　" il "   / viliv


... 98... 99... 

『 もーいーかい? 』

「 まーだだよー。」

...101...102...

『 もーいーかい? 』

「 まーだだよー。 」 って、

声も届かないところまで行っちゃうなんてずるいよ。
....ずるいよ。

ねぇ、
 楽になりたいよ。


同じ色で合わせたスニーカー、
置いてったきりどうすればいいの....

『 見つけた。 』
『 ずるいよ...。 そっちにはいっちゃだめだって約束したのに.. .』

『 うそつき。 』

「 ごめんね。 」

『 ゆるさない。　死刑だよ？ 』　って、
笑いながら、
もう手を繋いで一緒に帰りたいよ。


...99998...99999 ...
10000回目の夜が来ても、
『 もーいーかい? 』「 まーだだよー。 」 を、
いつまでも繰り返してる。


あんまりにも出てこないから、
綺麗な花を見つけたよ。
懐かしくて 、
でも、
ちょっと痛くて。

君の匂いを思い出した。


取れずに、
泣いてた、
あの日の
ビー玉。
心の中で転がったまま。

走って、走った。
その手を探して、
君の森は広すぎて、
今もまだ迷っているんだよ。

彷徨っているんだよ。


春がきて、
冬がクル。
帰り道、
忘れちゃって。


〈 もう、いいよ。　もういいから...。 〉

それでも、

『まだだよ。』って、

やめようとしない私は、

もう一回あの日をやりなおせられるなら、
今度は隠さない。


『 見つけた。 ずるいよ。　 この靴...覚えてる？ 』
『 こんなになるまで探したよ。』

『  いじわる。 』

「 ...ごめんね? 」

『 ...わかったよ。　ねぇ?見てよ。」って、

あの日の帰り道、
渡せず、
ポケットに隠した、

花をあげたいんだよ。


