Monday 01:15 PM 2



忘れ物はない？
この夏はもう終わるんだよ
後悔なんてない
日に焼けた顔で新学期
花火大会は
熱がでたと嘘をついた
電話の終わりは
もう眠いと嘘をついた

久々に腕を通す
糊の効いた
ワイシャツは
目覚めの悪い私を
しゃんとさせるにはちょっと柔い


「儚い恋」を集めてつぶして
綺麗になった夕立は
赤、青、紫の透明
「短い愛」
終わって残った
夏の涙は鮮やかな
冷たさで私の頬を染めた


忘れものじゃない
わざと砂浜に埋めてきた
電気を消そう
明日からは寝坊できない
ひりひり痛いよ
それは日焼けのせいだ
気だるい西日に
君の返事待ったせいじゃない

浮き輪にしがみついて
海に浮きすぎたせいで
あなたをのがしたこの
指がふやけてしまった

「儚い恋」は開いてしぼんで
夕闇にはもう溶けていく
流れ星に願う前に
「短い愛」溺れて沈んだ
波打ち際は鮮やかな
色水になって白線を染めた

しまい忘れの風鈴の鳴る
８月３１日は
手のひらの思い出を遠くさせてゆく
鏡の前で立ちすくむ
９月１日の朝は
どうなることやら
でもきっと日焼けはまだ痛い

「朝顔」に重ねた言葉を
まぶたに映して
「朝顔」




Monday 01:24 PM 1


探せ
彼の残したひかり
ほらすぐ空見る君が好きだった
君が
ほしいままにした日々
それを僕は羨ましそうにみてる

乱反射する
乱反射する

眠い

何か
素敵なことをしよう
君の期待に僕はちょっとでも答えられたかい
若い
貪るような愛を
するには君は夜が好きすぎて

星ばかり見て
僕をみてはくれない

眠い

砕けた僕らの愛を
誰かが拾って
綺麗だと言えばいい
彼の光は
七色に僕を今も苦しめている

乱反射する
乱反射する

優しい
君がくれる
風を待ってた

眠い

砕けた僕らの愛を
誰かが拾って
綺麗だと言えばいい
分かれた彼の光は
七色に僕を今も苦しめている



プリズム

恋はアイロニー

雨上がりの青空は
着て来たワンピースに似てる
私の鞄は君が牽く
銀の自転車籠の中

澄んだ気持ちで伝えたい
だけど私はそんなに強くない
いつかそこから出してあげるから
もう少し待っていてね 恋心よ

サイダー
私だけ見てるよね
君の綺麗な横顔
触れたいなぁ
だけど無理だから
代わりのペットボトルで触れる
「暑いね」

額に滲む汗さえも
入道雲になって消えてゆく
陽炎揺れる川岸に
飛び込んでしまいたい

日焼けた肌に沁みるかな
夜は頬を伝うこの思いは
冷やせ弱い私のままじゃだめ
もう少し待っていてね 恋心よ

サイダー
透明な声が好き
あまり高くはない背の高さも
ゆっくりとでも進めればいい
君の喉も伝うサイダー
「暑いね」

高い空にやられた
私の頭は熱くなってる
蝉の声も
川のせせらぎも
今は聞こえない

サイダー
私だけ見てるよね
君の綺麗な横顔
触れたいなぁ冷やされた
わたしの手でいつか

サイダー
私だけ見てるよね
君の綺麗な横顔
触れたいなぁ
だけど無理だから
代わりのペットボトルで触れる
「暑いね」

サイダー
サイダー
サイダー


サイダー

春が終わり夏が来たよ
花火大会も幾つか終わったよ

汗の滲む朝になるほど
私のため息は増えていった

聞きたいことは
たくさんあります
だけど怖くて一つも
聞けない

私は濡れるよ
夏の雨に
嫌い嫌いほんとにあなたはずるいよ
私は打たれるよ
夏の雨に
居場所がただ欲しいだけなら良かった




あなたは決して私のところへ
来てはくれない意地悪だけど
それでもいいと必死になって
目をそらす私は蝉の声

したいことは
とめられません
後悔だけが
つのってゆく

私は溺れるよ
夏の雨に
好き好きほんとにあなたはずるいよ
私は沈むよ
夏の雨に
どんなに近づいても満たされない

綺麗に思えた思いが
結局一番厄介だって
今更、今更、今更だよ

私は濡れるよ
夏の雨に
好き好きの代わりに嫌いと言うよ
私は打たれるよ
夏の雨に
居場所がただ欲しいだけなら良かった

私は果てるよ
夏の雨に
私は消えるよ
夏の雨に
あの川に溺れて
息ができなくなって
消えてしまいたい




夏の雨



品川改札を出たら
すぐにわかるここは大都会
立ち並ぶ近代的なアーキテクツ
すれ違う人々のニヒリズム

宵闇に溶けるこだま号のスピード
追いつきたいけど
私たちには
私たちには

早い街だいつか上等なスーツを着て
横文字入りの会話を楽しみたいな
スカイウェイ、スカイウェイ。

Hikaru Sugimoto

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