ピッチが…

かなしみが色褪せたとき、うつくしいフィルターになることもある
それはさびしさのいちばん良い使い方じゃないか？という……




モーニン　モーニン　薄緑色の　窓を通る　光線に会った
モーニン　モーニン　長旅の中で　曲がりくねり　色も変わった
疲れたね　疲れたよ　帰ろうか　帰ろうよ　朝は誰の腕の中に？

何度　朝が来て　何度　眼を開けても
あなたのいない　世界　宇宙です
もういらない

モーニン　モーニン　透き通る青だ　朝はいつも　かなしい色だ
モーニン　モーニン　モーニン　モーニン　ほんのちょっとだけ忘れたよ

そっと　朝が来て　　そっと　眼を開けても
体は　重い　膜に　包まれて
もう　　　　立てない

モーニン

あなたが世界から消えた後　わたしの視界はいつも朝で
だれも目覚めない薄灯の青いフィルターがかかっていて

イエロー　シアン　マゼンタ　すべての色は
毎朝昨日よりちょこっと綺麗に映っている

向かいのゴールデンレトリバー　早起きの水で濡れたパンジー
挨拶交わして歩く道は　さびしさのいちばん良いかたち！

モーニン　モーニン　モーニン　good morning
もう二度とあなたのいる　朝は来ない　それでも

わた　しは　つぶ　やく　good morning

もう二度とあなたのいる　朝は来ない　だからね

わた　しは　つぶ　やく　good morning……

（「朝は祈り夜は彳む　
眠る間近と目が覚めるとき、ぼくはそこに！
一雫の溶け出した鏡の向こうの世界
きみがぼくを思わなくても、消えはしないよ
何かを愛すれば！
その手はその目はその心はその世界の愛だよ
その世界の……
花よ犬よ人よ風よ海よ山よ川よ太陽よ
どうか　どうか　どうか　その人を…」）

お早うっていって！

お早うといって

いー天気

博士

Dream,Dream is Back

マネーイズタイム

おれはドブできみはそこに棲む金魚
かつてはそういうパートナー　今は無関係な隣人
お互い誰かに捨てられてたし
流れ着くゴミで息もできなかったね

昨日貰った金は一昨日遣ったし
明日貰う金はもう借りてしまった
おれはこの百円の前の持ち主を知らないし
この先どうなってしまうのか、それを知る由もない

必死になんかなるなら死んだ方がマシだと
何故誰も言わない？どうしておれを見ない？
あんたがamazonでマットレスを選ぶ時
おれはハロワのトイレで眠った頃だった

おれはドブできみはそこに棲む金魚
冬になったら凍って死んでいた
墓標にしてやる石もなければ埋めてやる地面もない
海へ流れ出るにはここは都会過ぎる

窓辺でちいさな約束が乾いて砕けてる
今となっては全てがおままごと
ブルーシートの天井に雨が溜まって撓んでら
もはやパトカーのサイレンが待ち遠しい

おれはドブできみはそこに棲む金魚
そしてあんたは観察する子ども
先生に褒めてもらいたくて懸命にやさしいフリをしながら
おれたちでいろんな実験をしたね

おれはドブできみはそこに棲む金魚
おれはドブできみはそこに棲む金魚
おれはドブできみはそこに棲む金魚
おれはドブできみはそこに棲む金魚
おれはドブで……

おれはドブできみはそこに棲む金魚

現在進行形で持論展開中の彼は友達の友達で映画学校出のフリーター
When im sixty fourが有線から聴こえてきて僕は耳を取られて上の空に

息つく暇もなく語り尽くされた彼の

魂の如き渾身の自己紹介が
僕を透き通る　ああ
氷の割れる音
テーブルの上に広がる料理
薄いメロンソーダ
誰の話も聞こえないの　もうやだ

連敗続きの人間関係　だりらりら
まあ、そう…たぶん努力不足　自分のせいさ
根本的にはエゴイスティックに損得で
愛の対象を選ぶとこが悪いんだろう

息つく暇もなく語り尽くされた僕の

頭ん中だけで広がる論理　
まただ悪い癖
氷の割れる音
いつもそうだ僕はここにいないように
薄い幽霊になって
誰の心も通じないの　もうやだ

ファミレスにて(demo)

