十一時五十六分、彼は月に還った。溺死体は荼毘に附して、なんだか隠喩みたいで嗤えた。今日未明、明日の天気は、ってずっと考えていた。なんか、曇りな気がした。
誰かが吐いた嗚咽を吸い込んで、肺が凍てつく。今更になって、彼の声が足枷になる。忘れなきゃ、癒えないも、言えないも、呪いになる前に、なのに。
このメッセージが見えるのは、おかしいよ。ねえ、見えるはずないよ。メッセージが見えるのは、屹度、屹度、わざとだよ。朝焼け、月、…
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