Composed by Arief Winanda
Cymbal: Mizuki Aita

本楽曲では、うねりのなかに内包される音の循環を表現した。私たちは、はじめにシンバルがたらす音色と大気の振動によって、うごめく音を感じるだろう。その後、音のうねりは一度私たちから遠のくものの、その後再びシンバルの音と共に再び出現する。（Arief）

Photo : Shoichi Yabuta

Music for China Cymbal

Composed by Gardika Gigih Pradipta
Vibraphone: Mizuki Aita
Pianica: Gardika Gigih Pradipta

ある午後、私は昼寝をしていました。敬愛する日本の作曲家武満徹の音楽の音の世界にいる夢を見ました。その夢はとても印象的でした。思いついて即座に會田瑞樹さんに捧げるこのヴィブラフォンのための曲を作りました。武満徹がヴィブラフォンの音色と夢の世界が好きだったのではないかと思いを馳せながら・・（Gigih）

Photo :Shoichi Yabuta

I Want See a Dream

Composed by Mizuki Aita
Koto : Nobuhiro Kaneko
 Vibraphone: Mizuki Aita

インドネシアでの公演にあたり、日本チームの2人で何か演奏できないかと思い作曲いたしました。冒頭は二人同時に軽妙な楽句を演奏します。ダンスミュージックのような弾むリズムに乗ってお互いの楽器の魅力を提示したのち、徐々に特殊奏法で音楽が熱を帯びると、突然の寸断。日本の古歌『さくらさくら』が響き渡り、勢い良く曲は終始します。（會田瑞樹）

Photo: Tomoko Hidaki

Kampai - Divertimento

Arranged by Nobuhiro Kaneko
Koto: Nobuhiro Kaneko
Vibraphone: Mizuki Aita

「現代邦楽の父」と呼ばれた日本を代表する天才盲人音楽家、宮城道雄の代表作である。この曲を耳にしたことはない日本人はいないと思うぐらい有名な曲。この曲を選んだ理由として２つあり、この曲をヴィブラフォンの新進気鋭のヴィブラフォン奏者である會田瑞樹氏がどのような春の海を演奏するかという興味とこの曲を日本からインドネシアへ向けてのラブコールとした。日本人2人による『春の海』では、どんな海が描かれるのだろうか。(金子展寛)

Photo: Shouichi Yabuta

春の海 Ocean in the Spring-arrange ver.-

Composed by Arief Winanda
Koto: Nobuhiro kaneko
Janggu: Arief Winanda

転がるチャンゴは、音色を奏でながらも予想外の動きによってある種の不安感をもたらす。この感覚は私たちに「いったい次はどこで地震が起こるのだろう。」という恐怖を呼び起こすかもしれない。一つの音と重なりあう音を行き来する箏の音色は大地を巡る大いなるエネルギーかのようである。（Arief）

Photo: Shouichi Yabuta

Earthquake

Koto: Nobuhiro Kaneko
Vibraphone: Mizuki Aita

六段は段物と呼ばれる箏曲のひとつ。近世箏曲の祖である八橋検校により作曲されたと伝えられている。題名の通り六段あるわけなのだか、各段が52拍子（初段のみ54拍子）という構成になっている。箏独奏曲であるが、三味線や尺八の楽曲としてもアレンジもされており、三曲合奏や二重奏など、いろいろな合奏編成で演奏されることも多い。本日はインドネシアのピアノの詩人ギギーにピアノによる即興の伴奏を付けてもらう。はたして本日の六段はどのような形でお届けできるだろうか。演奏する私にもいささか冒険である。(金子展寛)

Photo: Shouichi Yabuta

六段 Rokudan -arrange ver.-

Composed by Gardika Gigih Pradipta
Koto: Nobuhiro Kaneko

明治時代が始まった1868年。この時代に起きた変革の光景が私の作品へのインスピレーションになりました。『1868』は、友人で才能に溢れた若き箏曲家である金子展寛さんに捧げます。彼は、日本のとても長い箏の音楽史において、数多くの変革を伴った後継者になるだろうと感じています。この作品の旋律は箏の伝統的な音階（平調子）の中で箏の伝統的奏法を駆使しながら奏でられることにより、日本の伝統的な音楽の雰囲気を醸し出しながらも、ランダムなフレーズや非対称なサイレント構造を加えることにより、インドネシア人である私が感じた日本を表現しています。（Gigih）

