君が憧れるところの透明人間になった僕は、忘れた右手の感触をガラス窓の中に求めた。偶然君の心臓に触れた感触と、目の前で溶けた星の残り香。空を舞うそれは酷く歪に見えた。
昨晩落下した太陽が水溜りを蒸発させた時に、5メートル先で同じように蒸発した老婆の焰。隙間を縫うようにして、羽を畳んだ忠義が地を這い、雄猫は自らの皮を剥ぎ、日銭を稼いだ。
ただ忘れた姿のように。君に滴る明日のように。同じ姿の僕らのように。流れて行くように。
肩…
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