“Wait, we’re taking the test together!?”
A little nervous—I can’t meet your eyes
But then I hear from beside me, softly:
“Hey, isn’t it more like this?”
A way of thinking I’d never seen
And I smiled, “Oh! That makes sense.”

The answer I couldn’t find alone—
It made me happy, just to share it.

Even when I’m unsure, if I speak up,
You say, “Hmm, maybe!” and the path unfolds
More than scores, it’s the space between hearts
Gently, slowly, we draw closer
Even when we differ, it’s okay—
That moment of trust is a treasure.

The time we build together
Quietly becomes something to be proud of.

There’s a view I can’t reach alone
But searching with you makes it fun
Even mistakes become a map of learning
When we speak, the wind begins to shift
This encounter—surely it shapes the future
Our journey of co-learning begins now.

The first pair test song at Kyoiku Junior High School (Remastered)

中学二年生の春、学校で「ペアテスト」なるものが導入されることになったと聞いた時、私は正直どうでもいいと思っていた。先生たちが「協力する力が大事」だの「相手を支え合う経験になる」だの言っていたけど、そんなのただの面倒な企画だと思っていた。
けれど、そのペアが「レン」と聞いた時、少しだけ気が楽になった。幼馴染のレンなら、まあ悪くない。彼は真面目で頭が良くて、私が適当にしていてもきっとなんとかしてくれるだろう、と少しだけ甘えていたのだ。

「サオ、テスト範囲はこれだよ」
レンはしっかり者らしく、先生が配ったプリントを丁寧に折りたたんで持ってきた。私がその紙を机の端に置いたままにしておいたら、彼は真顔で「これ、読んだ？」と聞いてきた。
「うーん、まだかな」
「ダメだよ、サオ。今回はペアで成績が一つになるんだから。僕一人の力じゃどうにもならないんだよ」
彼の必死な顔を見て、私は思わず笑ってしまった。「そんなに気張らなくてもいいじゃん。レンが頑張れば、私たち多分大丈夫でしょ？」「それじゃ意味がないんだよ！」
レンは真剣な顔をして言った。
私はちょっとだけ反省した。彼の目を見たら、なんだか本当に頑張らなきゃいけない気がしてきたのだ。

勉強会は、主にレンの家で行われた。彼の部屋はきれいに片付いていて、机の上には教科書やノートが整然と並んでいた。私の部屋とは大違いだ。
「今日は数学からやろうか。苦手なところはどこ？」「全部？」
「……それは困ったね」
レンはため息をつきながらも、一つ一つ丁寧に教えてくれた。公式を覚えるのが苦手な私に、彼は「これを覚えるともっと簡単になるよ」とか、「こう考えると分かりやすいよ」とアドバイスをくれる。
最初はつまらなかった勉強も、だんだん面白くなってきた。レンが時々問題をゲームみたいにして出してくれたり、ちょっとしたご褒美を用意してくれたりしたからだ。
「この問題、解けたら次のおやつはサオの好きなチョコレートにするよ」
「本当？じゃあ頑張る！」
レンは自分のことを「お兄さんみたい」と思っているのかもしれないけど、正直なところ、私は彼を頼ってばかりいた。だけど、少しだけ「私も彼のために頑張らなきゃ」と思うようになっていた。

テスト当日、レンはいつもより緊張しているように見えた。「サオ、大丈夫？」
「大丈夫だよ、レンがいるし」
私はレンを落ち着かせるつもりでそう言ったけど、実際に助けられているのは私の方だった。ペアテストは、一つの机に二人で座り、問題を協力して解く形式だった。私たちは、役割分担を事前に決めていた。レンが理数系を中心に、私は国語と英語を担当することにしたのだ。
試験中、レンが一瞬だけ悩んだ問題があった。「ここ、どうする？」「えっと、もしかしてこれじゃない？」
私が適当に言った答えが意外にも正解に近くて、レンは驚いた顔をした。
「サオ、やるじゃん」
「たまにはね」
そんなやり取りをしているうちに、試験は終わった。なんだか不思議な達成感があった。

成績発表の日、廊下に貼られた成績表の中で、僕たちのペアの名前が上位にあった。「やったね、レン！」
「うん。サオも頑張ったからだよ」
私の方が頑張ったかどうかは分からないけど、レンと一緒にテストを受けたことで「誰かと協力して何かを成し遂げる」という喜びを初めて知った気がした。
「次も一緒にやる？」
私がそう聞くと、レンは少し照れたように笑ってうなずいた。
こうして、私たちのペアテストの日々が始まったのだった。

①沙織と蓮の初めてのペアテスト

中学二年生の最後のテストが近づいてきた。先生は「今度のペアテストは学年全体で評価する特別なものだ」と力を込めて言ったけど、正直そんな大げさな話に乗れるほど真面目じゃない。
でも、レンは違う。彼は教科書を広げて問題集を片手に、やる気満々だった。「サオ、今回のテストは気合い入れよう。最後だから、いい形で終わりたいだろ？」「うーん、そうかもね」
なんて返事をしながらも、私はそこまで熱心じゃなかった。だって、ペアテストってどうせレンがほとんど解くのだし。
そんな私に、彼は意外な提案をしてきた。「今回はもっと対等にやろうよ。サオが得意なこと、全部僕に教えてほしい」「得意なこと？…国語の作文くらい？」
「それでいいよ。あと、英語の単語覚える方法とかも教えて」
そう言われて、少し意識が変わった。レンが私に頼るなんて珍しいことだし、なんだか嬉しかったのだ。それから、レンが苦手なところを私が教える時間が増えた。作文のコツや、単語を覚えるための変な語呂合わせを教えると、彼は真剣に聞いてくれた。
準備の日々
勉強会を重ねるうちに、私たちのペアらしさが見えてきた気がする。「サオ、この単語の意味教えて」「これはね、例えばこういうシチュエーションで使うの。ほら、あのドラマでも出てきたでしょ？」
「え、本当？…あ、分かった！」
反対に、数学や理科では私がレンに頼りっぱなしだった。「この問題、どういうこと？」「まず公式を使ってみよう。ほら、ここで代入して…」
「んー、難しい…でも、分かってきたかも」
お互いに教え合うのが、なんだか楽しかった。いつもレンに引っ張られていると思っていたけど、今回のテスト準備では少しだけ対等になれた気がした。

