The Sower -to the depth of phantasm-
live electronics, surround speakers, horn
composed by TOY Fujii
performed by MAI Sekizawa

種を蒔く人 〜夢幻の深みへ〜

アーティストWakuの個展『after image』の会場BGMとして制作。展示される作品から録音したネオン管のノイズと、拡張されたピアノの音響でネオンの光をフォーカスするメディテーションアンビエントBGMを目指した。Max/msp で自作したパーシャルトラッキングとアディティブシンセシスの組み合わせによる音響拡張エフェクトを用いて、余韻を複製し、ピッチエンベロープを付加。その影がひとりでに動き始めるような効果は、楽曲のスペクトログラムからはっきりと見て取れる。展示タイトル『after image』 （= 残像、余韻）に対する音響的なアプローチを試みた。

BGM for "after image"

演劇ユニット「orz」の演劇『I・哀・愛』の舞台音楽を制作。『after image』のBGMの制作の際にピアノに使用した自作の音響拡張シンセを、会話の録音や環境音に使用し、アイコニックな電子音響と融合させることで、シュールレアリスム的な世界観を表出させることを目指した。

『I・哀・愛』-M3

『I・哀・愛』-M2

『I・哀・愛』-M1

2人のフリューゲルホルン奏者（シャーマン）と4人のソリストアンサンブルとオーケストラによる作品。逸れた音楽を”音楽”が導く、治療歌”イカロ”によるバッドトリップ救出劇。異なる指向性の音楽が交錯するカオティックな音響、スペクタクルは聴衆との関係性を断ち切り、意味を超越した無関係な儀式を傍観させる。(2020年)

Works by two flugelhorn players (as shamans) and four soloist ensembles and an orchestra. A bad-trip rescue play with the healing song "icaro", in which "music" guides deviating music. Chaotic acoustics intermingled with music of different orientations, the spectacle severs its relationship with the audience and allows irrelevant rituals beyond meaning to stand by.

パンジー／ジーパン（アルティメットフィクション）

新海友樹子の映像作品『Even if you can't move forward』の音楽と音声を担当。映像の作者本人が「都会に迷い込んだカニ」に扮して、道行く人の力を借りながら海へ帰るというあらすじで、人との繋がり、他者との関わりを可視化するモキュメンタリー。赤いドレス姿とカニ歩きのリズムから、フラメンコの着想を得てラテンの要素をふんだんに取り入れた。（2023年制作）

Ending - Music for the movie『Even if you can't move forward』

Sc1 - Music for the movie『Even if you can't move forward』

Sc2 - Music for the movie『Even if you can't move forward』

Sc3 - Music for the movie『Even if you can't move forward』

バンドアンサンブルとトロンボーン、テューバのための合奏曲。

オーケストラのように、「補い合う」従来的で西洋的な合奏形態ではなく、各々は個でありながら「織り成し合う」新しい合奏形態を模索するためのエチュード。

各演奏者は他の演奏者の微細な動きや全体の流動に対し、定められた条件によってアルゴリズミックに反応していく。全体は拍節によって統合されず、しかし、音楽的な展開を「織り成し」ていく。

演奏時間：約17分
編成：Voice, Electric Guitar, Fretless Bass, Drums, Trombone, Tuba
初演：2024年12月7日 「取手市長賞受賞記念演奏会」 @取手市民会館大ホール　演奏=カブトムシ（バンドアンサンブル）、青栁賢（トロンボーン）、田中輝（テューバ）
https://toyfujii.com/works/dontcryanymore

TOY FUJII

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