九月を澄ます

蝉がいた
いつのまにか
霧の中で捕まえた
落書きだらけのおもちゃ
歯の欠けた宣教師
ナイフはとがりにとがり
錆び付いた

見えていたラクダの背中から
はみ出した月明り
枯れた井戸の中踊っている
名も知らぬ老人
ナイフはとがりにとがり
錆び付いた

冷凍ケースに入りたい
そう、きっと拒めないから

見えていないのだろう
渦潮に身投げするテープエコー

冴え渡る

冷凍ケースに入りたい
そう、きっと拒めないから
冷凍ケースに入りたい
そう、…

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