Photo: Shouichi Yabuta

1868

Composed by Mizuki Aita
Gender: Welly Hendratomoko
Vibraphone: Mizuki Aita

ガムラン奏者であるWellyさんと共演したい。そんな思いで作曲を開始致しました。冒頭はグンデルとヴィブラフォンが同時にペロック音階の旋律を演奏、ヴィブラフォンが徐々にペロック音階を持たない旋律に移り変わり、東洋と西洋の遭遇の様相を音楽で表すことを目指しました。最後には二つの文化が共鳴する和音が響き渡ります。この作品は、尊敬するガムラン奏者である、ウェリー・ヘンドラモッコに献呈するものです。（會田瑞樹）

Photo: Tomoko Hidaki

Welly

Composed by Welly Hendratmoko
Gambang: Mizuki Aita and Welly Hendratomoko
Vocal: kazuma Ochiai and Rie Aoayagi

対話は、人の生活にとって必要不可欠な活動です。ジャワ文化の生活の中に、「インバル・ワチャナ (会話の応酬)」というよく知られた用語があります。「インバル・ワチャナ」は、文字通り交互に対話する、おしゃべりをする、話をするという意味があります。これは、人間が本来社会的生き物であり、常に他者との対話を必要としていることに由来しています。しかし、社会で対話はいつも順調に行くとは限りません。誤解や不足が生じることもあり、それらを正すためにもまた対話が必要になることもあります。人生での対話の重要性を考えると、作曲家である私は対話が音楽作品になるのではないかと考えました。さらに言語、または非言語の中に、あるいは音楽というメデイアを用いた対話の中に表れるインドネシアと日本の文化間にある差異を表現できるのではないかと。　「インバル・ワチャナ」と題された本作品は、音楽という言語を通じて日本とインドネシアの文化が対話する様子が伝わるように構成されています。 (Welly)

Photo: Tomoko Hidaki

Imbal Wacana

Composed by Mizuki Aita
Played by All Members
Vocal: Sri Wahyuningsih

メンバー全員で合奏できる作品を、という思いから作曲致しました。前半部分は箏の勢いある楽句に、それぞれの楽器の自由な旋律が絡み合い、混沌の様相を呈します。音楽が熱を帯びたところで全員が演奏を停止すると、女声がインドネシアの現代音楽の父ともいうべき作曲家、スラマット・アブドゥル・シュクールの遺した言葉「人生はゴングの長い楽句のようなもの。円の概念のように生は永続していく。」をインドネシア語で歌唱します。やがてゴングの一音が響き渡り、その響きは虚空の彼方へと消えていきます。この作品はスラマット・アブドゥル・シュクールに献呈するものです。（會田瑞樹）

Photo: Shouichi Yabuta

The River

Composed by Welly Hendratomoko
Played by All Members 
Vocal: Sri Wahyuningsih

『Harmoni in Ryoanji』は、Notes のメンバーが京都の龍安寺と嵐山の竹林、大原を訪れた時の経験からうまれました。これらの場所は、とても古い歴史を持っていて、非常にインスピレーションに富んでいました。私は、ジョン・ケージや武満徹や他の多くの作曲家たちがインスピレーションを得て音楽を生み出した龍安寺の石庭の雰囲気に、とても興味を引かれ、嵐山の竹林では、平穏で自然な雰囲気からインスピレーションを得ることができました。その雰囲気まるで私が住んでいる田舎の雰囲気のようだと感じました。ガムランの楽器、日本の伝統楽器、そして西洋楽器の融合が、一つに溶け合うような新しいニュアンスを創造することを願っています。この作品のある部分では、日本、あるいはジャワの伝統的なニュアンスにフォーカスします。また他の部分では、全ての要素が溶けて一つになります。ゆえに、本作品ではとても豊かで興味深いハーモニーがうまれることでしょう。(Welly)

Photo: Tomoko Hidaki

Harmoni in Ryoanji

NOTES: composing resonance

NOTES : composing resonance is a project launched with the hopes that individually created musical notes will come together, expand, and encompass everyone. Young and active artists get together, acquaint themselves to consider how they can collaborate and together form their own forms of expression. Through this encounter, the project aims to enable musicians to re-examine their worldviews and create ties with people and cultures that were unknown to them. And ultimately, we hope the project will allow many people around the world to share these members’ unique sound creations and their new worldviews

NOTES: composing resonanceとは？

 一人ひとりの奏でる音が一つになって、みんなを包み込むように広がっていきますように。 

そんな願いをこめて立ち上がった「NOTES: composing resonance」は、今活躍している若いアーティストが集まり、お互いを知り合いながら、一緒に何ができるかを考え、表現を形にしていきます。このメンバーだからこそ奏でられる音色と、メンバーの活動を通して見える世界を多くの人と共有していきたいと思います。

NOTES: composing resonance

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