ねぇ、明けない夜はないなんて
見下すように言わないでよ
違うよ、今の話をしてるの
ただ声も出せず泣いてるだけ

ねぇ、私に価値があるなんて
分かったように言わないでよ
違うよ、全部、愛は返すね
他に相応しい人がいるから

目隠しをされたまま
迷路にいるみたい
竦む足震える手
救いは音の中

夜に覚えた数え歌
私の味方になった
強がり数え終わる頃
心が嘘に気付いた

ねぇ、誰も近付かないでなんて
言葉を鵜呑みにしないでよ
違うよ、ひとつ、小さくていい
ここに居て良い理由が欲しいだけ

夜に覚えた数え歌
私の味方になった
寂しさ数え終わる頃
心が凍りついた
溶かす言葉探した

あなたに夜歌、届きますように

Yaka

想像できないような未来が来ること
それだけは私にも想像できるから
あれもこれも変わっていくのね
いつか全ては機械に
心だけおいてけぼり
まだ弱いまま

今日は気が乗らないから
今日は立ち入り禁止だから
今日は道具がないから
誰かが見てるから、延命、懸命
そうやっていつも
暗闇を生きてきただけよ

擬態したカメレオン
裏切ったわけじゃない
勝手に期待したのはそっちでしょ、なのに
くだらない、反吐が出る
謝れば気が済むの？
大人になってあげるわ

今日は嫌われないように
今日は失わないように
今日は深入りしないように
気付かれぬように、匿名、透明
そうやっていつも
自分を殺してきただけよ

擬態するカメレオン
優しくしないで欲しい
私の色じゃ馴染めなかった、だけど

それなのに暗闇で
あなたがくれた歌が
居場所と未練をくれたから

本当ははじめから
認めて欲しかったの
私のままでいる事
染まってたまるもんか

私色、カメレオン

Chameleon

「他にいい人ができたなら、ちゃんと教えてね。」
守れやしないと知りながら君に約束をさせた
この先罪悪感として君に残るように
ほら、破りなよ
その度に私を思い出しなよ

君のためだと言った全て
私のためだったね
矛盾を孕んだ優しさは
お見通しだったね

君の居場所になりたくて
死にたい夜を支えたくて
自分が嫌なの、消えたい
連れ出して、全部聞かせて欲しかった

歩み寄りという建前と
無自覚な押し付けと
妥協と譲歩を繰り返し
壊れてしまったね

ねぇお互いの幸せのため？
違うよ、薄っぺらいよ
そんなやつにはならないで
ごめんね、私がそうだね

いつか時間が少しずつ
薄れさせてくれるのでしょう
それでいい、それがいい
だけど今は、それがたまらなく嫌なんだ

無意識に君の好物買って帰ってさ
別に食べたくもないや
ジャスミンの香りもホラー映画も
日常そのものが君だったから

君はひとりでも大丈夫。
私ひとりでも大丈夫？
嫌だよ、ひとりは暗いよ
言葉を殺して、ただ指輪を外した

いっそ出会わなきゃ良かったと
心の底から思うよ
それ程苦しいよ、本当は君しか
愛したくなんてなかった

ただ私が死ぬ時、手を握ってくれる人は
どうしても君が良かった
愛してくれてありがとう、バイバイ

Jasmine

ふとTVを見ると占いの時間
小慣れたニュースキャスターが
未来を決めつける
別に興味ないけど覗いた画面

ラッキーカラーはオレンジで
運命の出会いの予感

鏡を見れば不在のオレンジ
気にしてる訳じゃない
信じてないし変わるはずもない
今日も頑張ろう

ラッキーカラーの夕暮れが
今日を終わらせる
拝啓あの頃の私
それなりに笑えてるよ

降り出した雨に
駆け込む屋根
傘はないし家で待つのは
濡れた洗濯物
もうツイてないなぁ
どうやって帰ろう

綺麗だった月はかくれんぼ
しばらく止みそうもない

ふと目の前に差し出された傘
交わす出会いの視線
あのキャスターに少しだけ感謝
偶然だけど

ラッキーカラーの夕暮れが
ふたりの出会い
きっと偶然も運命も
私次第なんでしょう

さっきからあの夕暮れが
今日を終わらせる
背景オレンジの道を
手を取って歩くふたり

Orange

「今年の冬は一段と寒いね」
指先まで凍てつく僕の
あなたが握ってくれた掌の
温もりも冷めた帰り道
刃物を握った少年がひとり
世界を切り離そうとして
夜空に翳した刃先に一粒の
雪が舞い降りて尋ねる

「たとえばこの雪が真っ黒でも世界から愛されてたのかな」
「きっと変わらず愛されていたよ」
とつぶやくあなたに無垢に問う
「それなら目の色も肌も姿も気にせず人は愛せるよね」
微笑むあなたは何も言わずに
不条理を悟ったふりをした

