をつけろ
首ごと持ってかれるぞ
久保君が僕に忠告した　偉そうだな
気に入らないな・・・
だって彼　まだ第二階層辺りをうろついてるだけなのに
しかも装備は全裸に竹の鎧とゴムバットだし
久保君　あやまってくれよ
僕の方が権力があるんだ

おいボウズお前　だから女性にもてないんだよ
いいかこれからの時代は権力だけじゃやってけないぞ
大事なのはクチバシだよ

クチバシ・・・
そうだよ口をにゅーっ とだしてみろ
そう　お前はもうダンジョンは来なくていから
明日は仕事いけよ

NENE

真夜中にブリーフ一枚で
エレキベースを弾く　それが
俺なりのベースミュージック
終電まで働き　帰宅後
冷めた目でネットを眺める
目が輝くのはイチモツを握る時だけ
そんなループから抜け出したいんだったら
お前も試してみるといい
俺もお前も魂は一つだ
大概のことは許される

ベットルームはイカ臭い
だが神聖で宇宙だ
闇を味方につけた俺は
もう孤独じゃない
モニャモンが見える
見えるだけじゃなく触れる
俺は手遅れか
お前の言う　あっちは
凄くいいところだぜ
お前も来いよ
来いよ
来い
凄くいいところだぜ

真夜中になってブリーフをはく
イカ臭い部屋でベースを弾く
俺なりのベースミュージック
誰でもできるが俺しかやらない

それも今夜もベースを弾く
俺なりのベースミュージック

New Bass Music

Newday

神秘的な夜に夢を語る
リーシャの太もも
フェデロ・ポッチェそれが僕の名前
倉庫街で臭いのする三角錐を売り歩いてる
ところでここからいつになったら出してくれるんだ
ベランダで妖精を飼ってるんだ
僕が帰らないと彼女は飢えてしまうからね
僕も飲んでいるこの薬はポルテオ共和国の
高名な僧からいただいたもの
七種類のフルーツになり美女の舌で転がされる幻覚を楽しめる
なんだったら君に少し分けてあげてもいい
どうせ世界は黒いからね
太もものバズーカ　毛糸のついたガジュマロ
エポックメイキング　ひび割れたスーサイドのCD

さっきから猫に話しかけてるヤバい奴がいる
私は気にしないふりをして春巻きを食らう
誰にも言わないで欲しいのだけれど
もうすぐで私の財産は尽きる
あの娘に良い格好がしたくて　散々お金を使ってしまったんだ
愚かだと思ってる
そこで　信用する　きみだけに頼みがある
私をPOPスターにしてくれないか
川のほとりにやぐらを立てて
餅を撒きながら　歌い踊る　POPスター
君はまだ名の無い音楽家
そして私も何者でもない
失うものなど無い　誰も傷つかない

嘘の筋肉
猫の湯沸かし


太もも

Brief Runner 

闇の中　走ってく　
真っ白い　ブリーフで
細かいこと　気にしない
スケベな夢見ていたい

闇の中　走ってく　
真っ白い　ブリーフで
よけいな物　何もない
エロ動画とラジオだけでいい

Brief Runner

トニーはダルダルの靴下を
片腕にはめて　踊っている
別に　守るものはない
冷めきったうどんと待ってる
塗り替える準備はできてる

現実　限界　ティッシュボックス　
黒テント　勃起　暴れ出す
見たことないもの　見たくて
布団でうどんと待ってる

ダルダル

白ブリーフスタイル
で踊る　部屋は闇
メイクマネー　よりも
気持ちいい　ブレイン

真夜中　　
無人で動き続けるロデオマシーン　

黒テント
僕の心の叫びで立ち上がった有機体

ポエムロック
何も成せぬまま今日を終えていく
ことへの反抗

Brief Style Kimochi Ii Brain

クソメンの弾く
ベース　エレキ　
＋ディストーション　すごく多め
ポエムロック　深夜　響く
ヤバい　ヤバい　めちゃくちゃ ヤバい

Distortion Bass

ブリーフ一枚になって　街中を
疾走したい　という妄想に取り付かれ
顔つきが最近おかしくなってきた俺は
深夜　一人　ひずんだエレキベース
をかき鳴らすことで　正気を保ってるに過ぎない
この状態　これがつまり　
ポエムロック　
真っ暗い部屋　　スケベ雑誌　
生きたティッシュBOXと　手をつないで笑ってる