Midnight in Setagaya 
豪徳寺から下北へ　小田急沿いをなぞる

こんな夜にひとり歩く
ぼくには友達がいないけど
そんなことはくだらないと
お月様が喋った

Midnight in Setagaya 
青く沈む住宅街　薄く間延びしたサイレン

流れ星が線を引いて
教えてくれたのは
理由のない憂鬱を
肌寒いくらいのさびしさに
変えてしまう魔法

Midnight in Setagaya
身を焦がす孤独で眠れず彷徨う人を冷ましてね

白む空が微笑みかける
いまはこの街をひとりのまま歩いて
うつくしい出会いの瞬間に
軽やかに期待すればいい

Midnight in Setagaya (demo)

君は帆をあげて泳ぎ出した
僕の方はまだ滞って

誰かが問うのさ「その青さじゃ不満なのか？」

君は帆をあげて泳ぎ出した
僕の方はまだ滞って

誰かが問うのさ「泳ぎ方にこだわるのか？」

平行線じゃない　少しずつ過去へ流れる 逆らっても漂っても
いつかはここにいられない

そしたらどうする？諦めて流される？ それもいいね　それもいいね
景色が（見えたら）見えたらまた会おう

そして安心は永遠
僕等は陸のいきもの

誰かが問うのさ「求めてたろ？そんな場所を」

そして安心は永遠
僕等は陸のいきもの

誰かが問うのさ「陸と海で自由なのは？」

平均的なら　たくさんの仲間がいる 嘲っても謀っても
いつかはここに誰もいない

明日がくるならこればいい　でもたまには 忘れていい　忘れていい
（結構時間が経ったね　年をとったねって
笑ったら）（忘れたよ　だからはぼくは今日も）
飽きたら辞めたり始めたり

流れ出した
流れだした

汽水域(demo)

ちょっと待っていてってたって
地球は自転を止めやしない
ぐるっと回ってベイベ今日も
一応死なないだけの一日でした‼︎

ねえぼく、この世界が妄想なら
めちゃくちゃに壊したいよ、
どうせみんなの気持ちわかんないし…
物質に欲しいもんはないし……

あー…でも、未完結の漫画と
大好きなバンドの新譜だけは気になるな
ぼくを生かすのも　イマジネーション

スパッと終わった名作みたいな
有終の美　散り際の美学
持ってみたいと思ってみても
一応死なないだけの一日

をまた日々繰り返してるけど
まあ良いかと思えたのさ
まあまあ、まあ……まあまあの週間少年世界‼︎‼︎

ねえ！君、この世界の妄想なら
まかせてよ　君のぶんも
どうせ大人にならないのなら
馬鹿な理想　手放すなベイベー

ねえ！君、この世界の常識との
軋轢で起こすファイア
ぼくらの持てる勇気の中で
最高のイマジネーション

週間少年世界(demo)

今日一日のやな感じ　打ち消そうとして帰り道
スーパーマーケットの外の焼き芋を買ってみたら
信じられないくらい甘くてビビった
ビビった自分にウケてニヤけた
忘れたいことも忘れて日が暮れた

赤信号の横断歩道　隣で待ってる柴犬と
目が合って首を傾けて言葉交わさずにコミュニケーション

人間になって何年経っても
うまく話せない僕たちも
たまにいい感じになって笑ったり


きっと僕たちの幸せってこんなもん
そこそこ普通に苦労して
そろそろ今日も終わりかって頃に少しだけ顔を出して
さよならする　またね　バイバイね
ちょっとムカつく　かなりさびしい
だけどそんな瞬間を愛してしまうのさ