愛が故に誰もがこの世界に
生まれ落ちてきたはずなのに
誰にも愛されないままの僕は
いち早く世界を諦めた
たとえば君がこの世界を照らし
輝く太陽だとしたら
その正反対の僕は皆が寝静まった
夜に咲く月だろう

それでも月を待つ人がいると
それでもいつかは輝けると
それでも夜更かしの君を照らせると
それでも誰かの救いになれる
囚われた檻で生きる僕らは
愛がなきゃ生きられないや

大丈夫だよ
君は悪くない
明日がある
生きてていいよ

聞き飽きた俗なセリフが
脳内でリフレインして呪文のよう
君だってもう分かっているでしょう
世界はどこまでも不条理だ
慰めも気休めも無意味で
誰の言葉も聞きたくないんでしょう

それでも君を待つ人がいると
それでもいつかは笑えると
それでも夜更かしの君が笑って
それでも誰かの救いになれる
心から君が笑える世界
それなら僕も愛せそうだ

それでも僕は歌い続けるよ
たとえ君に届かないとしても

大丈夫だよ
君は悪くない
明日がある
生きてていいよ

Moon

明かりを消してほんの数秒
目を閉じれば世界から消えれる
夢の中では嫌いなアイツも
居なくなるの

「誰かを愛して然るべきだ」
誰が決めたかも知らないルール
「誰かに愛されて然るべき」と
言われたようで

きっと誰からも心の底から
愛されないままの僕は
この世界の不適合者なんだろう
それは分かったけど、じゃあどうすれば？

Good Night 消えたい夜は
僕だけの物語を描いてみるの

Good Night 夢の世界は
泡のように消えてしまう
それくらいがちょうどいい

自分自身だけを優先するの
過去も血も運命も無関係
あの手この手で生きたいと思える
場所を探すの

「あなたを信じています」なんて
自分勝手に期待されるの
どうせ僕が理想じゃなければ
「裏切り」なんでしょう

僕が辛い時に泣けない奴に
僕が涙を流す必要はない
だから離れればいい
居場所をなくすのはあいつらの方だ
逃げなんかじゃない

Good Night 消えたい夜は
笑えていた日を思い出して

Good Night 手を伸ばせば
泡のように消えてしまう
それくらいがちょうどいい

せめて目が覚めるまでは
もう少し、あと少し

血の赤でも空の青でもいい
綺麗と思えるものを抱きしめて
誰も褒めてはくれない日々を
彩る色を

もう少しだけ生きることにしよう
僕の命に説明がつくまで
それからでも遅くはないでしょう
遠回りも、いいよね

Bubble

夏空に花火、思い出す人がいます
人に夢を与えて儚く散ります
それは異国の戦火が夜空に映し出されたようで
「綺麗だね」と君と笑い合いました

朧げな校舎　グランドに響くメロディ
“スタート”　始まりの合図
それは異国の銃声とよく似ていました
喧騒にも悲鳴が混じってるそうです

「十代の恋の淡さは引き摺る勿れ」
誰かに言われて善処しています
例えば人身事故で亡くなった少女が
“君じゃなくて良かった”
それも偽善でしょうか

幸せになんてなろうとするな
近づくほど離れていくものだから
死ぬもんかと生き抜いたその先に
いつの間にか傍にあるものだから

あなたに死んで欲しくないな
片手に収まる程の愛ですが
大切ばかり失くしてしまったのは
僕が弱いからでしょうか

着飾ったリングも髪留めも
君じゃない　紛い物だから
身に纏う程自分が薄れてく
いつかは消えてしまう

あの頃はよかったね、強烈な郷愁と
生きる理由が見つからず何もない今
まだ遠いからきっと分からないだけ
慢性的な微熱のような温度

まだ道の途中
思い出までは少し遠回り

Nostalgia

じゃあまた明日、忘れないからね 
言葉を置いていくよ 
独りで良いと強がる君が 
独りにならないように  

君は誤解されやすいから 
また嫌われるような言い方で  
あの日も誰かを思いながら  
この世界を敵に回した    

きっと理解されないだろう  
心が遠ざかる音がした  
今は誰がそばにいますか  
居場所を愛せますか   

ほら生きてく理由を探そう
死にたい思いより残った幸せを
天秤にかけて傾けたいから
僕が錘になろう

じゃあまた明日、忘れないからね 
言葉を置いていくよ 
独りが良いと強がる君が  
独りにならないように  

死にたい人に書いた歌は  
誰にも届かない方がいい 
もしも誰かひとりに響けば  
その時僕がヒーローになろう  

さぁ誰かを悪者にしよう  
それで世界は平和になるよ 
さぁ嫌いなあの子にしよう  
君は悪くないよ 

大切だけを残しておこう  
あとは捨てていこう  
無理に保存して容量超えて  