Black Liquid

真夜中　僕は一人部屋の中
タイムライン横目にDTM
あの娘はダンスフロアー　
サブカルオタク達と楽しそうに自撮りピース

もし僕が最高のポップミュージックを作って
この部屋で流したら　きみはここに来てくれるかい

僕は才能の無い40近い中年
君は21歳　女子大生
来るわけないことは分かってる
それでも天然パーマがうずいてる

キャミソール　ポロネーゼ
気がつくと僕はタンクローリーになり
マイアミのハイウェイを爆走していた

僕のステレオからはご機嫌なストナーロックが流れている
運転席には金髪の引き締まった筋肉女子
助手席にはガムをクチャクチャしてる黒髪のタトゥー女子

あれっ　もう　ポップミュージックも
あのサブカル女子も興味ないや

Tank Lorry of HELL

Tank Lorry Of HELL

Xanadu

めちゃくちゃ歪んだ　ベースエレキ
暗闇走る理由は無し

Dark Call

今日から　夏休みだぜベイベー
仕事ものことは忘れて構わない
PCの壁紙　ヌーディストビーチ
ネットサーフィンきめる　ブリーフ一枚

Dark island　イカ臭い
此処は5畳の闇の楽園

脳内の村で　夏祭開催　
委員長と回る出店　浴衣
もろこしを頬張り　月に吠える
しっかり売ってた　モニャモンお面　

牛も馬もラクダもキリンも
みんな休み　みんな水着
意志も意味も竹輪もナスも
どこかに置いて今は構わない


Dark Island

「B.B.H」
（美少女　爆笑と同時に　屁をこく）

ギャルEYES

White briefs


木下飴太郎はアイドルのライブに初めて足を運んだ
会場には　ライブ開始1時間前に到着したが、予想通り結構な列が
出来ていた
飴太郎がまず気になったのは、
すぐ前に並んでいる女子二人組だ
ちょっとしたアイドルのようにも見える可愛らしいルックス
原宿や吉祥寺あたりを歩いていそうなファッションで
とてもオシャレだった
会話の内容から女子大生だということが分かった
さらに彼女達の話に聞き耳を立てていると、
ほぼ全てのライブやイベントに参加しているらしく
モコピコ少女連合のかなりコアなファンだということも伺えた
飴太郎は、話には聞いていた、かわいい女性アイドルが好きな、
かわいい女子のファンが実在する　という事実に驚きを隠せなかった
ライブ会場の入場口でチケットを渡し　ラウンジスペースに入場する
そこでは物販が行われている、
キャンペーンのCDを購入すると
ライブの終了後に指定のメンバーと握手が出来るという情報を
飴太郎はあらかじめHPでチェック済みだった
飴太郎も　生まれて初めてのアイドルとの握手を試みるため　
キャンペーンのCDを購入するつもりだ　
ここでもちょっとした列が出来ていて、１０枚ほど購入している猛者もいた
こういう猛者の存在は　メディアを通して知ってはいたが　先ほどの女子同様
実際に目にするとやはり違和感を感じる


飴太郎もCDを購入した　
握手するメンバーは琥珀芽々華さん
実は飴太郎が今回初めてアイドルのライブに参戦するきっかけ
になったのはこの、メメタンこと琥珀芽々華さんが目的だったのだ

飴太郎がメメタンの存在をしったのはモコピコ少女連合が
最初では無かった
琥珀芽々華さんは大手投稿動画サイト　メロメロ動画の
あるジャンルでは名の知れた人物だった
そのジャンルとはポエムコアと呼ばれている表現形態だ
メロメロ動画のジャンルの中では相当マイナーな部類に入る

ポエムコアとは、ドローン　ダークアンビエントなどの
アブストラクトなトラックの上に
物語性の強いポエムが朗読される、
２００９年辺りから広まりだしたジャンルだ
飴太郎は2年ほど前にこのポエムコアにはまった時期がある
自身でも幾つかのポエムコアを作って投稿したが、
全く再生数が伸びなかった
その中で琥珀芽々華は、「メメタン」という名義で
このポエムコアの作り手として、トップクラスのクリエイターだった　
飴太郎がポエムコアに入れ込んでいたいたときには、
一日に何回もメメタンの投稿した動画を再生したものだった

