大切な友人のことを考えながらつくりました

歌詞↓

ああ　君が泣いたとき　僕は何も言えなかったな
ぎこちない顔を隠すように　グラスに口をつけた

傷つかないように　気付かないように
世界との間に置いた距離が今

傷ついた君に手が届かないほど　離れていると知ったよ

向かい合った君と　上手く向き合えなくて
痛まない胸がただ痛かった
それでも君に泣いてほしくはないから
そういう風にはまだ思えたから

きれいな言葉をかけたり　笑わせたりはできないけど
話くらいは聞くからさ　飯くらいなら奢るからさ

遠くにいた方が　よく見えるものだってあるよ
できるだけ上手に　言葉にして伝えたいけど

口にすれば「君は大丈夫」　それしか言えなくてさ
「説得力ないね」って泣きながら笑うその顔が
答えなんだよ　僕が信じた君を信じてほしいよ

ああ　君が泣いたとき　僕はなんにも言えなかったな
届かなくたって伸ばした手に　触れた微かな温度

ああ　君が泣いたとき　僕はなんにも言えなかったな
空になってることに気付かずに　グラスに口をつけた

言葉を交わした分だけ　僕らは一人になるけど
ここには二人いるからさ　手くらいなら握るからさ

本当にそんなことは　できないから歌を書いてる
分からないままでも　分かろうとはするからさ

ああ　君が泣いたとき　隣にいられて嬉しかったんだ
悲しんでる君の目の前で　そんなことを思っていたんだ

なんとなく晴れた空みたいに　遠くて近い僕ら

聞き上手

10月の朝はもう寒くて
布団の外に投げ出された右腕を
隣で眠る君の体温で縁取って　
僕は僕の形を知る

埃まみれになったカーテンを
透かした光　高く澄んだ青い空
君がいなけりゃ　きっと知らなかった
こんなに美しい朝があるなんて

少しも上手に生きられなくて
不安で面倒な日々の途中で
こんな朝をたまに迎えられるなら
悪くもないかなって思えたよ

鏡に映った自分の姿を　
睨みつけるようにして生きてきたけど
君の目に映った僕ならば　少しはどうにか好きになれたから

当たり前になった毎日が
本当は少しも当たり前じゃないこと
繋いだ手を僕らは離さなかった
そういう未来を二人で選んできた

あの日見た海を憶えていますか
今日のこともいつかは忘れてしまうけど
明日が怖くなる度思い出すのさ
君とこれから過ごしてく日々のこと

外も晴れてるしどっか行こうか
透明な街に秋の光は満ちて

時生