君が壊れないように    

じゃあまた明日、忘れないからね  
言葉を置いていくよ  
大丈夫だから、それでいいから  
君は君のままでいい    

ほら生きてく理由を探そう
さぁ嫌いなあの子にしよう

Hero

この世界は嫌いだ
不平等で理不尽で

命を粗末にしてはいけないとか
誰かが生きれなかった今日とか
使い古し、関係のない話ばかり

綺麗事を語るのはいつだって見下ろす人たち
そんな奴らのセリフを信じて疑わない世界に吐き気がする

忘れてゆくことは防衛術なんだろう
後悔を全て持って生きるのは辛すぎるから

それなのに消したいあの過去は
消せない不良品のような僕だけど
人も芸術も無駄なものはひとつもない
本当だろうか

本当のことを話せば
一生消えないデジタルタトゥーになる気がして
この名前で生きるのが嫌になった

自称哲学者(匿名) VS 僕ら自傷主義者
僕が消えることを願う人はどれだけいるだろう

誰もお前のこと気にしてない
強い人はきっとそう思えるんだろう
この汚れた名前を背負って、何年生きれば？

もういっそこのまま消えてしまいたいな
みんなみたいに綺麗に生きれないから

受け取った愛情全部返せたらな
こんな僕にあげたつもりじゃないよね

名前が重たいな
名前が重たいな
もう誰ひとりとも関わりたくないな

名前が重たいな
名前が重たいな
出会いの数だけ傷が増えるだけ

会いたい数人と相対する僕で
「命の重さは平等だ」と
重い命の人が言う

悪意に殺されて死んだ人
生きたくても死を選んだ人
死にたくても生き永らえる人
証明済みでしょう？

ひとつ、またひとつと
身体に刻んだ傷が増えるたび
何故かとても安心できる
正しさとか、そういう次元の話じゃない

あなたが今辛いのは心のシグナル
君の感情は誰も咎められない

例えば赤の他人が君を愛する歌
その程度の理由で生きてていいよ

名前が重たいな
名前が重たいな
匿名の世界にも居場所はなかった

名前が重たいな
名前が重たいな
こんな歌に縋る日もあっていいよ

名前が重たいな
名前が重たいな
勇気の傷痕(アカシ)は消えなくても

名前が重たいな
名前が重たいな
君を含め誰も否定できないから

それでもあなたに生きて欲しいと思った
それでもあなたを愛そうと思った

例えばこんな歌で、少しだけ涙が流れたとか
例えば朝起きて、少しだけ空が綺麗だったとか
その程度の理由で、あなたは生きて良い

無責任に僕が、君を愛そう

Name?

あっという間に僕ら大人になってさ
感情の制御も覚えてさ
別れの涙も流せなくなってさ
そんな自分のこと嫌になるね

まだ言えないかな
隠してた本当のこと
無理に自分を認めなくていいんだよ
大事にしたいのに離れてしまう
いつかひとりになりそうで

苦しいのは今だけだよ
分かっているけど、今が辛いよね
君にしか笑顔にできない
人がいる事、忘れないでいて
誰かじゃない、君の話だよ

まだ癒えないかな
隠してた傷のこと
無理に過去を愛さなくてもいいんだよ
大事にされなくていい人なんて
誰ひとりいないんだから

君のこと笑顔にしたいけど
花はいつか枯れてしまうから
僕にしか笑顔にできない
君のために、約束をしよう

ほんの少し、小さくていいから
明日を生きる理由になるように
また会う日の話をしようか
僕の生きる意味と引き換えに
花のかわりに約束、贈ろう

Instead of a Bouquet

Sunday 泣きながら目を覚まして
Monday 無垢なまま大きくなり
Tuesday 恋をして心育て
Wednesday 悪人もいると知った
Thursday 時に裏切られて
自分の生きる道に迷った
Friday 夢は捨てた生き方
「自分らしさ」と名前をつけた

土曜日の夜くらいは　全てを許したい
土曜日の夜くらいは　笑って過ごしたい
土曜日の夜くらいは　愛に触れていたい
土曜日の夜くらいは　土曜日の夜くらいは

ストップ　目を閉じて旅に出よう
記憶の中であの頃まで

いつか全て終わってしまう
その刹那さを精一杯に
愛せるように誇れるように
悲しい歌に想いを乗せて

最期の夜くらいは　汚れた私でも
最期の夜くらいは　笑って過ごしたい
最期の夜くらいは　愛に触れていたい
最後の夜くらいは　土曜日の夜くらいは

Saturday Knight

Yadori from Kobe,Japan
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taku.nk

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