テスト本番の日がやってきた。教室には緊張感が漂い、私もさすがに心臓がドキドキしていた。レンは隣でいつも通りの冷静さを保っている。「サオ、大丈夫だよ。今まで通りやればいいから」
「…うん、分かった」
テストが始まると、最初のうちは順調に進んだ。でも、数学の難問が出てきた時、私は手が止まった。どうしようもなくて、レンをちらりと見た。すると、彼が無言で問題用紙のある部分を指差した。その瞬間、彼が何を伝えようとしているのか、私にははっきりと分かったのだ。
「あ、ここでこの公式を使うんだ」
私は思わず声を出しそうになったけど、慌ててこらえた。
それからも、何度か同じようなことが起きた。彼が私を見て、私が彼を見て、言葉にしなくてもお互いの考えていることが分かる。初めての感覚だった。
最後の作文問題では逆に、私が彼に目で合図を送った。「このテーマなら、あの話を書けばいいよ」
レンは小さく頷いて、ペンを走らせた。
奇跡の結果
テストが終わった後、私は思わずレンに言った。「ねえ、今の、なんだったんだろうね？」「何が？」
「だって、何も言わなくても分かったじゃん。問題とか、答えとか」
「…確かに。不思議だったよな。でも、面白かった」
成績発表の日、私たちのペアは学年でトップだった。自分の目を疑ったけれど、レンが私に言った言葉で少し納得した。
「サオとだから、こんな結果になったんだよ」

②沙織と蓮の以心伝心ペアテスト

中学三年生の春、最初のペアテストが近づいてきた。もう僕たちがペアでテストを受けるのは当たり前のことだったし、特に不安もなかった。サオとは幼馴染で、付き合いは長い。お互いの得意不得意も分かっているから、準備もスムーズに進むと思っていた。
けれど、この春からサオがなんだか変わった気がする。

「ねえレン、この問題どう思う？」サオが笑顔で僕にプリントを差し出してきた。以前より少し丁寧な字で書かれたノートに気づく。これまで勉強は最低限しかやらなかったサオが、最近やけに熱心だ。「ん…公式使えばすぐ分かるよ。それより次、英語やるから」
「え、ちょっとくらい褒めてくれたっていいじゃん」
なんだか期待したような顔をしているサオに、僕は少し面倒に感じながらも返事をする。
「いや、頑張ってるとは思うけどさ」
彼女は不満そうに唇を尖らせたけど、それ以上何も言わなかった。


ペアテストの準備中、僕たちは相変わらず一緒に勉強をする。僕が理数系を教え、サオが国語や英語をサポートする。それ自体は以前と変わらないけれど、彼女はどこかソワソワしているように見えた。
「レン、次の休みにどこか出かけない？」「え？なんで？」「いいじゃん、気分転換になるし」
「いや、時間がもったいないよ。テスト近いし」
サオは「そっか」と言って引き下がったけれど、どこか寂しそうな顔をしていた。それが気になったけど、僕には彼女の意図が分からなかった。


テスト当日、サオの様子はいつもと違って落ち着いていないように見えた。問題を解き進める僕に対して、彼女はやたらと僕の顔を覗き込む。「レン、ここ、どう思う？」「それはさっき言ったじゃん。覚えてないの？」
「…ごめん」
彼女の声が少し小さくなるのを聞いて、僕は少し反省した。でも、テスト中に気を使っている余裕はない。彼女も分かっているはずだと思って、問題に集中した。


テストが終わった後、僕たちは学校の帰り道で少し話した。サオは珍しく無口で、ずっと下を向いていた。「どうしたの？」「…別に」
「いや、サオがそんなに静かなの珍しいからさ」
彼女は一瞬だけ僕を見たけど、すぐに目をそらした。
その時、初めて気づいた。サオの目の中にある感情が、これまで僕が見たことのないものだと。
「レンって、ほんとに鈍感だよね」
彼女は小さくつぶやいて、先に歩き出した。

その夜、家で彼女の言葉を思い返した。「鈍感」ってどういう意味だったんだろう。考えれば考えるほど、サオの態度や言葉が頭に浮かんできた。
彼女の最近の変化、やたらと僕に質問してくること、一緒に出かけたがること。そして、今日のテスト中の視線…。
「まさか…」
自分の考えに驚いて、頭を振る。サオが僕のことをそういうふうに思うなんて、あり得ない。僕たちはただの幼馴染で、ペアでテストを受ける相棒だ。それ以上でも以下でもないはずだ。
けれど、彼女の言葉や態度を無視することもできなかった。


次のペアテストが近づく中で、僕はなんとなくサオに対する見方が変わり始めていた。彼女の笑顔や、ふとした仕草、僕に見せる特別な表情。これまでただの幼馴染だと思っていたけれど、もしかすると彼女は僕にとってもっと特別な存在なのかもしれない。
でも、それに気づいた時には、もう彼女の気持ちは少し遠くに行ってしまっているような気もする。
「サオ、次の勉強会、いつにする？」「…え？レンが決めてよ」
彼女の声はどこか冷たくて、僕は少しだけ焦りを覚えた。
ペアテストはこれからも続く。でも、その中で僕たちの関係はどうなっていくんだろう。少しだけ胸がざわつくのを感じながら、僕は次の勉強会の計画を立てるのだった。

③気づかない蓮とペアテスト

中学三年生の夏休み、私はなんだか落ち着かなかった。レンと一緒に過ごす時間はたくさんあったけど、それはいつも「ペアテストの準備」という名目がついていた。夏休みくらい、勉強じゃなくて普通に遊びたい。そう思った私は、初めてレンにSNSでメッセージを送ることにした。

夜、スマホを握りしめながらメッセージを打った。
「ねえ、レン。夏休みっぽいこと、何かしようよ！」
送信ボタンを押してすぐ、既読がついた。さすがレン、返事は早い。「夏休みっぽいことって？」「花火とか、海とか！」
「勉強は？」
「勉強の話は禁止！」
少し間が空いてから、レンからメッセージが返ってきた。「分かった。でも、どこ行くの？」「レンが決めてよ」
「じゃあ、花火大会に行かない？」
思わずスマホを抱きしめた。「いいね！いつ？何時？」「来週の土曜。夕方6時に駅で」
「楽しみにしてる！」

約束の日、私はいつもより少しだけおしゃれをして待ち合わせ場所に向かった。新しいワンピースに、母が貸してくれたお気に入りのピアス。レンに何か言われるかなと思いながら、少しドキドキしていた。
駅に着くと、レンはすでに待っていた。相変わらず制服姿の延長みたいな格好だけど、それでもなんだか特別に見えた。「遅れてないよね？」
「うん、ちょうどいいタイミング」
レンは照れたように笑って、それから「あっち行こう」と人混みを避けるように歩き出した。


花火大会の会場はすでに多くの人で賑わっていて、私たちは少し離れた静かな場所に座った。夜空に打ち上がる大きな花火に、私は思わず声を上げた。「きれいだね！」
「うん。サオ、花火好きだったよな」
その言葉に少し驚いた。私が花火を好きだと言ったことなんて、覚えていてくれたんだ。
花火がひと段落した頃、レンがポケットから何かを取り出した。小さな紙袋だった。「これ、渡そうと思って」
「え、なに？」
袋を開けると、中にはシンプルな銀のブレスレットが入っていた。
「勉強ばかりさせてるし、夏休みくらいちょっと違うものあげようかなって思ったんだ。似合うと思って」
「レン…ありがとう！」
手首につけてみると、思った以上にぴったりだった。嬉しくて何度も眺めていると、レンが少し照れたように言った。
「そんなに見るなよ。変な気分になる」
私は笑って、「すごく嬉しいよ」とだけ答えた。


