ごみ袋と猩々蝿の集る空気を吸って
ぼくは微かに喉を灼いた。
昼下がりのアスファルトはどことなく焦げ臭い。
大通りの景観が色褪せて見える。
これが何かの罰であったとして
罪状は既に思考から棄てられている。
視界はだんだんと平衡を失くしている。
からから、からから、からから
と煩い季節をただ浴びるだけのぼくら。

交差点、標高64メートルの夏。
大学、標高78メートルの夏。
神さまがぼくらの調理を目論む
大きな鍋が火にかけられる瞬間を見る
そんな減衰の夏。

翳りのときに合わせて埋まる
人と人の隙間を眺めている雲が
茹だるぼくらに蓋をする。
ひとときの安堵を覚えるぼくらだが、
湿った空気に咽せずにはいられない。
これが何かの罰であったとして
罪状は既に思考から棄てられている。
脳みそを動かすには熱を帯びすぎている。
からから、からから、からから
と煩い季節をただ浴びるだけのぼくら。

交差点、標高64メートルの夏。
大学、標高78メートルの夏。
神さまがぼくらの調理を目論む
大きな鍋が火にかけられる瞬間を見る
そんな減衰の夏。

減衰の夏(記録・2022 08)

街並み  ヒュンと曇り空の下
それは何年も前だから一切 覚えてないの
一見なんにも異常は無いが
頭の中は 頭の中は

万引きしたら捕まる
無断欠席 怒られる

小難しい 彼のロジック
優しいけど トゲがあった
人に会わないで生きてけないかなあ
性悪な クラスメイトの
ずる賢い緻密な仕掛けに
まんまとハマるもんか
さっさとやめちゃおうよ

ゲラゲラ ゲラゲラ ゲラゲラ笑う
ああそれだけで良いのに なのに
悲しみに暮れるの
一見なんにも異常は無いが
頭の中は 頭の中は

死にたさなんか4万で
買えちゃうからねほんとにね

気分がいい 休日の朝は
だいたい1人で 部屋にこもってる
人に会わないで生きてけないかなあ
いつも通り 世界の終わりも
こんな感じだったらいいのに
擦過傷 治らないよ
どうしよう もうダメかも

小難しい 彼のロジック
優しいけど トゲがあった
人に会わないで生きてけないかなあ
性悪な クラスメイトの
ずる賢い緻密な仕掛けに
まんまとハマるもんか
さっさとやめちゃおうよ

商店街

辿り着いた楽園が
地獄の入り口でしかなかったとして
抗いもしないだろう 君とは違うから

縋りついたともしびが
憎悪と破滅の導火線だったとして
疑いもしないだろう 君とは違うから

もしもすべて虚しいと知って
躊躇いなく最善尽くせるかな

ここが楽園かどうかなんて
本当はそれほど興味はなくて
探しているのさ よくある陳腐で
かけがえない透明な煌めき
難解な言葉遊びなんて
ちっとも優先事項じゃなくて
もっと君を知りたい ただそれだけが
ここまで僕を連れてきてくれたんだ

もうどうしようもない苦痛を
誰かのせいだと思い込む弱さを
否定などしたくないぜ 僕らは似てるから

奪われたら奪い返す
そんな衝動に身を委ねてしまうんだ

自動小銃と名前すら持たぬ花
口ずさむ讃美歌と青空

ここが楽園かどうかなんて
決めるのは他の誰でもないと
分かってる素振りで何故か僕らは
間違えて失い続ける
何回目かの絶望の果てに
出会えて良かったと微笑みたくて
もっと君を知りたい ただそれだけが
ここまで僕を連れてきてくれたんだ

EdenTreaty

cetacean

罅割れそうな窓からそっと差し込んだ
ひだまりの中 君は眠ってた
今はどんな夢見て微笑んでいるの
生まれたての神話の空

虹を渡る鯨の群れや
夜を彩る星座作る魚

目が覚めたら聞かせてくれ
優しすぎる君に似た物語
その小さな身体だけじゃ
背負いきれないほどの悲しみを
僕に分けてくれないかなんて
軽はずみじゃ言えないから
いつかきっと

穏やかな毎日が愛おしすぎて
年老いたような気分になるんだろう
今はとても優しい顔をしているね
嬉しいのに何故だろう せつなくなる

目が覚めたら聞かせてくれ
優しすぎる君に似た物語
その小さな身体だけじゃ
背負いきれないほどの悲しみを
僕に分けてくれないかなんて
軽はずみじゃ言えないから
いつかきっと

夕暮れ間近の波打ち際で
星の魚を拾い上げたら
子供みたいにはしゃいでくれた
その笑顔だけ目印にして
零れ落ちそうな今を紡いでいく
それだけさ

cetacean

おねがいテンプル

お前を殺す

rabbit cover ver. usuisuui

Urameshi Store

TOKYO2020（Escape From Tokyo)

潰されて　ペラ紙になる
満員電車の真ん中で
停滞し　動けなくなる
首都高の知らん場所で
第一増えてくことには歯止めがないのに
減ることばかり恐れてる
起こってからでは止められないのに
戦闘機ばかり買う

被害者ぶるのが有り難いからか
自由を無料で明け渡している
動けないのが気持ちいいからさ
バンクシーみたく晒される
おしゃれぶってる
間抜けなんかは
何も気づかず
家に残る
会社を辞めて
貯金を崩す
街に火をつけ
ここを逃げ出そう

東京は最悪だ
本当は分かってんだろ？
愚鈍で　能天気に
熱中症　かかってんだろ？

ミスがバレ　燃える天井
開会式は中止だ
阿鼻叫喚　逃げ惑う人
そういうやつなら見たいよな？
大失敗　責任を問う
老人たちの口喧嘩
いつもどおり日本語じゃない
言い訳ばかりが紡がれる

巨大な力が止められなくなり
抑制を失っていく
間抜けが始めた戦争みたいに
苦労が二倍になる
ボランティアになりたいヤツと
友達なんのは無理だな
硬い椅子でケツを痛めて
豆粒みたいな走り見る

東京は最悪だ
本当は分かってんだろ？
愚鈍で　能天気に
熱中症　かかってんだろ？

潰されて　ペラ紙になる
満員電車の真ん中で
停滞し　動けなくなる
首都高の知らん場所で
殺されて　意味もなく
損なわれ　バカにされて
奪われて　消え去る前に
この街から逃げ出そうぜ

rabbit cover ver. usuisuui

usuisuui

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