This album explores the quiet struggles behind a smile — the pressure to be perfect, to stay silent, to fit in. Through different lives and scenes, it shows how despair grows and what it takes to finally choose yourself.

このアルバムは、笑顔の裏にある静かな苦しみ―完璧であること、黙ること、周りに合わせること―を描いています。
さまざまな人生や場面を通して、絶望がどう生まれ、自分自身を選ぶまでの道のりを語ります。

出口なし

だれかの期待ばかり追いかけてた
気がついたら、自分の声が消えてた
わたしは…完璧じゃない。でも、それが悪いこと？

制服のしわを気にしてた朝
しずかな教室、息を殺したまま
目立たないように、答えも正解
間違える勇気より空気の方が大事

ノートに書いたのは他人の言葉
「いい子ですね」それが鎖の言葉
マスクをつけた、いつのまにか
肌に溶けて、わたしがいなくなった

完璧じゃない、それでいいはずなのに
ずっと「正しい」ふりをしたあの日々
わたしの声、どこで失くしたの？
誰の夢を生きてたの？ねぇ、教えてよ

模試の点数、偏差値の檻
夢より現実、それが「正しい」道
メイクで隠す目のクマと涙
「大丈夫です」しか言えない朝

サークルもバイトも履歴書のため
本当の自分？今さら聞かないで
ビルの谷間で迷子になって
笑顔の仮面がヒビ割れてきた

このまま続けたら、壊れるだけ
逃げることは、弱さじゃない

完璧じゃない、やっと気づいた瞬間
息ができた、涙が熱くて甘い
わたしの声、少し震えてたけど
生きたいって叫んだ、それだけでよかった

駅のホーム、切符も捨てた
行き先はない、でも足は進んでた
スマホの電源も落として放つ
はじめて見た空、こんなにも広かった

コンビニの弁当、知らない森の中
誰にも見つからない、自由な静けさ
土に触れた手が震えてたけど
わたしはわたしを取り戻しはじめた

完璧じゃない、でも今ここにいる
傷もシミも、わたしを作る色
わたしの声、もう怖くないよ
生きるって、そういうことなんだろう

湯気立つ茶碗、孫の笑顔
「おばあちゃん、どうして山に住んでるの？」
答えは簡単、でも深い話
「心がね、土みたいに耕されたの」

陶器のヒビも、絵のにじみも
消さずに残す、それがわたしの生き方
禅が言う無我？それも一理あるけど
わたしは影を抱いて、光にしたかったの

影を無視すれば、光も偽る
弱さも怒りも、ぜんぶ私
ただの器じゃない、火で焼いた魂
欠けても、美しいままに

孫よ…
他人の夢を生きる必要はない
君の声は、君だけの宝物
完璧じゃなくても、君は美しい
だから、生きて。君のままで。

「かんぺきじゃない」

昨日のことも…ちゃんと覚えてへんねん
なんで毎朝、心臓だけが先に走るんやろな
呼吸って…いつからこんなに難しくなったんやっけ？

電車ギュウギュウ、スーツの海
鏡ん中の顔、誰やろ思たら…俺やったわ
朝のカフェでも誰とも目ぇ合わさん
心だけ、毎朝 遅刻やねん

ネクタイきつい、でも緩めたら負け
やる気あるフリも、そろそろ限界やし
上司の小言、聞こえてるフリで流し
「ハイ！」って言いながら、息止めてた

息できない、でも誰も気づかん
「しんどい」なんて言うたら終わりやろ？
笑ってるフリ、吐きそうなまま
頭の中、もう酸素足りへん

パソコンの画面、まばたき禁止
タイムカード押しても、心は無記名
昼飯ひとり、誰も誘わんし誘われへん
「今日は天気いいですね」も浮く存在

「こいつ、ちょっと変わってんな」
心優しいだけやのに、評価はゼロか
飲み会で誰か言うた
「あの外人、関西弁やで？変な奴やなw」

笑い声だけ広がって、
俺だけ縮こまって、焼き鳥冷めてた

家帰っても、空気は凍ってる
妻の目、何も言わんけど刺さるねん
息の仕方、誰か教えてほしいわ

息できない、心が狭なってく
誰の声も、自分の音ももう聞こえへん