帰り道、レンと並んで歩きながらふと思った。この夏の一日が、いつもと違う特別な時間に感じられたのは、レンが隣にいてくれたからだと。
「ねえ、またどこか行こうね」「いいけど、勉強もちゃんとやるぞ」
「もう！せっかくいい雰囲気なのに」
そんな軽口を叩きながら、私はブレスレットをそっと撫でた。この夏の思い出と一緒に、ずっと大切にしていこうと思った。

④沙織と蓮と打ち上げ花火とペアテスト

中学3年生の後期が始まったころ、私たちのペアにも少しずつ変化が現れていた。いつもと変わらないはずの勉強時間も、どこか味気なく、機械的に進むような気がしていた。
「この問題、どう解くんだっけ？」
私がレンに質問すると、レンは淡々と答える。もちろん分かりやすいし助かるんだけど、その答えが以前みたいに私をワクワクさせてはくれなかった。逆にレンも、私の質問に対して少しだけ面倒くさそうに見えることが増えた気がする。
「最近、レン、なんか冷たいよね。」
何気なく言ったその言葉が、思いのほか重く響いたのか、レンは少し黙り込んだ。
「そうか…別にそんなつもりはないけど。」「うーん、なんか前みたいに楽しくないな。」「サオがそう思うなら、俺が変わらなきゃいけないのかな。」
彼はそう言って、少しだけ目を伏せた。そのやりとりが、どこかぎこちなくて、自分の言葉が間違っていたのかもしれないと後悔した。

そんな空気が続いていたある日、私は急に体調を崩してしまった。風邪をひいたと思って軽く考えていたら、予想以上に悪化してしまい、学校をしばらく休むことになった。
レンに連絡すると、いつもはそっけないメッセージを送ってくる彼が、やけに長文で返してきた。
「体調大丈夫？無理しなくていいよ。俺、サオがいないと集中できないけど、テスト対策はちゃんとやるから安心して休んで。」
そのメッセージを読んで、少しだけ泣きそうになった。私がいないと集中できない――なんて、レンらしくないけど、嬉しかった。
レンはその後もノートの写真を送ってくれたり、勉強の進捗を報告してくれたりした。でも、そのやりとりの中で私は気づいた。いつも隣にいたから見えなかったけど、レンはずっと私を支えてくれていたんだ、と。

体調が回復して久しぶりに学校に行くと、レンが少しだけ変わっていることに気づいた。
「サオ、これ。お前のノートでまとめてみたんだけど、分かりやすいかな。」
そう言って差し出されたノートには、私がよく間違えるポイントが丁寧にまとめられていた。いつもクールな彼が、ここまで考えてくれていたなんて思いもしなかった。
「レン、ありがとう…なんか、すごいね。」「いや、サオのためじゃなくて、自分でも整理したかっただけだから。」
そう言って少し照れたように笑う彼を見て、胸が少しだけ熱くなった。
その日から、私たちの勉強の空気が変わった。以前のようなマンネリはどこかへ消え、また新鮮な気持ちで取り組めるようになった。ペアであることの意味を、もう一度考えるきっかけになった気がする。

そして迎えた高校受験の日。試験会場に向かうバスの中で、レンがふとつぶやいた。「サオが隣にいると、なんか落ち着くな。」「それ、私も同じ。」
自然に出たその言葉に、2人で少しだけ笑い合った。
試験中、私たちの間に特別な会話があったわけじゃない。でも、レンがノートで教えてくれたポイントを思い出すたび、彼の存在を感じた。きっと蓮も、私のことをどこかで思い出してくれている気がした。
結果発表の日、合格を知らせる掲示板を2人で見上げたとき、私たちは同時に「やったね！」と叫んでいた。お互いの顔を見て笑い合うその瞬間、ペアでいることの意味がやっと完全に分かった気がする。

ペアでテストを受けることは、最初はただの学校の試みだった。でも、レンと過ごした時間の中で、それが私にとってどれだけ大切なものになったか、今なら分かる。彼が隣にいるから私は頑張れるし、彼も私がいるから一歩先に進めるんだと思う。
これからも、私たちはきっと隣同士で何かを乗り越えていくんだろうな。高校生になっても、レンとのペアは変わらない――そんな気がしてならなかった。

⑤沙織と蓮と揺れる心とペアテスト

Spring of my second year in middle school.
When I first heard that the school was introducing something called a “Pair Test,” I honestly didn’t care. The teachers kept saying things like, “It’s important to learn cooperation” and “It will be an experience of supporting each other.” But to me, it just sounded like another troublesome project.

Still, when I found out my partner would be Ren, I felt a little relieved. Ren was my childhood friend—serious, smart, and reliable. I thought, “Even if I slack off, he’ll probably handle it somehow.” I was leaning on him, just a little.

---

“Saō, here’s the test outline.”
Ren, ever the responsible one, carefully folded the handout the teacher had given us and brought it over. When I left mine sitting at the edge of my desk, he looked at me seriously and asked, “Did you read this?”
“…Not yet.”
“That’s no good, Saō. This time our grade will be shared. I can’t do it alone.”

His desperate expression made me laugh.
“Don’t be so tense. If you work hard, we’ll be fine, right?”
“That’s not the point!” Ren shot back, his face earnest.

I felt a little guilty. Looking into his eyes, I realized maybe I really did need to try.

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Our study sessions were mostly at Ren’s house. His room was neat and tidy, with textbooks and notebooks lined up perfectly on his desk—completely different from mine.
“Let’s start with math today. Which parts are you weak at?”
“…All of them?”
“…That’s a problem.”

Ren sighed, but he still taught me patiently, step by step. Since I struggled with memorizing formulas, he would say things like, “If you remember this, it’ll be easier,” or “Think of it this way—it makes more sense.”

At first, studying was boring. But gradually, it became fun. Ren sometimes turned problems into little games, or offered small rewards.
“If you solve this one, the next snack will be your favorite chocolate.”
“Really? Then I’ll try!”

Maybe Ren thought of himself as an older brother, but honestly, I was just relying on him. Still, little by little, I began to think, “I should try harder—for his sake too.”

---

On the day of the test, Ren looked more nervous than usual.
“Saō, are you okay?”
“I’m fine. You’re here, after all.”

I said it to calm him down, but in truth, I was the one being helped.

The Pair Test meant sitting together at one desk, solving problems as a team. We had already decided our roles: Ren would handle math and science, while I took care of Japanese and English.

During the exam, Ren hesitated for a moment over one question.
“What do we do here?”
“Uh… maybe this?”

My half-guess turned out surprisingly close to the right answer, and Ren looked at me in shock.
“Saō, nice one!”
“Sometimes I get it right.”

