All written by Kadan Suzuki

花瓶

窓辺から差し込む光のなか
切り花の命は短くて
根を持たぬ花なら枯れて仕舞えば
次の夏を待つこともない

あなたは私にそう告げて
朝靄の街に紛れ 手を離した
あのころ私はクロードの
或る絵の中に憧れていた

もう 咲き誇る花には
実もならず蜜も香らない
ねえ 季節は絶たれて
ただ空っぽの花瓶が残っていた

蘇る枯れ木に例え あなたは
冬を越す恋の話をした
分かち合えないことやすれ違いも
認めその度話続けた

窓辺に集めたとりどりの
情景やガラス細工の意思が
赤青緑に染まりゆき
眩い影を伸ばし合っても

ねえ 変わらぬ窓辺に
差し込む陽は温度も無くし
もう 時の流れには
なにもかも薄れていく気がしたんだ

追いかけることもできぬほど
さよならは単調な穏やかな意思で
色を忘れた花瓶の中
あの日々が濁ってゆく

もう 咲き誇る花には
実も成らず蜜も香らない
ねえ それでも思わせる
同じ季節に結ばれる蕾を

ねえ 施された細工や
ガラスの描く曲線や影
そう 今は全てが
語りかけてくるように目に映る



(2021/6/26)
即物的、をテーマにしたアルバムです。

今まで1曲作るのに費やしていた時間で5曲分のミニアルバムを作ったらどんな作品が出来るだろうと思い制作しました。時間をかけて練るよりも、直感的に楽曲にも作詞にも取り掛かりました。
きっと今までよりも気軽で、率直なアルバムになったのではないだろうかと思います。

これは2021年、今の自分自身のスケッチです。聴いていただけたら嬉しいです

花瓶

All written by Kadan Suzuki

Spacecrafts Attitude

踊るようなスピードでふたり
手を伸ばしあって 腕をつかんだ
やっとふたり取り合う手には 
真っ白な数珠が絡まってた
だけど兎角 考えたくない
喉元からのメッセージそのままに
受け取った君の 離陸姿勢

真っ暗な中 くらくら踊って
ぐるぐる回って飛び込む 一直線
星を探した
まるで不時着したような姿勢で
ビリリほとばしる 星屑追いかけて
さらに潜った

横たわって宙に浮かぶ君
だいぶ低いとこを沈んでる僕
君が弄んでるのはそう
全部行き止まりにした未来
もしも別の展開があったらなんて
ふいに想像してしまえば
虚しさ忘れるため もう一度

願った星がぶつかるキラキラ
弾けて吹き飛んだ それは擬似体験
すごく嬉しい
誰もが知ってる偉人の言葉
突然ぐるぐる頭を回り出して
少し腑に落ちた

あなたは何も知らない
それについてさほど抵抗はない
何も無かったと同じよな夜に
君と二人で一つの嘘になる

蒸し返される恐れもない夜
すごくあなたが他人と感じる
何一つ混じり合わない癖に
すごく苦しい

突然ザラザラに変わりだして
居心地悪さジリジリ差し迫って
まるで分からぬ
黒く縁取られた窓の外で光る大きな
月にずっと見られてる
目を逸らしたいよ



(2021/6/26)
即物的、がテーマのアルバムです。

今まで1曲作るのに費やしていた時間で5曲分のミニアルバムを作ったらどんな作品が出来るだろうと思い制作しました。時間をかけて練るよりも、直感的に楽曲にも作詞にも取り掛かりました。
きっと今までよりも気軽で、率直なアルバムになったのではないだろうかと思います。

これは2021年、今の自分自身のスケッチです。聴いていただけたら嬉しいです

Spacecraft Attitude

All written by Kadan Suzuki

Imaginary People

知らない国で 知らない肉を食う
誰かのことを 思い出させるように
降りしきる雨 消えないまま 裾を
濡らしている どこか遠くから

誰かの作る 安い飯を食べて
誰かの歌う 歌を口ずさんで
何も残らぬ 愛をあなたへ残す
雨は降るだろうか

誰かわたしの歌を口ずさんで
誰かわたしに何かを及ぼして
何にもなれぬ そんな思いが
ふと頭をよぎる 雨の中

何もかも忘れてしまいそう

知らない国で 一から始めれば
消せるだろうか 歩んできた跡を
昔馴染んだ 口癖がどうにも
消えないままに口をついて出る
覚えたての言葉の裏に ほら
変わらずにある