ノイズみたいに日々が流れてく
俺はここに…ほんまにおるんか？

朝起きたら、火曜のはずが木曜
メール見ても、何したか記憶にない
鏡の前、もう一人の「俺」が立ってた
目は笑てるけど、心が空やった

デスクにいるのに、自分が後ろにおる気して
上司に怒鳴られてる「彼」見てたわ
あれ、俺やんな？でも違うような…
境目、曖昧に滲んでく

息できない、「俺」も「彼」も黙ってる
それぞれの顔、誰のためにあるんやろ
同じ体に詰め込まれた他人たち
吐いても吐いても、まだ詰まってる

俺がおって、彼がおって、あいつもいて
声は一つやのに、心がバラバラやねん
会社でも家でも、どれが本物かわからん
全部「演技」やったんか？ 本音ってなんや？

「大丈夫」っていう俺
黙って笑う「彼」
怒鳴り返す「あいつ」
涙こらえる「ぼく」

…いつから「俺ら」になってしもたんやろ

息できない、けど「俺ら」はまだ動いてる
それが生きてるってことなんか？
笑ってる誰かの中に俺はおる
バラバラでも、ここに、確かに

ちっちゃい頃、カブトムシ集めてた
「働く」なんて意味も知らんでよかったな
泣いてもええ、転んでもええ
でも今はそれ、全部「ダメ」って言われるねん

優しさは弱さちゃうやろ
なんでそれが「変」って言われなあかん？
あの頃の「ぼく」は今の「俺」に
なんて言うやろな、笑うかな、泣くかな

駅のホーム、電車は止まってない
スマホの通知、ずっと無視したまま
風の音が、やけにうるさい
…でもな、今はちゃんと、息できてる気する

ほんの少しだけやけど
胸の奥に、誰かの声が戻ってきた
「ええやん、それで」って言うてくれる誰か
それが俺でも他人でも、なんでもええねん

一人じゃないのに、孤独
声は多いのに、静寂
でもな、どの「俺」も…生きたがってたんや

もし誰かに、「しんどい」って言えたら
それだけで世界、ちょっと変わるかもしれへんな
息できるようになるんかも、なぁ？
…せやな、ええよ、それで。

「息できない」

お世話になっております。はい、かしこまりました。
少々お待ちくださいませ。誠に申し訳ございません。
…ほんま、わたし誰やねん。

(“Thank you for your continued support. Yes, certainly.
Please wait a moment. I sincerely apologize.
…Seriously, who even am I?”)

毎朝　化粧じゃなくて　仮装やで
アイラインの向こう、誰かの期待の顔やで
「いい子ですね」って、その言葉もう10回目
ほんまの顔　見たことあるん？あんた、誰？

名前は名乗った、でも声は貸したまま
心の鍵は隠したまま、渡したんは仮の姿
笑ってるで？笑ってるけどな、見抜いてみぃ
狐の面の下、歯の代わりに刃（やいば）やで

変身しすぎて、元の形もう忘れた
欲しいのは承認？ちゃうわ、生きてえだけやった
「女のくせに」とか「可愛いな」とかどうでもええ
私は私、それだけでなんで悪になんねん

うまく笑うの、上手になったよ
I got better at smiling well

I fake it clean, but it still feels low

「いい子ですね」って、呪いみたい
“Such a good girl” — it feels like a curse

A pretty mask, with no face below

ほんとは叫びたかった、でも声が通らへん
通勤電車の窓に映るのは、空っぽのフレーム
「本音はだめ」って刷り込まれた教科書の中で
黙るほどに心は、もっと喋りたがってた

正直でいたら、引かれるって知ってる
空気読まんと生き残れん、って学んだルール
でもな、そんなルールはもう破ってええって思うた
壊れる前に、壊した方がマシちゃう？

誰も気づかん、私の演技力の高さ
一日中、役を演じて、寝る前に泣くわ
あの子が言うた、「あんた変わってんな」
ちゃうわ、お前らが全部同じすぎんねん

もう誰のために形変えてんの？
Who am I still shifting for?