And just like that, the test was over. Somehow, I felt a strange sense of accomplishment.

---

On results day, our names were near the top of the list posted in the hallway.
“We did it, Ren!”
“Yeah. Because you worked hard too.”

I wasn’t sure if I really had, but taking the test with Ren taught me something new—the joy of achieving something together.

“Want to do the next one together too?”
I asked, and Ren smiled shyly before nodding.

And so, our days of Pair Tests began.

①Sao and Ren’s First Pair Test

The Last Test of Second Year

The final test of my second year in middle school was approaching. The teacher announced with great emphasis, “This Pair Test will be special—it will be evaluated across the entire grade.” Honestly, I wasn’t serious enough to get caught up in such a dramatic declaration.

But Ren was different. He opened his textbook, problem set in hand, full of determination.
“Saō, let’s really give it our all this time. It’s the last test—we should finish on a good note, right?”
“…Maybe so,” I replied half-heartedly.

I wasn’t that motivated. After all, in a Pair Test, Ren usually solved most of the problems anyway.

Then he surprised me with a proposal.
“This time, let’s make it more equal. Teach me everything you’re good at.”
“…Good at? Maybe writing essays in Japanese?”
“That’s perfect. And also, show me how you memorize English vocabulary.”

It was rare for Ren to rely on me, and that made me unexpectedly happy. From then on, I spent more time teaching him the things he struggled with—tips for writing essays, silly mnemonic tricks for memorizing words. He listened earnestly.

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Days of Preparation

As we studied together, I began to feel our partnership taking shape.
“Saō, what does this word mean?”
“This one? Imagine this situation—it’s like in that drama we watched, remember?”
“Really? …Oh, I get it now!”

In math and science, though, I leaned entirely on Ren.
“What’s going on with this problem?”
“First, use the formula. Look, substitute here…”
“Hmm… tough. But I think I’m starting to get it.”

Teaching each other turned out to be fun. I had always thought Ren was the one pulling me along, but this time, preparing for the test, I felt we were finally a little more equal.

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The Day of the Test

The classroom was filled with tension, and even I felt my heart pounding. Ren, beside me, stayed calm as always.
“Saō, it’s fine. Just do it like we practiced.”
“…Okay, got it.”

At first, everything went smoothly. But then a difficult math problem appeared, and I froze. I glanced at Ren. Without a word, he pointed to a section of the paper. In that instant, I understood exactly what he meant.
“Oh… we use this formula here.”

I almost spoke aloud but quickly held back.

It happened several more times—he looked at me, I looked at him, and somehow we understood each other without words. It was a feeling I had never experienced before.

On the final essay question, it was my turn. I gave him a small signal with my eyes: “For this theme, write that story.”
Ren nodded slightly and began to write.

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A Miraculous Result

After the test, I couldn’t help but say,
“Hey… what was that just now?”
“What do you mean?”
“We understood each other without saying anything—about the problems, the answers…”
“…You’re right. It was strange. But kind of amazing.”

On results day, our pair was ranked at the very top of the grade. I could hardly believe my eyes. But Ren’s words made me accept it.
“It’s because I was with you, Saō. That’s why we got this result.”

②Sao and Ren's heart-to-heart pair test

Spring of my third year in middle school,
the first Pair Test was drawing near.
By now, taking tests together was natural,
nothing to worry about.
Sao was my childhood friend,
we knew each other’s strengths and weaknesses,
so I thought preparation would be smooth.
But this spring, Sao seemed… different.

“Hey Ren, what do you think of this problem?”
She smiled, handing me her worksheet.
Her notebook—letters written more carefully than before.
Sao, who had always studied just enough,
was suddenly earnest.
“Use the formula, it’s quick. Let’s move on to English.”
“Come on, you could at least praise me a little.”
Her expectant look made me sigh.
“…I mean, you’re trying hard.”
She pouted, but said nothing more.

---

We studied as always—
I taught math and science,
she supported me in Japanese and English.
But she seemed restless.
“Ren, let’s go out next holiday?”
“…Why?”
“It’d be a nice change of pace.”
“No, we don’t have time. The test is close.”
“…Okay.”
Her face fell, and I noticed.
But I didn’t understand her intent.

---

On test day, Sao was unsettled.
While I solved problems,
she kept peeking at me.
“Ren, what about this one?”
“I already explained that. Don’t you remember?”
“…Sorry.”
Her voice shrank,
and I regretted my tone.
But during the test,
I couldn’t afford to soften.

---

Afterward, walking home,
Sao was quiet, eyes down.
“What’s wrong?”
“…Nothing.”
“You’re never this silent.”
She glanced at me, then looked away.
And I saw something in her eyes—
a feeling I’d never seen before.
“Ren, you’re really dense.”
She whispered, and walked ahead.

That night, her words echoed.
Dense… what did she mean?
Her recent changes,
her constant questions,
wanting to go out,
her gaze during the test…
“Could it be…?”
I shook my head. Impossible.
We were just childhood friends,
partners in Pair Tests.
Nothing more, nothing less.
Yet I couldn’t ignore her words.

---

As the next test approached,
my view of Sao began to shift.
Her smile, her gestures,
the special look she gave me.
Maybe she was more than a friend.
But by the time I realized,
her feelings seemed already distant.

“Sao, when’s our next study session?”
“…You decide, Ren.”
Her voice was cool,
and I felt a flicker of panic.

Pair Tests would continue.
But what about us?
With unease in my chest,
I began to plan the next study day.

③ Pair test with a Ren that you don't notice

During the summer break of my third year,
I couldn’t seem to settle down.
I spent plenty of time with Ren,
but it was always under the name of
“Pair Test preparation.”
Just once, I wanted to do something
that wasn’t about studying.

That night, holding my phone tightly,
I sent him a message:
“Hey, Ren. Let’s do something summer‑like!”
The read mark appeared instantly—
of course, Ren replied fast.
“Summer‑like? Like what?”
“Fireworks, or the sea!”
“What about studying?”
“No studying talk allowed!”

After a pause, his message came:
“Okay. But where should we go?”
“You decide.”
“Then… how about the fireworks festival?”
I hugged my phone in delight.
“Perfect! When? What time?”
“Next Saturday. Six o’clock at the station.”
“I can’t wait!”

---

On the promised day,
I dressed up a little more than usual—
a new summer dress,
my mother’s favorite earrings.
I wondered if Ren would notice,
my heart beating faster.

At the station, he was already waiting.
His clothes looked like an extension of his uniform,
yet somehow, tonight they seemed special.
“You’re not late, right?”
“No, perfect timing.”
He smiled shyly,
then guided me through the crowd.

---

The festival grounds were alive with people,
but we found a quiet spot to sit.
When the fireworks burst across the night sky,
I couldn’t help but cry out:
“So beautiful!”
“Yeah. You always liked fireworks, didn’t you, Sao?”