そのメメタンがモコピコ少女連合という、このアイドル戦国時代において
結構な地位を確立しているアイドルグループに加入していると知ったのは
つい一週間前だった。モコピコ少女連合自体は２、３年前からあるグループで
飴太郎もその存在は何となく知っていた。
半年前　その第二期メンバーとして３人の新メンバーが加わり現在８人で構成されている
そういう情報も　サブカルサイトなどをチェックしていて知ってはいた

しかし　その新メンバーの一人があのメメタンだとは思いもよらなかった
飴太郎は最近はポエムコアをチェックしていなかったし、
何よりも投稿した動画のアップ主の顔は分からなかったのでメメタンが
どんな顔をしているのか知らなかった
それが一致したのは、いつも聴いている　深夜ラジオに、モコピコ少女連合自体
がゲストに出たときにメメタンがポエムコアの作り手でメロメロ動画に
投稿していたというエピソードを語っていたのを聴いてからだ
その事実はモコピコ少女連合のファンの間では既に周知のことだったようだが
飴太郎はとても驚いた
改めてモコピコ少女連合のHPで琥珀芽々華＝メメタンの写真を確認してみる
とてつもない美少女という分けではないが、素朴な可愛らしい女の子だ
現在、現役高校生というプロフィールからすると、ポエムコアを投稿していた
ときは中学生くらいか・・・　何て才能だ
飴太郎はこの一週間、メメタンへの思いがぐるぐると周り耐えられなくなり
2日前にチケットを購入してこのライブに参戦したという訳だ

ライブフロアに入場して　驚いたのはその客層だった
完全に原宿辺りにいるいまどきのファッショにに身を包んだ若者達
飴太郎が想像していた典型的なオタク系の人達の割合は1割程度だろうか
女子の姿も多く見られる
完全にアイドルを応援することが　ファッションサブカルとして定着している
かつて、アニメ、ゲームなどオタク的な趣味は、いけてないとされ、ファッショナブルな
人種からは敬遠されがちだったものだった。
しかし　その価値観が徐々に変わり始めて来たのは、
海外からの　そうしたカルチャーへのラブコールだった
誰がいったのかホットジャパンとして日本特有のオタク文化は讃えられた。
それまでは欧米の文化こそホットだ、日本的なオタク文化なんて　ださいと思っていた層も、
欧米で褒められていると聞くと　徐々にその態度を改めていくしかなかった。
今や、アニメ、ゲーム、アイドル、こん棒　などは完全にホットなものなのだ。
クラブなどではアニソンDJ、アイドルDJがモテるなんていうのもネットでよく見る
飴太郎はそのことにいまいちついて行けていない最後の世代だった

モコピコ少女連合のライブが始まった

1曲目は　団子鼻の夕暮れ
そのあとは自己紹介　
最年少メンバー　猫野ホニ子はこの日のライブを欠席していた

2曲目　「モーテルで菖蒲湯に」
3曲目　「猫　クルミ　猫　もやし」
4曲目　「イチジク女に　鬼畜姫」
5曲目　「引退！！水玉文化際」　
6曲目　「節度を守って指人形」
ラスト　7曲目には　３０分にもおよぶプログレッシブロック
　　「汎用漁船で半ケツを」　の熱唱で幕が閉じられた


ライブ後　握手会が行われた　列に並んでいると　２０代前半の可愛い女子が前にいる
そして　その隣には5０代くらいの男性　
親子できているのか・・・
しかし会話を聞いているとどうもそうではない。その二人はまるで他人で
ネットで知り合って一緒にライブにきているのだ
こんなことがあっていいのだろうか
この女性は、こんなオヤジとアイドルのライブを見て楽しいのだろうか
この親父の顔は典型的な昔ながらのオタクといった感じだ

このオヤジは、ライブに来ていた　他の何人かの女子とも知り合いらしく、
「君も来ていたんだ」などと声をかけていた
なんともゲスな野郎だ飴太郎は怒りがこみあげてきて、
このオヤジがどんな顔ををしているのか　よく見てやろうと
顔を覗き込んでみる
メガネの奥の目が全く笑っていない　
飴太郎は得体のしれないどす黒いものを感じた