自分の声が、いちばん聞こえへん
My own voice — it's the hardest one to hear

仮面が笑う、私は無言
The mask laughs — I stay silent

They clap for me, but I’m not home

正しいフリは、罪の香り
Pretending to be right — smells like guilt

I played the part till it played me gone

面が落ちた夜、誰も見とらんかった
風呂場の鏡、そこにいたんは　泣いてる狐やった
なんやろな、楽になったんか、もっと怖なったんか
空気じゃなくて、自分を読めるようになった瞬間やった

会社の敬語も、実家の常識も、ガムテで塞いだわ
「ありがとう」って言いながら、怒りを噛み潰してた
本音を言うことは、わがままなん？
ほな一生、都合のええ人形でいろってか？ちゃうやろ

誰かの好感度より、自分の命が大事や
なりたいんちゃう、「戻りたい」ねん、自分に

変わる形より、変わらん声さ
More than shifting shape — it’s the voice that stays, y’know

My name’s not “nice,” it’s just my name

本音ってさ、怖くて美しいっしょ
Truth hurts — but it’s beautiful, don’t you think?

I’m not your fox. I’m only me.


わたし、まだ変わってしまうかもしれんけどさ
I might still change shapes again someday

でも今日は…ひとつ、形をやめてみれや
But today... I let go of one, just tried it out

嘘じゃない声で、息してるべ
I’m breathing now — with a voice that’s not a lie, yeah

やっと、自分の顔で夢を見たっしょ
Finally... dreamed with my own face, didn’t I?

「 建前」

「だいじょうぶだよ」ってまた言った。
たぶん、今日も誰も聞いてないけど。
声に出すだけで、ちょっと…ましになると思ってた。
でも、もう…わからん。

十七の春、制服の代わりにベビーカー
だれも「おめでとう」って言ってくれんかった
トー横の影、マックの影、育った場所
髪染めたままの過去が、履歴書で笑われた

ママチャリと小銭、月末の迷路
毎日が “頑張れ” の嵐で、耳が腐る
児童館でため息、他のママは遠い島
「若いね〜」って笑われて、その後は無視

名前で呼ばれること、もうなくなった
「ママ」でも「ねぇ」でも、「あんた」でもなんでもええ
この小さな手のぬくもりだけが
わたしを、この世界に踏みとどまらせた

「だいじょうぶ」って言えば　全部隠せるから
世界が優しくなるフリするから
わらって　泣いて　でもだれも見てへん
わたし消えたいけど　今日も生きてんねん

夜のワンルーム、子ども寝かせてから
YouTubeでコード学んだ、意味もわからんまま
Stack Overflowが唯一の味方やった
タグで世界ができてく感覚、ちょっとだけ自由やった

ポートフォリオ送った、でも返信ゼロ
面接で笑われた「高卒？」「未経験？」
フォントも、構成も、Gitも完璧にしたのに
「社員にはちょっと…」って　スパムみたいな理由

下請けの下請け、でも食わせなあかん
画面の奥で生きとるのは、ママやなくてサーバー
わたし、ただのスクリプトみたいになって
404 not found

夢ってほどでもなかったけど
このコードだけは、わたしの声やった

「だいじょうぶ」ってまた言った　あの朝
小さな手が、もう戻らないって知った
世界は静かすぎて　風の音がうるさかった
わたし消えたいけど　まだここにおる


通学路で起きたってニュースで見た

「たまたま通っただけ」
“Just in the wrong place”

「すぐ終わると思った」
“It happened so fast”

「運が悪かった」
“She was unlucky”

たまたま？
Just unlucky?

わたしのすべてがその日で止まったのに？
抱きしめた記憶、匂い、歌、喉の奥で腐ってる
誰かにぶつけたくても、ぶつける場所なんかない

部屋の隅、イヤホンでノイズ聞いてる
考えてるわけじゃない、考えることがない
森の中で風が問いかけてこない

ただのループ
Just a loop

While alive, just run the loop
Heart on mute, brain on brute
Optional: the hope flag's set
But no one’s pushed reset yet

昨日の自分に会っても、名乗れへんわ
愛ってバグるね
私、いまバイトでできた　ひとかけらの
ノイズの海に溺れるビットやねん

If I say I wanna leave,
Just call disappear() and grieve
Else return the same old line,
Keep compiling, one more time

「消えたい」って　ほんまに言えたのは
たった一回やったわ
それも…だれにも聞こえん場所で
わたし、まだいるよ
たぶん
たぶんね

「消えたい」

Support our mission to raise awareness around child loss through music, stories, and shared hope. Every contribution helps us honour the memory of our children and support others walking this path.

「かんぺきじゃない」

Dancing salamanders