I was surprised—
he remembered something so small.

When the fireworks paused,
Ren pulled a small paper bag from his pocket.
“I wanted to give you this.”
Inside was a simple silver bracelet.
“I make you study all the time…
so for summer, I thought I’d give you something different.
I figured it would suit you.”

“Ren… thank you!”
I slipped it onto my wrist—
it fit perfectly.
I kept looking at it, over and over,
until Ren, embarrassed, said:
“Don’t stare at it so much.
It feels weird.”
I laughed, answering only:
“I’m really happy.”

---

On the way home,
walking side by side,
I realized this summer day felt special
because Ren was beside me.

“Hey, let’s go somewhere again.”
“Sure—but we still have to study.”
“Oh, come on! You ruined the mood.”

I teased him,
while gently touching the bracelet.
I knew I would treasure it,
along with this summer memory,
for a long time to come.

④Sao,Ren,Fireworks, and Pair Test

As the second term of my third year began,
something in our pair started to change.
Study time, once lively,
now felt bland, mechanical,
like gears turning without spark.

“How do you solve this problem again?”
I asked Ren.
He answered plainly, clearly—
helpful, yes,
but no longer exciting as before.
And sometimes,
he seemed almost weary of my questions.

“Ren, you’ve been kind of cold lately.”
I said it lightly,
but the words landed heavy.
He fell silent.
“…I didn’t mean to be.
But if you feel that way…
maybe I need to change.”
He lowered his eyes.
The awkwardness stung,
and I regretted my words.

---

Then one day, I fell ill.
What I thought was a simple cold worsened,
and I had to miss school.
When I messaged Ren,
his reply was unusually long:

“Are you okay? Don’t push yourself.
I can’t focus without you,
but I’ll keep up the test prep.
So rest easy.”

Reading that,
I nearly cried.
Ren, saying he couldn’t focus without me—
so unlike him,
yet so comforting.

He sent me photos of his notes,
updates on his progress.
And in those exchanges,
I realized:
because he was always beside me,
I hadn’t seen it—
but Ren had been supporting me all along.

---

When I returned to school,
Ren handed me a notebook.
“Sao, I tried summarizing your notes.
Is this clear enough?”
Inside were careful explanations
of the points I often missed.
Cool, composed Ren—
I never imagined he’d do this.

“Ren… thank you. This is amazing.”
“It’s not just for you.
I needed to organize it myself.”
He smiled, embarrassed.
My chest warmed.

From that day,
our study sessions changed.
The dull routine vanished,
replaced by freshness.
Being a pair—
I began to understand its meaning anew.

---

The Entrance Exam

On the bus to the exam hall,
Ren murmured:
“Sao, I feel calm when you’re beside me.”
“…Me too.”
We laughed softly.

During the test,
we didn’t exchange words.
But each time I recalled
the notes Ren had made for me,
I felt his presence.
And I believed—
somewhere, he was remembering me too.

On results day,
we stood before the board together.
Our names—accepted.
“Yatta!” we shouted in unison,
faces breaking into smiles.
In that moment,
I finally understood
what it meant to be a pair.

---

At first,
Pair Tests were just a school experiment.
But through time with Ren,
I learned how precious they became.
I can strive because he is beside me,
and he can move forward
because I am there.

And I know—
whatever challenges await,
we will face them side by side.
Even in high school,
our pair will remain.
I feel it deeply.

⑤Sao and Ren and the swaying heart and pair test

春の日差しが差し込む教室で、小学生のユイとダイスケは、小さな机に向かい合って座っていた。今日は特別な日だ。入学して初めての「2人で受けるテスト」が始まる。
「ダイスケくん、ちゃんと準備してきた？」ユイがダイスケに尋ねた。「うん、算数の練習は昨日ママとやったよ。でも、国語の長い問題はちょっと苦手だなぁ…」
ダイスケが鉛筆をくるくる回しながら答える。
「大丈夫だよ。私が国語、得意だから！その代わり、算数のときは助けてね！」
ユイの言葉に、ダイスケはほっとした表情を浮かべた。
テストが配られると、2人は「よーい、スタート」の合図とともに鉛筆を握った。
1問目：算数の問題
「りんごが5つあります。さらに3つ買いました。りんごは全部で何個ですか？」
ユイが考え込んでいると、ダイスケがさっと鉛筆を動かした。「答えは8個！」「え、どうしてそんなに早いの？」ユイが目を丸くする。
「簡単だよ。5と3を足すんだよね。こうやってさ。」
ダイスケは紙に大きく数字を書いて説明した。
「なるほど！すごいね、ダイスケくん！」
ユイが感心して拍手をすると、ダイスケは少し照れた様子で笑った。
2問目：国語の問題
「『さくら』という言葉を使って文を作りましょう。」
今度はユイが得意げに鉛筆を握った。「さくらは春になるときれいに咲きます。」「うわー、ユイちゃん、上手だね。でも、もっと楽しい文にしてもいい？」
ユイが首をかしげる。
「例えば？」
「さくらの木の下で、おいしいお弁当を食べました、とか！」
「いいね！じゃあ、その文を書こう！」
2人は顔を見合わせて笑いながら答えを仕上げた。
3.最後の問題：自由に絵を描こう
最後の問題は、2人で1枚の紙に絵を描くというものだった。テーマは「テストの思い出」。「何を描こうか？」ユイが尋ねると、ダイスケは少し考えてから言った。「僕たちがテストしてるところを描こうよ！」
「じゃあ、私はダイスケくんが算数を教えてくれてる絵を描くね！」
「じゃあ僕はユイちゃんが国語を書いてるところを描くよ！」
2人は小さな手で大きな紙に向かい合い、それぞれの得意な場面を描いた。絵が完成すると、2人の笑顔がそこにあった。
テストの後
先生がテストを回収しに来ると、2人は少し緊張しながらも満足そうだった。「ユイちゃん、今日はありがとう！」
「こちらこそ、ダイスケくんがいて助かったよ！」
その日、2人はテストの結果以上に、大切なことを学んだ。それは、「一緒に考えることの楽しさ」と「お互いを信じる力」だった。
教室の外に広がる春の風景と同じくらい、2人の笑顔は輝いていた。

2.小さな手と大きな鉛筆

新学期の朝、教師歴10年のナカムラ　ハルナは、緊張と期待を胸に、新しく赴任した「共育小学校」の校門をくぐった。この学校は、2人1組でテストを受けるというユニークな教育方針で注目を集めていた。ハルナはその理念に強く共感し、この学校で自分の新しい挑戦を始めることを決めたのだ。


教室に入ると、小さな机がペアごとに向かい合わせに並べられているのが目に入った。ハルナは、今日の授業で彼女の信念を試す機会だと感じた。
「おはようございます！みんな、今日は協力しながら問題を解く授業をします。」
子どもたちはキョロキョロと隣のペアを見つめながら、ワクワクと不安が入り混じった表情をしていた。ハルナは微笑みながら、黒板に今日の課題を書いた。
「森のどうぶつたちが食べ物を分けるお話を作ってみよう」


