幽泳する

幽泳する

takasago@JP

こないだまで咲いてた桜は散り
五月病という間に六月になる
降る日差しはいつしか枯葉になり
雪は積もらぬ間にひとりでに溶ける

溜息の数だけ空缶は増えて
溜息の数だけ吸殻は増える
後悔の数だけ溜息が増えて
溜息の数だけ空缶が増える

手を掛ける場所もなく日々に流され
手付かずのカレンダーをまとめて破る
声にする歌もなく日々に流され
文字のないメロディを忘れていく

濁る水槽の中を惰性で今日も幽泳している
誰かの生きたかった明日を俺は背負い…

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