ざわめき通しのこのハート　子供の頃からずっと一緒
日曜終わりの憂鬱を抱えたまま月曜日

でも最近ちょっと大人になった
胸の中の子供に微笑んだ
憧れのあの人もたぶん真ん中は子供

きっと僕たちの幸せってこんなもん
そこそこ不幸に慣れてきて
なんとなく諦めがついた頃に少しだけ顔を出して
さよならする　またね　バイバイね
ちょっとムカつく　かなりさびしい
だけどそんな瞬間を愛してしまうのさ
たまにこんな瞬間を愛してしまうのさ

僕たちの幸せ(demo)

うるさい場所　暗くて狭い　頭の中の部屋
共感できる？共感できない！共感しちゃいけない！賛成多数で排除　ゴーゴーゴーゴーゴーゴー

朝まで寝ない　どうせ眠れない　頭の中の声
我慢できる？我慢できない！我慢しちゃいけない！なんか壊していいか？いいよ　ゴーゴーゴーゴーゴーゴー

ああ、おれは世界一強いのに
それでも　ぼくは不安に　磔にされて夜

負け犬以下のぼく如きじゃ
ベイベー　かなしいぜ　さびしいぜ　やれるか？
ダメダメだ眩暈がしたのさ

はっきり言っておれは弱い朝から夜まで眠い　でも
納得できる？納得できない！納得しちゃいけない！
幸か不幸か　どうか？　勝負　ゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴー

恒常的なシミュレーション　逆境で病気　諸行無常
トーソーできる？トーソーできない！トーソーしちゃいけない！
前後不覚でいいか？いいよ　ゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴー


ああぼくは世界一不安でも　それでも
おれは負けない　ここから動かない

そして踏み出す　恐れ如きじゃ
ベイベー　負けないぜ　折れないぜ　やれるか？
まだまだやれるさ！　きこえているのさ

共感できる？共感できない！共感しちゃいけない！
我慢できる？我慢できない！我慢しちゃいけない！
納得できる？納得できない！納得しちゃいけない！
トーソーできる？トーソーできない？トーソーしちゃいけない！

ゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴー
ゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴー
ゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴー
ゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴー

音楽がうるさい(demo)

か弱いぼくらでいよう
弱音を吐いて挫けよう
誰かの椅子は奪わない
地面で寝ても構わない
求められる強さは要らない
このまま生きていける弱さをください

ぼくらのやさしさの出所はどこだ
たとえば強さ？　または賢さ？　そして豊かさ？

分け与えるだけが愛じゃないけれど
それが分かるには絶望的な孤独を知らなきゃいけない

人の流れに乗れず隙間から月を見てる
きみやぼくの時間がいつか実を結ぶ

このまま　このまま
死にたい気持ちのままで
生きていくことは素晴らしい

都会というものはいつも問いかける
道ゆく人と横たわる人おまえはどちら側かと

ぼくはここにいたい　どちら側でもなく
こんな世の中に気に入られたいことが
恥ずかしい気持ち

PUNKなら闘う　POPは利用する
ぼくはどこにも属せないから
このままきみといたい

この間初めて友達が死んだよ
ぼくは想像する　死にたい気持ち
彼女だけのもの　気持ち

誰かを救うことは恐ろしい　殺すことくらい
だから口にはしないけど

がんばれ　がんばれ
死にたい気持ちのままで
生きていくことは素晴らしい

ぼくらのやさしさの出所はどこだ
たとえば弱さ　または愚かさ　そして貧しさ

分かりあうだけが愛じゃないのだから
ぼくらの孤独　その行先に　全てを賭けてみる価値がある

死にたい気持ち（衝突ver）

今夜はすげえいい気分
千鳥足のきみを　うしろで眺めてた！

今夜はすげえいい気分
夜空にお絵描き　オリジナルの星座

コンビニおでん　湯気をくぐって歩く
駅までの坂道で　いろいろ考えた

いつまでもぼく下手くそでごめん
ほんとうはもっとうまく伝えたいよ
だけど今夜、今夜はもう
酔っ払ってしまったからもういいのさ

今夜はすげえいい気分
やかましいおっさんも抱きしめたいぜ

今夜はすげえいい気分
多分テレパシー……この気持ちはテレパシー！

ソングライター、おまえは今夜も
歌にかえるだろう　はぐれて見た景色を

こんなぼくをいつも匿ってくれて
ほんとうにありがとう　うまく伝えたいよ
だけど今夜、今夜はもう
酔っ払ってしまったからもういいのさ
あーもういいのさ
今夜はすげえいい気分

