This music is created by combining the sounds of instruments such as piano, synthesizer, and electric guitar with a sounds recorded in Kyoto, Japan.

The sounds used in the songs include those associated with Kyo-machiya(traditional kyoto-style houses), traditional culture and crafts of Kyoto, and the Nishijin District.

machiyanohibiki

鳴橋庵の鳴橋明美さんの協力を得て、京都の伝統産業の１つである京組紐の音を録音 させていただいた。 「組台」と呼ばれる組紐を組み上げる道具を用いて糸を組んでいる時に音が生まれる。その中でも糸を巻きつけた木玉同士がぶつかり合う音は、小学校の理科の授業で行った振り子の実験を想起させる。 この西陣に古くから根付いた美しくリズミカルな響きを京町家の中で録ることができ、とても嬉しく思う。

Recording Date: 2024/11/20 around 15:00
Recording place: Meikyoan

Sound of Kyoto vol.1

京組紐の音/ Sound of Kyo-Kumihimo (Braided Cords)

この音に関しても、鳴橋庵の鳴橋明美さんの協力を得て、録音を行った。 茶道を教えられている鳴橋さんに、道具を清め、お茶を立てる「お点前」という茶道の一連の動作の一部を実際に行っていただき、その様子を音におさめたものである。 炉釜（ろがま）でお湯を沸かしている音、釜の隙間から蒸気を逃す音が背景で途切れることなく聴こえてくる。この音は茶道においては「松風」と呼ばれている。松林の間を吹く風がその名の由来であり、お湯の沸き加減を表す湯相の５段階のうち、 お茶を立てるのに最も適している段階を示す。 音は静寂の中から、炉釜の蓋を開ける音で始まる。その後、茶碗に柄杓でお湯を入れる音、茶碗や茶筅（ちゃせん）を清める音、清めのために使ったお湯を建水に捨てる音が続き、一度途切れる。そして抹茶が入っている 棗（なつめ）の蓋を開け閉めする音から 間も無く、炉釜の蓋を開ける音が 再び聴こえ、茶碗にお湯を入れ、 茶筅でお茶を点てる音で終わる。 無駄な要素をできる限り排除している 茶道の美学を音を通して感じた。

Recording Date: 2024/11/20 around 15:30
Recording place: Meikyoan

茶道の一連の流れの音/ Sound of tea ceremony

上七軒の近くにあり、綴織(西陣爪掻本綴織)の技術保存を目的としている工房 「奏絲綴苑」の平野喜久夫さんの協力を得て、綴機という人の手足のみで操作する織機を使用した際に発生する音を録音させていただいた。 まず、「杼」（ひ）という緯糸を通す道具の内側にある管に巻かれている絹糸を手先で 回転させる音から始まる。その後、杼を使用しながら必要な場所に糸を通す音、 ノコギリ状に研いだ爪先で緯糸をかき寄せる音、そして間髪いれずに爪先で経糸を擦る音が聴こえてくる。また、所々で「筋立て」と呼ばれる櫛で強度が平均になるように 織り込んでいく音や、織機を足で踏みかえる音なども聴こえ、それら多種多様な音が 一定の規則をもって響いている。 この音の連なりに耳を澄ませていると、長い時間をかけてようやく一つの作品が 作り上げられるということがより深く理解できる。 織っている時の音ではないが、二重御光台 という道具で糸を巻く時の音も録音させて いただいた。糸が束になっている綛（かせ） という状態の絹糸を「杼」に入れるための 動作らしい。聴いていてとても落ち着く、 心地のよい音だ。

Recording Date: 2023/11/17 around 17:00
Recording place: Soushi-tsuzure-en

綴織の音/ Sound of Tsuzureori (Tapestry)

西陣の路地の中に佇む京町家。そこを在り処とする鳴橋庵の鳴橋明美さんの協力を得て、録音を行った。 京町家にお住まいの鳴橋さんに日常生活での行動を再現していただき、格子戸を開け閉めする音やほうきで土間や外を掃く音、また土間を歩く音などを録音させていただいた。 京町家は現代の家と比べて、「公」と「私」の境界が曖昧だ。それは音の境界線にも 当てはまるように感じた。というのも、音を録っていた時に建物の外を通った 子供達の声が普段よりも近くで聴こえてきたからだ。 先人の「公」と「私」を分ける境界の引き方を 京町家での録音を通して感じることができた。

Recording Date: 2024/11/20 around 16:00
Recording place: Meikyoan

京町家での生活音/ Sound of housework in Kyo-machiya (traditional Kyoto-style houses)

御所の近く、天鵞絨（ビロード）を長い間作り続けてきた会社、杣長の工場内と その周辺で響く自動織機の音を録音させていただいた。 「ガッシャン、ガッシャン」と途切れることなく何台かの自動織機の音が鳴り響く。 決まった本数分の経糸を上下させるワイヤーヘルド（綜絖）という部分が動く音。 そして、緯糸を通すためのシャトル(杼)という部品が、ピッカー(シャトルを直接 打つ役割を持つ部品)に、押し出される際に生まれる衝撃音など自動織機の 様々な部分から成り立つ音が工場の中に響き渡る。 他にも、シャトルの中にある管に緯糸を巻きつけている管巻の工程の機械の音も 録らせていただいた。 またこの録音の最中、奏絲綴苑での手で 織物を織っている時の音が思い出された。 やはり、織物というだけあって同じような 工程を踏んでいる部分もあるが、 人か機械かという違いによって 全く異なる音が聴こえてくることに驚いた。

Recording Date: 2024/10/23 around 11:00
Recording place: Somacho Co., Ltd.

自動織機の音/ Sound of automatic loom

Sound/Music × traditional culture of Japan, nostalgy

Yakumo Sera

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