何もかも巡っている
それなのに降る雨は
何もかも忘れている
素知らぬ顔して降り注ぐ
だから意味もなく悲しくて
意味もなく 一人ではない




(2021/6/26)
即物的、がテーマのアルバムです。

今まで1曲作るのに費やしていた時間で5曲分のミニアルバムを作ったらどんな作品が出来るだろうと思い制作しました。時間をかけて練るよりも、直感的に楽曲にも作詞にも取り掛かりました。
きっと今までよりも気軽で、率直なアルバムになったのではないだろうかと思います。

これは2021年、今の自分自身のスケッチです。聴いていただけたら嬉しいです

Imaginary People

All written by Kadan Suzuki
Bass _ 秋元優里 Yuri Akimoto

幾何学模様

日が差した部屋には 浅い眠りのシーツ
忙しない日々では 少し遠くに感じている他人

上がったり下がったり 気まぐれな空模様
胸をくすぐる予感は 何も変わらないことに味をしめて

汗の匂いの 君の後ろを歩く
唐突な夏日に 背中の汗滲み への字顔

なかなか変わらぬ距離に 今はもう理由があるようで
何もかも良くなった頃にはなんて予感 それだけですてき

目くばせや取り合いも なくなり
まるでひとりの君
あの子もきっと 同じこと思うんだ
遠く 君を見つめてる 同じ距離

何一つも変わらぬままで いつかはいつかはなんて
約束一つだってないまま 僕ら大切な時間だって失っていく
いつかが いつかが 来ないまま
このまま 老いていってしまうの
少しだけ張り詰めているなか 
予感だけが健やかに眠っている




(2021/6/26)
即物的、がテーマのアルバムです。

今まで1曲作るのに費やしていた時間で5曲分のミニアルバムを作ったらどんな作品が出来るだろうと思い制作しました。時間をかけて練るよりも、直感的に楽曲にも作詞にも取り掛かりました。
きっと今までよりも気軽で、率直なアルバムになったのではないだろうかと思います。

これは2021年、今の自分自身のスケッチです。聴いていただけたら嬉しいです

幾何学模様

All written by Kadan Suzuki

即物的

息を吸う 何もかも
吸い込んでしまえば
少し早い 胸の鼓動
繋がりだすシナプス

瞼の裏の映写機
映し出すのは
無意識のフィルム
懐かしい人の名を
思い出す影芝居

Back in nothing
Back in nothing
Back in...
Back in nothing
Back in nothing
Back in...
All originated from nothing
But Why does it exist?

ありもしない思い出に
涙を溜めている
どこからきたの
どこへ行くの
溢れ出す気持ちが
降り注ぐ夜は

Back in nothing
Back in nothing
Back in...
Back in nothing
Back in nothing
Back in...
The color of nothingness
is just like you

あなたを知ったわたしは
思考にひとつ寄り道させる
そこを通る時 
変わらずあの日の香りがする



(2021/6/26)
即物的、がテーマのアルバムです。

今まで1曲作るのに費やしていた時間で5曲分のミニアルバムを作ったらどんな作品が出来るだろうと思い制作しました。時間をかけて練るよりも、直感的に楽曲にも作詞にも取り掛かりました。
きっと今までよりも気軽で、率直なアルバムになったのではないだろうかと思います。