今夜はすげえいい気分

体には距離がある　心には形がない
それを無理して　わかり合おうとする

確かめる術はなく　癒される保証もない
傷を抱えて　わかり合おうとする

こんなに痛くて怖くて　ぼくはいつか
誰かを愛する時がくるのかなあ

あと何度心は持つだろう

見慣れない鳥が　壁の向こうからやって来て
私たちをニュースにして持ち帰りました
新しい水筒を買ったばかりの
私たちごと連れ去りました

見慣れない鳥が　壁の向こうからやって来て
噂通りに卵を産み落としました
都合の悪い子供たちを棄てて
身軽になって新天地へ飛び去っていきました

どうぞ　ご唱和ください
私たちは生きてて恥ずかしい
この世界で生きていけることは恥ずかしい
恥ずかしいことです

引き慣れたトリガー
指先の重さとその結果は
新しい時代ではいつも釣り合わない
私たちは巨大なアサルトライフル
引鉄は平等に軽い

見慣れた鳥が　壁の向こうからやって来て
私たちにニュースを持ち帰りました
そのニュースによると
壁の中に閉じ込められていたのは
私たちの方でした

どうぞ　ご唱和ください
私たちは生きてて恥ずかしい
この世界で生きていけることは恥ずかしい
恥ずかしいことです

GAZA/この世界で生きていけることは

この星が悪いよ

フラッシュメモリィ・イズバック(もう二度と会えない子猫のことを考えていたら)

いつのまにか通り過ぎた透明な五月の悪魔
六月の風を注いだグラスに口紅をつけて
遠慮のない仕草で飲み干す　夏に備えて

畳の部屋一人きりで裸のまま外を覗く
バスケットボール突く音
薄いカーテン越しに木霊する
夕方になったら買い物に　夜に備えて

さみしくない夜がひとりだと尚いいね
ひとりで生きていける気がするからさ

あなたにも夜が来るのなら時々電話しよう
部屋の翳りを照らす電波
わたしの部屋に降る

午後の支度

揺れてる草花の匂いを嗅いで
歓びに震えることを忘れずに
ちいさくて弱くて脆い光の中にある
強さこそ！強さこそやさしさだ！

それはあなただ！銀河鉄道の窓に映っている瞳だ！
理解されないことを恐れない瞳だ！
いつもの朝のコーヒーだ！
もう二度とぼくは戻れないから
もっと心のまま魂のまま身体のまま変わりたい方へ
探しに行こう　だから今は！今だけは！

グッバイグッバイああさよなら新しい価値に揺れて
グッバイグッバイああ　ぼくだけは　ぼくのこと諦めず
大人に！大人に！大人に！大人に！なろう！


転ばぬ先の杖、鎧を脱いで　古びた洋服の解れを直す
ちいさくて無意味で淡い光の中祈る
弱さこそ！弱さこそやさしさだ！

それはあなだ！野良猫と菜の花に話しかける言葉だ！
理解されないことを恐れない言葉だ！
硝子球で散らばる木漏れ日だ！
もう二度とぼくは戻れないから
もっと勇気をくれ　綺麗事を　恥ずかしがらず歌にさせて！
愛も夜も光も希望も永遠の瞬間に閉じ込めて！
これまでの総てをあなたへの歌にして！

グッバイグッバイああさよなら
グッバイグッバイああさよなら

グッバイグッバイああさよなら新しい価値に揺れて
グッバイグッバイああ　ぼくだけは　ぼくのこと　諦めず
大人に！大人に！大人に！大人に！
大人に！大人に！大人に！大人に！なろう！

大島玄理

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