授業が始まってすぐ、ハルナは1つのペアが黙り込んでいるのに気づいた。ユイとダイスケだった。先日のテストでは見事な協力を見せた2人だが、今日は少し様子が違った。「どうしたの？」ハルナが尋ねると、ユイが困った顔で答えた。「私たち、どんな話を作ったらいいのか分からなくて…」
ダイスケも小さな声で言った。
「どっちが考えるかで迷ってたんだ。」
ハルナは少し考え、静かに言った。「どっちが考えるかじゃなくて、ふたりで1つの答えを作ればいいんだよ。例えば、どんな動物が森にいると思う？」「リス！」ユイが元気よく答えた。
「ウサギ！」ダイスケもすかさず続ける。
「じゃあ、そのリスとウサギが一緒に食べ物を分けるお話を考えてみるのはどう？」
ハルナの提案に、2人の顔がぱっと明るくなった。



授業後、職員室に戻ったハルナは、校長のヨシオカに今日の出来事を話した。「ユイとダイスケ、面白いペアですね。お互いを尊重してるけど、やっぱりまだぶつかることもある。」ヨシオカはうなずきながら言った。
「ペア学習では、子どもたちが自分の弱さや強さを理解するのも大事です。それを導くのが、私たちの役割ですよ。」
ハルナはその言葉に深くうなずいた。この学校では、子どもたちだけでなく、自分自身も成長できる気がした。


その日の夜、ハルナは家でノートに目標を書き込んだ。
「子どもたちに寄り添い、協力する楽しさを教える先生になる」
この学校では、教師もまた「ふたりの答え」を見つける挑戦をしているのだ。教師同士のコミュニケーションも大切にしながら、子どもたちと一緒に成長していく――ハルナはそう決意した。
教室の明かりが灯るたび、新しい物語が生まれる。その中心にいるのは、子どもたちだけでなく、教師たちの信念と情熱だった。

3.ふたりの答え

4月の風がやわらかく教室に吹き込む中、ユイとダイスケは2年生になり新しい教室で並んで座っていた。2人は去年、初めての「2人で受けるテスト」を経験し、お互いの得意なことを活かしながら学び合う楽しさを知った。そして今、彼らは2年生としての新しい課題に取り組もうとしていた。

黒板には先生の書いた課題が大きく掲げられていた。「みんなで森を作ろう」「森？」ユイが首をかしげる。
「そうだよ。」担任のハルナ先生がにっこり笑う。「2年生になったみんなには、新しいテーマでグループワークをしてもらいます。森にはどんな動物がいて、どんな植物が育つか。それを考えて、みんなで1つの森を完成させるの。」
クラスは4人ずつのグループに分けられた。ユイとダイスケのペアには、控えめな性格のさくらと元気いっぱいのタイチが加わった。

最初の話し合いで、さくらは何も言えずに俯き、タイチは自分のアイデアを一方的にまくしたてた。「森には絶対ライオンが必要だよ！それと池も！」
「でも、ライオンって森にいるっけ？」ダイスケが首をかしげると、タイチは「いるに決まってる！」と笑った。
ユイは困ったようにさくらの方を見た。「さくらちゃんはどう思う？」
「私は…森には鳥がいると思う。」さくらは小さな声で答えたが、その声はタイチには届かなかった。
「もう、これじゃまとまらないよ！」ユイが声を上げると、みんなが黙り込んだ。


ハルナ先生がグループを回ってきたとき、4人のテーブルは静まり返っていた。先生は優しく尋ねた。「何か困ってるのかな？」
ダイスケが正直に答えた。「みんなで意見を出してるけど、どうやって1つにまとめたらいいか分からなくて…」
ハルナ先生は微笑み、黒板に「共育」の文字を書いた。
「共育という言葉、覚えているかな？」
「覚えてる！」ユイが手を挙げた。「みんなで協力して学び合うこと！」「そう。だから意見が違うときこそ、お互いに耳を傾けてみるの。さくらさんのアイデア、みんな聞いてみた？」
ユイはさくらの方を見て言った。「さくらちゃんの意見、もっと聞きたいな。」
さくらは少し恥ずかしそうにしながらも話し始めた。
「私は、鳥が木の枝に巣を作る絵を描きたいなって思ってたの。」
「それいいね！」ダイスケが目を輝かせた。「木に鳥がいたら、ライオンもその下で休めるんじゃない？」
「おお、それなら池も近くに置けるぞ！」タイチが頷く。
少しずつ、4人の意見が1つにまとまっていった。


授業の最後、グループごとに描いた「森」の絵が発表された。ユイたちのグループが描いたのは、大きな木の枝に鳥の巣があり、その下にライオンが横たわり、さらに近くの池でカエルが飛び跳ねる活気ある森だった。
「すごく素敵な森だね！」ハルナ先生が感心して言った。「4人の意見がちゃんと反映されてるのが伝わるよ。」

帰り道、ユイとダイスケは笑いながら歩いていた。「グループワーク、楽しかったね！」
「うん。でも、最初はちょっと大変だったな。」
ユイは空を見上げながら言った。「でもさ、さくらちゃんの鳥の巣の話、聞いてよかったね。最初に気づけなかったのがちょっと悔しいけど。」
「それが『共育』なんだよ。」ダイスケが笑った。「まだ2年生だけど、これからもっと上手にできるようになるさ！」
夕陽が2人の影を長く伸ばしていく。彼らの学びは、森の木々のように少しずつ成長を続けていた。

4.共育の森

2年生の教室では、朝の柔らかな光が机の上に降り注いでいた。今日は特別な日だ。子どもたちは次のペアを決めるために、「フォーカシング」の時間を取ることになっていた。
担任のハルナ先生が、教室の真ん中で優しく声をかける。
「みんな、今日は心の声を聞く練習をします。目を閉じて、自分の気持ちに少しだけ耳を傾けてみてね。」
子どもたちは机に顔を伏せたり、そっと目を閉じたりして、それぞれのやり方で心の準備を始めた。
「次のペアを考えるとき、自分が『この人となら安心できそう』とか、『この人と一緒にいると面白そう』と思う人を思い浮かべてみて。」
ユイは目を閉じて深呼吸をした。頭の中にこれまで一緒に学んだ友だちの顔が次々と浮かぶ。楽しかった瞬間や、困ったときに助け合った記憶が巡る中、ふと心の奥に温かい感覚が広がった。
「…さくらちゃんかも。」
一方、ダイスケは、隣でいつも賑やかなタイチの顔が浮かび、自然と笑顔になった。
「次も一緒に楽しいことができそうだな。」
10分ほど経った後、ハルナ先生が声をかける。
「じゃあ、みんなで輪になって、自分が思い浮かべた人について少し話してみようか。」
ユイは少し緊張しながらも、さくらの名前を挙げた。
「さくらちゃんといると、静かだけど優しい気持ちになれるんだ。」
その一言で、さくらの顔に少し赤みが差した。
「ユイちゃんとなら…安心していろんなことを話せそう。」
こうして、新しいペアが自然に決まっていった。


