遺品 †rinne

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「花葬ノ式」

覆してくれ この苛立ちを全部
言えない 生きてれば幸せなんて
死ねない理由はひとつ, 怖いからでつ
癒えない怪我でもう見えないこの眼

他人の疑い方を君に教え僕は溺れてく 底の果て迄
しとど雨 たかが穢れ 此処でお別れ だがまた何処かで会う

余計な事考え飛ばした歌詞が
誰にも刺さらず漂い彷徨った
当たり前か 聴いた者が居なきゃ
僕にしか視えない幽霊みたいだ

理由など無く只生きたくなくて
でも死にたくないから生きてるだけ
擦り減らせ どうせいつかは塵芥
眠いんだ もういいや僕は死にました

誰かを信じるにも理由が要る
愚かさ以外この手に何がある?
普通未満の日々に憑かれ果て
苦痛 涙目 腕に這う蚯蚓腫れ 爛れた頬
埋められもせず踏まれ落ちたまま棒立ちの影が墓標
灯す火 この町ごと火葬 哀悼と
今こそ供養を


空っぽの棺桶を運び出して
釘を打ったのは誰かもわからない
でも僕だけが知っている
幽霊のあの子が花束を詰め込んだこと

あの火葬場から上がる煙 閉じ込められた脆い殻を破り
中身を知らないままに葬る間抜け面共に燃ゆる花の香り

声無き声は声以外で蘇り
僕だって押し込めたその一人
あなたが遺していった無邪気な呪い
それはたった今 種明かしの様に
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A09.遺品(tape｢花葬ノ式｣) 篤ヒ III. 厄

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