春の夜

春の夜

新谷 雅先

春の夜(1978年)

夜が来て 星がともる
夢から覚めた 月も色づく
なぜか人は 急ぎ足で
行きすぎる

道ばたには 小さな花が
眠たげに 目を閉じる
夜を忘れた鳥が 家を探し
飛んで行く

目の前が急に 明るくなって
 夜もまるで うそな公園に
 君と二人 これからずっと
 暮らしていこうよ

風が吹いて 君は舞う
春に浮かれた 蝶になって
ぼくもいっしょに 羽を広げ
飛んで行こう

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