同じ日、放課後の職員室では、教師たちが丸く机を囲んで座っていた。校長のヨシオカが、未来語りダイアローグを提案した。
「今日は、1年後のこの学校を想像して語り合ってみましょう。私たちが作りたい未来の姿を共有するために。」
担任のハルナ先生が真っ先に口を開いた。
「1年後、子どもたちが自分の気持ちを言葉にするのが、もっと自然になっていると思います。そして、誰とペアになっても、お互いを大切にする環境が広がっているはずです。」
体育教師のタムラ先生が頷きながら言う。
「授業の中でも、もっと子どもたちが主体的に動いている光景が見える気がします。フォーカシングやグループ活動が日常的だから、全員が自信を持って発言できる。」
美術のタカハシ先生は、夢見るような声で続けた。
「その結果、作品にも協力の跡が見えると思います。1人では描けないような、大きな絵が教室いっぱいに飾られるとか。」
ヨシオカ校長は、全員の言葉を書き留めながら頷いていた。
「教師も生徒も一緒に未来を育てる『共育』の形がもっと明確になってきますね。」
最後にハルナ先生が手を挙げて言った。
「未来を語る時間があると、私たち自身も心が軽くなりますね。これからも定期的にこの時間を取りたいです。」


その夜、ユイは布団に入ってさくらとペアになったことを思い出していた。
「さくらちゃんとどんなテストを作り上げられるかな。」
同じころ、職員室では、ハルナ先生が未来語りダイアローグで得たアイデアをノートに書き込んでいた。
「教師としても、もっと子どもたちに寄り添えるようになりたい。」
教室でも職員室でも、それぞれが自分の心と向き合いながら、新しい未来への一歩を踏み出していた。その一歩は、小さくても確実なものだった。

5.心の声を聴く時間

春のやわらかな日差しが差し込む教室。ユイとさくらは机を並べて座りながら、今日のテストの準備に取り組んでいた。去年から続く「ペアテスト」にもすっかり慣れた2人だが、今日は新しい形式のテストが導入されると聞いて、少し緊張していた。
担任のハルナ先生が前に立ち、にっこりと微笑む。
「今日は特別な『記憶の地図』テストを行います。ペアで協力しながら、記憶力と考える力を両方使って問題を解いてください。」
教室にざわざわとした興奮が広がった。

ハルナ先生が説明を始めた。
「このテストでは、まず2人で大きな紙に『記憶の地図』を描いてもらいます。この地図には、今まで習った内容を思い出して書き込むことができます。例えば、算数の公式や国語で覚えた言葉、理科の実験で使った道具など、何でもOKです。」
「でも、ただ書くだけじゃないんですよね？」とダイスケが手を挙げて聞いた。
「そう！次のステップで、この地図を使って問題を解く時間が来ます。だから、思い出せることをたくさん書いておくのがポイントです。」

「じゃあ、始めましょう！」先生の合図で、2人1組のペアたちが一斉に紙に向かった。
ユイとさくらは相談しながら、地図に色々な記憶を書き込んでいった。「算数の九九をここに書こう！」
「いいね、国語の漢字もここにまとめておく？」
2人で工夫を凝らしながら、紙の上には色とりどりの線や言葉が広がっていった。
一方、ダイスケとタイチは、大きな丸の中に「理科の実験道具リスト」を書いていた。
「これがあれば理科の問題は完璧だ！」とタイチが胸を張る。

地図作りが終わると、先生がテスト問題を配り始めた。
「問題の答えを探すときは、自分たちの地図を参考にしてもいいですよ。ただし、地図に書いていない内容が出てきたら、自分たちの記憶と考える力を使って答えを出してくださいね。」
ユイとさくらは、早速最初の問題に取り組んだ。「35×2はいくつ？」「九九の場所、ここだよ！」ユイが地図を指さす。
「…70だ！」とさくらが自信を持って答えを書き込む。
次の問題は国語の漢字の読みだった。「これは地図に書いてない！」さくらが困ったように言う。
「でも、確か教科書でこの漢字を見たよ。『空気』って読むんじゃない？」ユイが思い出しながら答えると、さくらも納得して頷いた。

ダイスケとタイチのペアは理科の問題に挑んでいた。「光合成に必要なものを3つ挙げなさい。」「地図には水と二酸化炭素しか書いてないけど…」ダイスケが言う。
「あと1つ、なんだっけ？」タイチが考え込む。
「光だよ！」とダイスケが思い出し、2人は声を揃えて答えを書いた。

テスト終了後、子どもたちは地図と回答用紙を持って集まり、感想を話し合った。「地図を作るのが楽しかった！」
「書いてないことを思い出すのが難しかったけど、2人で考えたらできたね。」
ハルナ先生は微笑みながら言った。
「今日のテストは、みんなが暗記したことを確認するだけでなく、自分たちの記憶を整理し、必要なときに引き出す力を育てるためのものです。そして、2人で協力することで、1人では思い出せなかったことも見つけられたでしょ？」
子どもたちは頷き、次のペアテストが楽しみだと笑顔を見せた。

ユイとさくらは帰り道で話していた。「テストって、覚えるだけじゃなくて、考えるのも大事なんだね。」
「そうだね。しかも、2人だともっといろんなことができる気がする。」
夕陽に照らされた2人の背中は、これからも協力しながら成長していく未来を示しているようだった。

6.記憶の地図

ユイとさくら、そして他のクラスメートたちは、次のペアテストを控えていた。けれども、今回はただのテストではなかった。ハルナ先生が「記憶を紡ぐテスト」と名付けた、新しい試みだった。
教室の前に立つハルナ先生は、目を輝かせながら説明を始めた。
「みんな、今回は記憶をテストするだけじゃなく、その記憶を使って物語を作る課題に挑戦してもらいます。自分の知識や経験を、どうやって人に伝えるかも大切な学びです。今日はその練習をしましょう！」
「記憶の糸」を手繰る準備
机には、新しい課題用の大きな紙とカラフルなペンが配られた。
「まず、これまで覚えたことや、心に残った経験を書き出してみましょう。それを『記憶の糸』と呼びます。例えば、算数の公式や国語の漢字でもいいし、友だちと遊んだ思い出でも構いません。どんな小さなことでも、心に残っているなら書いてみてね。」
ユイとさくらは顔を見合わせて、さっそく書き始めた。「九九の7の段、頑張って覚えたよね。」
「そうだね。あと、去年の遠足で見た山の名前も覚えてる！」
紙の上には、鮮やかな記憶の糸がいくつも描かれていった。他のペアも同じように、自分たちの記憶を思い出しながら書き込んでいる。

