220101-220115

211128-211219

recorded january 23, 2022
cover art: kibarakenmon

虫の祈り

ふるさとの訛りなつかし停車場の駅ピアノで、人ゴミに放った音の波紋に耳をすませる、利己的な癒し。ふるさとは、オブスキュアなこわれもの・・・

recorded: march 27 - june 5, 2022
cover art: kibarakenmon

駅ピアノ慕情

夢の中で自由にたゆたい　虚しく結合する記憶のクラスター　目覚めると忘れられるエフェメラルな装置　セシル・テイラーになったつもりで　というカード

recorded: june 13, 2022

夢が散らかっている

フレーズを機械でなく　手弾きで即興的に　繰り返してみる　ピストン往復のたび更新される　記憶のつづら折り　いずれ編集される車窓　リズムを忘れたダブのような　迷子列車の走行音

recorded: june 12 - 26, 2022

がまん坂変容

不自由さゆえに　細部に宿る意識の灯り　夢の隙間に混入した　不吉な知らせ　寝息のパルスと　墓穴としての根音

recorded: july 18 - august 7, 2022

忘郷蝉しぐれ

急行通過待ちの車内　視覚障害者用ドアチャイムの短2度音程から想起されるのは　長7度を含む長調の夢か　短6度を含む短調の不安か　その類縁的な根音どうしのすき間からふくらんでいく　認知の消失点

いまどこにおんの？

コロナ療養中、長らく寝かせていた断片的なスケッチを引っぱり出し、熱っぽさのなかでふくらんでいく自意識の鏡に映してみる。思い出から自動生成された、どこまでも下降する循環夢、死なないために

recorded: november 7 - december 29, 2022

第四階段

母と国道電車に乗って浜甲子園に出かけた、最も幼いころの記憶。「あの壁の向うに何があると思う？」と聞かれて「公園」と答えた私。その母も、電車も、生れて初めて見た海の面影も、みんな羽ばたいて消えてしまった。ぬけがらとしての音楽。

recorded: february 12 - march 18, 2023

kei kadota