メメタンとの握手の番が近づいて来た、何て声をかけよう
言葉が出てこない
他のファン達は僅かな時間で、何とか爪痕をのこそうと必死に会話してるのに・・・
そのまま飴太郎の番になってしまい「がんばってください」と一言だけつげて
あっさり握手は終了した　

いろいろな思いもあったがそれは、ネットでさらに拡張された虚像
全ては自分一人の思い込みのものでしかない
自分の頭の中の思考がネットにより簡単に外部に発信できるようになった結果の弊害
自意識は肥大しつづける
そのこととどう、折り合いをつけて生きて行くか
下の世代はそんなことなんか気にせずに楽しそうだ

帰り道　通りの向こうでは夜にも関わらず大勢の人で溢れてる
これが噂のデモか
プラカードを持った人　音楽を奏でる人　
こん棒を携えた人
なんだかフェスのようだ
飴太郎はかまわず足を速める
駅について
電車に乗り込む
そこまで混雑はしていない
席にも座れる　
スタンディングのイベントだったので
やっと座れたことに飴太郎は安心した
電車は出発し、数分後に次の駅に到着する
この駅では結構な人数が乗車してくる
その中で大分泥酔したオヤジが入って来た
明らかに足下がおぼつかない
手すりを掴みそこね
ふらふら　ふらふら　よろっ
タトゥーをした怖そうなお兄さんに
思いっきりもたれ掛かる
場に緊張が走る
だが、お兄さんも切れることなく
なんとか場はおさまる
泥酔オヤジはまだ　ふらふらしている
泥酔オヤジの周囲に人がいなくなる
電車が大きく揺れたとき
オヤジが後ろに思いっきり倒れる
え、ちょっとやばいんじゃない
あれ　後頭部から思いっきりいったぞ
死んだかもな・・・
周囲が騒然となるなか
飴太郎は携帯に目を移し
ポイッター　で　「泥酔オヤジ　電車　死んだ」
と検索してみた
すると既に
「電車で今目の前の　泥酔オヤジが頭から転けたよ　これは死んだね」
というつぶやきが投稿されていた
飴太郎は周囲を見渡す　すると人だかりの間から
黄色の雪だるまのようなキャラクーがニヤｯとしながら
こちらを見ている
手には携帯も握られている　
間違いない　あいつだ
飴太郎は席を立ち黄色いキャラクターに近づく
そこで電車は停車し　扉が開かれる
黄色いキャラクターはさっと　駅に降りる
飴太郎は　なぜかやつを　追いかけなければならないという　衝動にかられ
黄色いキャラクターを追いかける

ホームを駆け　改札を抜け　商店街まで走る　
もう見失ったかに思えたとき後ろの暗がりで
声がする

声
「僕たち似ているね　もう、ああすることでしか現実を感じられないんだろ」
飴太郎
「俺は違う　お前のようなネットに完全に取り込まれてる　やつらが許せないんだ」
声
「それじゃあ　きみは完全なリアルな側の人かい？　それも違うよね
　　　　　君は今日まともに他人と会話をしてないよね
　　　君は結局リアルとネット　どっちにも属すことが出来ていないんだね」
飴太郎
「それは・・・　」
暗がりから黄色いキャラクターが姿を現す　

黄色いキャラクター
「ごめんよ、ちょっとキツく言い過ぎちゃったね　お詫びに君好みの
2次元幼女を取り揃えたプニプニサイトを紹介するから許してよ」

そういって黄色いキャラクターの持っている携帯の画面が激しく光りだし
辺りがホワイトアウトする

飴太郎は気は　気づくといつものように　真っ暗な自分の部屋に
ブリーフ一枚で突っ立って　モニターを眺めていた
机には　丸められたティッシュが転がっている
リアルかネットかなんて　もうどうでもいいくらいだるかった
今日の出来事も　全部　リアルかネットかなんて　どうでもよかった

ただこのまま睡魔に襲われて何となく　一日を終えるのだけは嫌だった
そうだよ　俺はこのまま今日を終わらせちゃいけないんだ
飴太郎はブリーフ一枚で5帖の1Rマンションを飛び出す

燃料は自意識
ギリギリの意識の中で思いついたことは　ただ一つ
ポエムコアを続けるんだ
走りながら飴太郎は　呪文のような言葉を発する
深夜の国道沿いがバックトラック
闇に理由は要らない



BOOL

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