music for the museum am7 作曲：坂口恭平

ピアノとサックスは坂口恭平
とても苦しい時、悲しくなって、これ以上もう生きてられないやと落ち込んでいたが、布団にくるまっても、考えることが止まることがないので、それなら、もう動いて、とにかく闇雲に手を動かしておいた方がいいと思っていた時に、風呂場だとどうにか篭れるのでそこでサックスを吹き、ピアノは大きな音を出すことに躊躇してミュートペダルを押しながら小さな音で弾いて、大きめに入力レベルを上げて作った。
今聞いてみると、何か体が楽になるような音楽だと思える。その時は何を作ろうとすらわからずにこれは完全に即興である。最初に風呂場でサックスを吹いた、何も考えずに、でも、そのあとピアノを伴奏で後付けしたのだが、不思議と、テンポも合っていて、サックスの旋律を先に作ったので、逆に普段では作らないような音色になったのではないかと思う。
Desire Pathとは、人間とか動物とかが本能的に森の中を歩いて、自然とできている道、けもの道、みたいな意味で、なんかいいなと思って、その名前をつけた。

music for the museum am8 作曲：坂口恭平

この曲は元気な時も元気じゃない時もいつもこの世界を、僕を超えて、この現実に生きる、存在している、死んでしまった人も、僕の祖先も、みんな含めて、生きてるよ！って教えてくれる曲で、僕にとっても、とっても大事な曲で、いつも僕の周りに生きて、一緒にご飯を食べたり遊んだりしてくれてる家族たちに仲間たちに感謝を感じる。一緒にいるフグのグーちゃん、ニホンヤモリのファーちゃんもみんな。そして、僕が好きなあの松の森を生まれ育ったあの場所にいつも僕を連れて行ってくれる。無くなってしまった時間がいっぺんに戻ってきて、それぞれに肩を組んだり、一緒にお風呂に入ったり、お風呂上がった後に喋る大人たち、その奥で、カルタなんかしている子供たち、親戚もみんな集まって、僕は一人で、なぜかそれを縁側から見ながら泣いている。現実に感謝をする。

music for the museum am8 作曲：坂口恭平

Kyohei-Sakaguchi

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