これは2021年、今の自分自身のスケッチです。聴いていただけたら嬉しいです

即物的

作曲 / 名村辰
作詞 / 名村辰、KADAN
アレンジ / KADAN

ベース / 秋元優里

Composed by Namura Shin
Lyrics by KADAN, Shin Namura
arranged by KADAN

Bass: Yuri Akimoto

透ける

迂闊に踏み込んだ正夢 抜け出せずに
今日の雨宿 いつもより 長引く予感

少し遅い朝
小雨が葉を鳴らして思わず目細めた
幼いけれど強かなその音に
僕らは呑み込まれた

見えなくたって確かにある
きっと言えなくたって言葉になる
僕を残して大人になる街で
知らない君と視線が合う

喜びの歌を歌いながら悲しい顔してるのはなぜ？
何かに怯えた 君の横顔
全部良くなる予感しかないわ
足を止めて いまは流れる時へ身を任せて
ただゆっくり ね

じっと待つのは性分じゃないけど
もう少しだけ何もしないでおこう
低い屋根の下で この迷子同士で
口は開かず 喋っていよう

いつも何かを探してる
特に失くしたわけではないのに
知らないことだって分かってるフリして
背伸びして着飾る僕を
熱が見つけすっ飛ばした

鉄塔ガスは天に溶け
吹かした煙の影と
混じって黙って上がってく
もうそろそろ雨があがってくような
気配を感じて鳴く鳥
名前のない彼がいつもより
ただ一人で遠くへ飛んでいく
透明な世界を運んでいく

水溜り どこか窓から流れてくる
ピアノの調律が聞こえる
乱されずに

帰り道 二人は足止め
交わす言葉なんか見つからない
でも何か告げる意味はないわ
ため息 君は言葉足らずを少し悔むみたいに
でもずっと伝えられず仕舞いなんてことはない
 
弱る雨のなか

水の中に落ちた逆夢
息もできぬ湿度 立ち尽くす
生い茂る草木に溶け込むように
今だけをただ感じてる君 
見失ったりするわけがないわ
全部良くなる予感しかないわ

君は静かに 雨に透けている

透ける feat. 名村辰

Song & lyrics by Kadan Suzuki
Mastering adviser - Kengo nishimi

ひとときでも他人と何かを共有できたことは、それだけで喜びだと思う

プリズム

巡りめぐる日の中のある一つに星をつけたよ
365を巡って必ずそこを通るんだ
何もないとこから生まれたのは
ビッグバン はじめての気持ち
ずっと一人ぼっちだったの

何もないところから生まれたから
何もないところに戻るよ
それってすごく自然で不自然
どうしてまた沢山の気持ち
溢れ出てきて 宇宙はまだ広がり続けるよ
そうか！これが！

僕ら何度も二人手をとって
何が見つかるか探してたんだ
見つけたのは なけなしの別れさ Oh oh...!
またいつの日にか話し合えたら
もう一度ふたり愛し会えるかも
二度目はないと誰が決めたのさ Oh oh...!
さよなら

他人になったら悲しいとき
誰に頼ればいいんだろう
そんなことも思い出せないよ
宇宙の果てまで来たみたいだ
凍えた夜を温め合った
春の夜の夢はもう覚めた
そして通過した星までまた一巡り

さよなら 言葉響いて跳ね返る
色んなとこぶつかっており曲がる
空へ届いて 光るプリズム
拡散して ほら虹をかける
いつかまた知らないあなた、いや自分に巡り会う
そうか！これが！

泣いたり笑ったりとめどなくて
ぐしゃぐしゃに転がってはぶつけて
分かり合えた喜びは今でも Oh oh...!
この世界で誰よりもあなたを
分かってたんだ 巡り合わせでも
意味が無いなど信じたくないよ Oh oh...!
さよなら

手帳につけた星の日はまるで
空に散らばる無限の中から
君を見つけたあの日 これからは Oh oh...!
星屑散らばる 音もない中
瞬いてる遠い星が今でも
分かり合えた二人のあの光 Oh oh...!

風の前の塵に同じように
手をすり抜けてゆけど  それでもね
分かり合えた喜びが今でも Oh oh...!
あの光の中で 出会い直せたら
また2人で話し始めようよ
これが最後と誰が決めたのさ Oh oh...!
さよなら

プリズム

作曲 / KADAN
作詞 / KADAN(歌パート), 名村辰(ラップパート)

