私の好きな作曲家の１人にイタリアの作曲家、ニーノ・ロータがいます。
また、ニーノ・ロータが殆どの音楽を担当したフェデリコ・フェリーニが作る映画も好きです。

この曲は、ロータとフェリニーニが作るシュールな世界観や作品の雰囲気を意識して作曲した架空のショートムービーのための音楽です。

仕事をしている１人の営業担当のサラリーマンが昼ご飯を食べた後、少しけだるい気持ちの中、営業をしながら街中を歩きます。しかし、頭の中は仕事終わりの楽しみばかりで夢見心地です。そして仕事を終えたあと、解放的な気分で電車に乗り込む・・・といったストーリーの流れです。

主人公のサラリーマンの気持ちを表現しようと思い、旋律は１種類だけにし、その旋律を変化させていくというワン・モチーフの手法を使いました。
そこに主人公を取り巻く環境を表現するため、街中の雑踏、カフェ店内の音、電車の音などの環境音をつけました。

管楽器をメインとした楽器編成もシンプルながらも、夢見心地な主人公の世界観を表現できているかなと思っております。

Music for The city from 1pm to 5pm

日本的な雰囲気を持った曲です。
しかしながら、日本の具体的な「何か」を表現しているわけではありません。日本人であれば持っているであろう「感覚」や「雰囲気」に訴えた曲です。そのため、聴く人によって想像する情景やストーリー的なものはそれぞれ違うかと思います。
また解釈や想像が幅広いと思うので、聴く方の対象も幅広くなるでしょう。

私は日本的、民族的な雰囲気をもった作風を私は得意としており、クラシックの現場でもそういった作品を多く作曲してきました。今回の作曲にあたっては、クラシカルな雰囲気がありながらも、できるだけキャッチーな旋律や構造にしました。

Japanese Scape

毎年、青森県十和田市では観光名所「十和田湖」にて『十和田湖マラソン』が行われており、その十和田湖マラソンを主催・運営しているのが青森県十和田市商工会議所青年部です。
この曲は、その十和田湖マラソンのために青森県十和田市商工会議所青年部から十和田市商工会議所青年部30周年記念事業の一環として、委嘱を受けて作曲した曲です。

依頼内容としては「これから走るランナーの気持ちと十和田湖の風景を描写したオープニングテーマ」、「走り終えたランナーの気持ちと次の大会へ向けて更なるチャレンジ精神を表現したエンディングテーマ」の２曲を作曲するというものでした。

この曲は、その２曲中のエンディングテーマです。
オープニングテーマは華々しく、勢いのある曲想だったのに対し、このエンディングテーマは「ゴールした安堵感」、「回想」、「勇壮感」、そして「次の大会に向けての気持ちの高まり」を表現しました。
オープニングテーマとまったく違う曲だと、スタート～ゴールという関連性が無くなってしまうので共通性・関連性を持たせるためにオープニングテーマと同じ、旋律とリズムを用いて、変容させながら作曲しました。
曲の終盤は「次の大会に向けての気持ちの高まり」を上手く表現できているかなと、思っております。

第４回十和田湖マラソン（2019年7月7日開催）から、この曲を使って頂いており、参加されたランナーの皆様からは「この曲を聴きながら、また走りたいので来年も参加します！」と言って頂いたり、主催・運営された十和田市商工会議所青年部の皆様からも「末永くこの曲を使い続けましょう！」と言って頂いたりと、作曲家としてこの上ない喜びであり、私自身といたしましても思い出深い１曲となりました。

Never Ending Challenge～果てしなき挑戦～

この曲は中華調味料のCMをイメージして作曲しました。
中国風の旋律を使いながら、弦楽器と打楽器、アジア楽器という編成です。
わかりやすく、キャッチ―な曲にするということを心がけ、それを強調するために旋律はワンフレーズだけとしました。

Chinese Sauce

曲名の意味は「勇気」という意味です。
新しい曲を書こうと考えているときに友人から「ＲＰＧ系のゲーム音楽とか作曲してみたら？」という一言を受けて作曲しました。
しかし、私はゲームがある環境で育ってきたわけではなく、ＲＰＧも友人の家に通いつめてクリアしたドラゴン・クエストⅤしかやったことが無いので、まずは有名なＲＰＧのサウンド・トラックを一通り聴くことや、ストーリーを勉強することから始めました。
そこから、特徴を捉えて私なりにイメージする音楽を数曲ほど作曲しました。これはその内の１曲です。

イメージする場面は「戦闘シーン」。

曲の構造としては、３部構成。駆け上がる音から始まる旋律が特徴的な前半部、金管楽器の三連符が特徴な中間部、リズミカルな旋律が特徴な後半部となっています。
前半と中間部は緊迫が強い音楽ですが、後半は緊迫感に加えて、合唱や打楽器で躍動感や勇壮的な雰囲気を出してみました。

また、統一性を持たせるため、最後は前半部の核となる旋律で曲を締めました。

courage

この曲は私が日本テレビ「ニノさん」に出演した際に依頼を頂き、作曲した曲です。
依頼内容は「野坂さんが過去に嵐・二宮和也さんのファンだったバイト先の先輩に告白したがフラれてしまったときの感情や思い出を30秒ほどの曲にしてください」といったものでした。
この内容に関して私は２曲、作曲しました。
１曲は「勇気を出して告白する感動的な場面から、フラれてしまい二宮さんい対する恨み・つらみ・妬みで終わる」という内容のもの。
もう１曲は「告白した時期がクリスマスが近い日であり、告白してフラれてしまいクリスマスで華やいでいる街の中で自分だけが悲しく見えてしまう」という内容のもの。

全て自分の実体験であり、その時の感情を思い出しながら作曲しました。
この曲は後者の「告白してフラれてしまいクリスマスで華やいでいる街の中で自分だけが悲しく見えてしまう」というストーリーや心情を表現した曲です。

明るく温かいハーモニーで始まり、徐々に悲しく暗い雰囲気になるという緩やかなテンポを持ったシンプルな内容です。
短い曲ではありますが、温かくカラフルな映像が徐々に悲しいモノクロの映像に移り変わっていくという面白さを味わって頂けるかと思います。

演奏は、数多くのレコーディングで活躍されているヴァイオリニスト柳原有弥さん、ピアニスト中川幸恵さんにお願いしました。私の曲を多く演奏して頂いている演奏家の方に演奏して頂き、曲が伝えたいメッセージがより具体的に伝わっているかと思います。

Loneliness Night

初心者向けの作曲講座のために作曲した５小節ほどの短いメロディーです。

初めての作曲

野坂 公紀（のざか　きみのり） 1984年、青森県十和田市出身。

青森県立七戸高校卒業後、2006年にいわき明星大学人文学部現代社会学科を卒業。 

独学後、作曲を飯島俊成氏、後藤望友氏に師事。
故・伊福部昭氏に私淑する。

室内楽、管弦楽、吹奏楽の分野においてプロからアマチュアまで幅広く作曲の委嘱を受け、楽曲を提供している。

また、レコーディングのための楽譜製作、ＣＭや舞台、テレビ番組等への楽曲提供も行っており、作曲家としての活動の分野は幅広い。

現在、東京都在住。

野坂公紀

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