密漁禁止

横着してたんだ
未来が少し見えた気がして

窓は開いていて
落ちてった灰の行く先
ろくでもないのでしょう

海沿い通りに呼び出して
安い気晴らしに行こう

密漁禁止の看板も
知らない所に行こう

存外捨てたもんでもないさ
利口に景色は美しいままで

そんな慰めもこうやって
苛立つことなく眺めているから

法に背いた自転車で
漫然と風を受け
君を掠めた煙なら
許される気がした

そうやって日々を
横流ししたことも
忘れたって何か
小さな傷があれば良い

空も暮れ
誰もいないなら
無用心な話でもひとつ
ひとつひとつ消えていく
漣のようだ

密漁禁止

わだちの無い雪道を
君に行かせることが
こんなにも恐ろしいと
思えなかったんだ
あの頃の僕は

わだちの無い

アンダーパス

今、女生徒が白線を飛び出して
その瞬間に赤い車をかすめて行く

巧妙に隠されたアンダーパスの壁に
誰が書いた世紀の羅列を
横目に行く

人の匂いだけを残したビルをくぐり抜け
よくない仲間が待ってるあの場所へ

秘密裏に街へと逃避行
地球の引力で
傷ばかり舐めあう深い夜だった
コーヒーの不味い自販機の光、基地にして
明日には忘れること笑いあった

アンダーパス

雨が降る日は

微曇りの映像が浮かんだ
君に曳かれて行く知らない路地の上

暮れなずむ空の色
広がって薫る
他人に言えないこと
君が教えてくれた時だったのに

ありふれた気まぐれから
馬鹿げた仮説ばかりを膨らませて
音すらたてないままに傷つけていた僕ら　
捨てるものばかりに迷っていた

好みじゃない小説を開いた
言葉は軽すぎて空白ばかり
滑稽な風刺　今更になって
突き返す人はもういなくなったのに

本当に良心の呵責ってやつが
何処にも無いのなら
ウソをつく時に空を見ないで

雨が降る日は
君から落ちた涙のこと
思い出しても二度と痛まなかった胸
いつから僕は玩ぶことすらできたんだ

雨が降る日は

たしかに君は
はぐれたボタンを
縫い直す時の顔をして

焦がれた方へ
嘘みたいな坂道を
景色も構わず二人で行った

荒らげた水滴に目を細めて
意味のない言葉だけ舞っていた

すっと水面は凪いで
陽だまり、タカラモノ、あの香り。
また、浮遊と微笑、紅涙。
留めていたかった
水面下で指を絡めて
腥い時間、その陽の中で
また、浮遊と微笑、紅涙。
ここからまた朝が来る

陽だまり、タカラモノ、あの香り。

外来種みたいな花の這う壁を行けば
見慣れぬ街の風に排他的なヴェールが揺れて
休日のにおいが溢れたんだ

看板の目眩を誘う配色は褪せていて
煉瓦造の路に長くなった影法師が揺れて
そろそろなにもない部屋が恋しくなる頃

さよなら告げてしじま
駅に向かう通りには
夕餉時を告げるにおい溢れていて
忘れないことばっか

休日

国道は二輪車の卑しい音を隠してる　
雨の夜の知らせ
イヤホンは厭らしく身を絡めて
打ち切られた夢が遠ざかる

目をつむってしまえば見えてくる
とうに廃れてしまった文明が羨ましくなる

小さな部屋で風を待っていた
皮肉っぽい歌で誤魔化しながら
鞄の中残るのは
カビの生えたものばかりだけど
まあ、ないよりもマシだって
そう言って確かめた　沈めて久しい碇

とうにいかれてしまった観衆が
担ぎ上げたアンティーク調の街
この埃だらけの扉には
見向きもしないのに

小さな部屋に星の飾りをさ
好きな色をつけて
好きに吊るしたんだ
だけど少し不細工で
その時君がふと言ったんだ
じゃあ僕達がこうやって暮らしてる星が
綺麗なわけがないや

小さな部屋

600ワット、二分半
我慢できずに組み上げて
大洋をメガストラクチュアで繋いだ
今はもう見る影もない

携帯小説、六時半
祭りの跡の人いきれは
大仰な青写真を一つ残して消えた

メガストラクチュア

初恋のあの人がもうすぐ
母親になるんだって
小さな町の噂話で耳にしたよ
一緒になって馬鹿やったアイツが
父親の後を継いで
一人前に社長さんになるんだってさ

それぞれの想いを胸に互いの道を
確かに歩んでゆくんだね

みんながお似合いだって
長い事付き合ってた
二人にも別れがきて
いつも強気だったあいつ
ガラにもなく
俺なんかの前で泣いてたよ

「そっちの世界は
いったいどんなんだい?
俺もそのうち行くけどさ
そんな時までめーいっぱい
悩むこともあるけれど
自分なりに生きてゆくよ

この唄は聞こえているのかい
もし聞こえているのなら
下手くそな唄いっしょに歌おうぜ」

嗚呼、青春の日々/ゆずのカバー

線香花火1つを2階の窓からぶら下げた
部屋に閉じ込めてた最後の夏の風が
逃げてったのさ

この季節にもう、おかえりは要らない

寄る辺ない歯ブラシが
部屋の隅に影を落として
それが悪い虫みたいで
少し怖かった

空き缶に捨てたタバコから
ふらふらと煙があがって
それが、花火の匂いとか
全部をかき消したのさ

この季節にもう、おかえりは要らない

頼りない天使/Fishmansのカバー(酔いに任せて)

ごはんたべて横になって
また寝ちゃった
あ～もうだめだ

いつもそうさ続かない
辞めちゃった
あ～もうだめだ

空のペットボトルばっかあつめて
船にしてどっか旅にでよう
床は罪と罰と君であふれて
裸足ではとても歩けない

骨にして私を砕いて
朝食のスープにいれてよ
海は罪と罰と君であふれて
残りは土の中に埋めて

ごはんたべて横になって
また寝ちゃった
あ～まあいっか

いつもそうさ続かない
辞めちゃった
あ～まあいっか

もうだめだ/アナトオル・フランスのカバー

デモ置き場。スマホ直撮りin風呂場です。

空

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