次のステップは、それぞれの記憶を組み合わせて物語を作ることだった。
「物語の主人公を決めて、その主人公が困難を乗り越えるために、みんなの記憶を使うストーリーを作ってみましょう。」
ユイとさくらは話し合った結果、主人公を「未来の発明家」にすることに決めた。「この発明家が、九九を使ってエネルギーを作り出す仕掛けを考えるのはどう？」
「いいね！でも、それには山の名前が必要なんだよ。その山に特別な鉱石があるから。」
こうして2人は、記憶をつなぎ合わせながら物語を作っていった。他のペアも、自分たちの「記憶の糸」を紡ぎながら、個性あふれる物語を形にしていた。

テストの最後には、ペアごとに物語を発表する時間が設けられた。ユイとさくらは少し緊張しながらも、自分たちの物語を披露した。
「未来の発明家は、九九を使った計算でエネルギーを作り、特別な鉱石を見つけることで、村を救いました！」
発表が終わると、ハルナ先生が拍手をしながら言った。
「とても素敵な物語でした！九九や山の名前といった、ただの知識が物語の中で生き生きと動いていましたね。」
他のペアの物語も、それぞれの記憶を活かしたユニークな内容だった。

帰り道、ユイはさくらと歩きながらつぶやいた。「記憶って、ただ覚えるだけじゃなくて、こうやって使うことで意味があるんだね。」
「うん。物語を作るのって楽しかったし、自分たちの覚えたことが役に立つって分かったのがうれしかった。」
一方、職員室では、ハルナ先生が他の教師たちに語っていた。
「子どもたちが記憶を使って物語を作る過程で、協力する力や創造力も育まれると思います。そして、何よりも、記憶に感情が結びつくことで、知識がもっと深く定着するんです。」

物語を紡ぐテストは、生徒たちにとって知識の定着以上のものをもたらした。それは、自分たちの記憶や経験が他者と共有できる価値あるものだと気づく瞬間でもあった。そして、ペアでの学びはさらに深まり、新たな挑戦への意欲を引き出していった。
ユイとさくらの記憶の糸は、未来へと続く長い物語を編む準備を整え始めていた。

7.学びの紡ぎ手

夕暮れの職員室。校長のヨシオカは、教師たちと丸く机を囲み、「未来語りダイアローグ」を始めようとしていた。外の空が茜色に染まる中、教師たちの顔にはそれぞれの思いが浮かんでいる。
「今日は、私たちの学校で進めているペアテストや協力学習について、皆さんが感じている課題や不安を出し合いながら、未来の可能性を話していきましょう。」ヨシオカは穏やかに語りかけた。
現場からの声
まず、担任のハルナ先生が手を挙げた。
「協力や対話を重視した学びは、生徒たちの成長に素晴らしい影響を与えています。でも、最近、暗記が苦手な子どもたちが『どうせ誰かが教えてくれるから』と、自分で覚えようとしなくなっているのが気になります。」
体育のタムラ先生も続けた。
「協力が強調されすぎて、自分一人で物事に向き合う力が弱まるんじゃないかと心配です。特に、運動会の個人種目なんかで、自信がない子が増えているように感じます。」
さらに、新任のタカハシ先生が勇気を出して言った。
「私もこの学校の理念には共感していますが、社会に出たとき、個人の責任を求められる場面で戸惑うことがあるんじゃないかと考えてしまいます。」
教師たちの声に耳を傾けながら、ヨシオカは深く頷いた。

全員が話し終わると、ヨシオカはゆっくりと口を開いた。
「みなさんの懸念はとても重要ですね。協力を重視する中で、子どもたちの個人の力が損なわれるのではないかという不安。私たちが目指しているのは、協力と個人の力を両立させることです。そのための未来を、皆さんと一緒に考えたいと思います。」
少し考えた後、ヨシオカは提案を始めた。
「例えば、ペアテストの中に『自分一人で答える時間』を組み込むのはどうでしょう。その答えをもとに、ペアで話し合い、最終的な答えを出す形式です。そうすれば、まずは自分の考えをしっかり持つことが求められます。」
ナカムラ先生がすぐに頷いた。
「それは良いですね。子どもたちに、まず自分で考える癖をつけさせられます。」
タムラ先生も口を開いた。
「体育でも、個人の成長を強調する時間を増やしてみます。一人で目標を設定して、それを達成するプロセスをペアと共有する仕組みにすれば、協力と個人の両方を育てられると思います。」
新任のタカハシ先生は少し安心したように言った。
「社会で必要な個人の力も鍛えながら、この学校らしい協力の形を守れるのですね。未来が見えてきた気がします。」

ヨシオカは教師たちの目を見ながら、最後にこう語った。
「私たちの学校の理念は、『共育』です。それは、誰か一人の力で作られるものではありません。皆さんと一緒に、未来を編むようにこの学校を育てていきたい。子どもたちが社会に出たとき、個人としても、協力者としても輝ける大人になるために。」
その場にいた全員が、未来に向けて新たな希望を感じていた。夕陽は職員室の窓から差し込み、机の上を暖かく照らしていた。教師たちの中に芽生えた新しいアイデアは、この学校にまた一つの輝きをもたらすだろう。
「協力と個の成長を紡ぐ」。それが、この学校の次の一歩だった。

8.未来に向かうペアテスト

The Vocals/Poetry, Music & Sampling: C. Double34 Music
The Sampled Vocals: George Clinton, Jean Grae, Jennifer Hudson, & Strafe
The Cypher Vocals/Poetry:
La Perla Negra, Gena Storm, Poetic Prettywings, Queensmind Dvn Sol, LA Rabsatt, KlassyPoet, Lady Crucible Mystress Of Mayhem, & Lisa Lipps
The Additional Music & DJ Scratch: Pete Rock
The Artwork: The Infamous Strategy

* FAIR USE DISCLAIMER: I do not own copyright for this copyrighted material, but under Section 107 United States Copyright Law as noted by the United States Copyright Office (Copyright Act 1976), allowance is made for fair use for purposes such as criticism, comment, news reporting, teaching, scholarship, and research

Let Her Have The Spotlight (C. Double34 Music, vocals)

ASASOBI is the world’s only artist singing of the School of Pair Test.  
These songs are ritual gifts—created with SUNO v5, rooted in SCPRT, and written by the School of Fingertips.  
Each track carries a question. Each question invites you to share a fate.  
If you’ve ever wondered what it means to learn together, this music is for you.

#ASASOBI #SCPRT #GiftOfQuestion #AImusic #SharedFate #SchoolOfFingertips

Make beats with a message and sample using the fair use act of 1976. Boom Bap Hip Hop is what I vibe to...but I bring all elements of music to the mix. A man of YHWH, God the Father and I give Him the praise and credit for these ideas. Thanks for listening. Peace be with and unto you. Luke 17:21.

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