Composed by KADAN
Lyrics by KADAN, Shin Namura

Safe Space 

そのかすれた声は暖かなシャワー
肌から肌
滴る花びらが
汚れを落としてく
曇った鏡　洗い流してく

繰り返される日常に
潜む棘もささやかな愛情に変えて
夜を割って入ってくる毒も断って吐いてくれる
だから×だらけだって
そんな自分を許せる

きっと今だけ
そう分かってる
か細い三日月が黒い空を引っかく
それはいつかの淡い願いほどに小さく
夜が朝に時をなすりつけるように消えてく

ああ　それでも
その脆い刹那重なって
交わし合った分だけの
熱纏って澄んだ目

身を預け密かな
たくらみにこぼれた
笑みを隠し期待を秘めた
まだここにいたいから

メロウな時に紛れても
あなたを 思えば すてきね
心の中で口ずさむ
あなたは どんな歌よりも メロディ

鼻声で囁く
夜中の雨のような
朝鳥の口笛のような
それらに似ている優しい何か
セーフスペースにて知る魂のありか

なんとなく
ただ座って咲く花みたい
ここに在るだけのことが
愛しくてたまらない
安心な言葉で
安全なこの場で
不幸も悪くないと思えるくらいの幸せをくれ

誰を思い浮かべたか
誰しも不安の中じゃ眠れない
守るためだけの闘い 疲れたら目を閉じて
ただ 願う

些細な夜に紛れても
あなたを 思えば すてきね
心の中で口ずさむ
あなたは どんな歌よりも メロディ
メロウなビート 交わらぬ
私の波打つ思いに
浮かべた小舟 あなただけ
それさえ思えば すてきね

琥珀の海は 凪の時
全てが止まった一瞬
いつか 望みも消えるでしょう
それだけ 思えば すてきね

Safe Space (feat. 名村辰)

Song & lyrics by Karan Suzuki
Mastering adviser - Kengo nishimi

Raisin

Breath 身体隅々まで 満たした空気を吐き出して 
Fell さよなら僕だけの 欠片たち宙へかき混ぜて

Touch 僕が作り出した 形を手でなぞり返して
Dream 宇宙の初めから 引き継がれた僕の欠片を
Reach 閉じかけた心の 少し痛いギザギザに触れて
Open なぞれば辿り着く 小さすぎる僕のしじまに

ほら 感じるでしょう
夜は まだ 明けぬままで

Yes

Smell そのまま書き留めた 感じている今この全てを
Taste インクになぞられてく 心の形が目に映る
Listen 分け隔てられてくる 窓の外で響くノイズと
Forget さよなら君の声 宙の果てまでこだましてる

ほら手を伸ばせば
その先 伸びる影
どうか 祈り捧げるより
一粒のレーズンを

Scream ないまぜの気持ちを ほぐす術ををただ求めている
Imagine 触れてまた確かめて 僕のカタチ変わらぬままと

ただそこにある だから感じる
まだ心は立ちすくんだままで
心に重い砥石を乗せて
言葉はまた鋭さを増していく
目を瞑っても止まらぬアタマ
無限に広がる宇宙に似ている
手のひらの上 小さな果実
何もかも静かに研ぎ澄ませて

Raisin

All written by Kadan Suzuki

Bass - Yuri Akimoto
Mixing Adviser - Kengo Nishimi

Gradation

私はお前の対極に位置する
座標の0地点で完全に沈黙している
お前は私の対極に位置する
255の座標上、光の中で飽和している

互いの間には無限に似たグラデーション 
もし踏み入れば二人揃ってグレーに染まる
単に接触を試みただけなのに

座標の平面上、二つの点が近付こうとしている
グラデーションの中に境目などなく
「お前は私に成れない」と言うけれど
違うよ、ただ互いに共鳴し合ってしまっただけ

自失した二人はかつての闇でも光でもない
似通い始めれば同系色の趣き
適性を欠いていると気づけば
たちまち元いたところへ逃げ帰るだけ

歩み寄ることをやめて
惹かれ合いながらも
対極に鎮座する
睦み合う術をそれしか知らず

Gradation(2020ver.)

art pop
composer / producer / singer song writer
夜明け前のブルーな音楽

音楽を通じてたくさんの人々、素晴らしいクリエイターの方々と知り合い、交流をもったり、何か一緒に物作りができたら幸せです。

Sketch of my life 
26yo Based in East Tokyo

KADAN

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