車窓より

つかの間の旅 （1st mini Album 『オールドハイツ・ミュージック』より）

桜の見ごろは終わったみたい （1st mini Album 『オールドハイツ・ミュージック』より）

原付を駐輪場に停めて　ヘルメットでぺたんこの髪を
サイドミラー覗き整える　どんな顔したらいいだろうかとか考える
　
　　
神妙な顔して入るとすぐに　お母さんが何度も何度も
息子の為にありがとうございますと　頭を下げてつられて僕も頭下げる
　
涙を浮かべながらも気丈に振る舞う　その顔立ちは何処かで見たような
何故だか知っているような　あぁ、あの人はお母さん似だったんだな
　
お焼香のあげ方は間違ってないかな　作法について僕は何も知らないな
場に呑まれぬように粗相のないように　気を遣いながら手を合わせる
　
目をつぶるあの人の顔立ちは　なんだかいつもよりキリっと見えて
なにかの冗談みたいだな　これがなにかの冗談だったらな
　
　
椅子に座りお茶を頂きながら　思い思いに何かを語らう
お手伝いしてる友達の顔に　時折こぼれる笑みも何処か空しく
　
僕よりずっと仲の良かった友達が　やってきてお線香を立ててる
その後ろ姿で気づかされる　あの人はもういないんだなと
　
　
ご挨拶を済ませヘルメットを被り　原付を走らせ家路を急ぐ
昨日までと今日は何が違うんだ？　どこか上の空でそんな事考える
　
真っ直ぐ伸びる幹線道路に　ずっと先まで並んでる信号が
一斉に青になった　このまま進めという事かな
　
今夜でお別れだったんだな　明日にはなんにもなくなるんだから
なんだか全部嘘のようだな　全部嘘だったらな

顔立ち / 安田支度 （冬支度 安田ソロ弾き語り）2015年12月26日 油野美術館

夕べの夢があまりにも　悲しい夢だったもので
今日はなんだか　桜の花さえも寂しげに見える
　
古い映写機が映した　あの街の色はぼんやり　　　　　　　　
楽しかった事やあんな事　あの頃の僕が笑ってる　　　　　　　
　
　
桜の見ごろは終わったみたいだ
そこら辺り桜吹雪が舞って　　　　　　　　
エンドロールが流れ出しそうだ
いつか観た映画の結末のように　　　　　　　　　
　
　
店先にもたれるように　傾きかけた桜の木
少し歩き疲れたところさ　ここら辺りで一休み　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
くすんだ色の音楽が　遠慮がちに流れる店
古い歌は便利なものだね　あの頃に帰れるから　　　　　　　　　　
　
　
桜の見ごろは終わったみたいだ
そこら辺り桜吹雪が舞って　　　　　　　　　　　
エンドロールが流れ出しそうだ
いつか見た春の日の終わりのように　　　　　　　
　
カタカタと映写機は音を立てて
終わったフィルムを巻き戻している
そして旅立つ春は東の方に　　　　　　　　　　　
寂しさも連れってやくれないか？
　
　
　
冬支度
斎藤祢々子：ボーカル、フルート
安田支度：アコースティックギター、ハーモニカ、コーラス

guest 藤江隆：アコースティックギター

16-06-22練習分2(with藤江隆)＠スタジオネコ 19:15～21:15

桜の見ごろは終わったみたい / 冬支度with藤江隆  2016年6月22日 atスタジオネコ

窓に肩肘ついて　列車に揺られては
ぼんやりと今までを　思い返していた

がらんとした車内に　駄々をこねる少女の
泣き声だけがただ　響き渡ってたのさ

　
この景色も明日から　見る事もないだろう
走る列車が街を　小さくしていった

窓から吹く風は　長い髪を揺らして
溢れ出す涙も　すぐ乾かしてしまう

　
日差し浴びる稲穂が　揺れる 波のように   　　　 　　  　　 
黄金色が眩しく　目を逸らしてしまう

見上げてみれば　ほら、空はとても高くて
雲一つ見えずに　どこまでも晴れ渡る

見慣れた景色とも　ひとまずはお別れさ
ふと思い出すような　古い記憶になるまでの

Old Heights Music （マスター）

車窓より（1st mini album『オールドハイツ・ミュージック』より）

2017年7月2日　西成 難波屋での『ひるひなか、難波屋で』。
カニコーセンさんと冬支度のツーマンライブ。
冬支度はパーカッションの渡瀬千尋さんを迎えトリオで。
　
『虫の音』　
近ごろやけに夜が静かで　落ち着かないと思ったら
なんだそういう事か　虫の音が聞こえなくなったって訳か
　
あんなに煩くて耳障りな　虫の音も聞こえないと
少しは懐かしくもなるな　少し寂しくもなるな
　
夏に捕まえ損ねた　動きの鈍くなった虫を
そっとこの狭い部屋から　夜空に向け逃がしてやった
夏が終わったみたいだな
　
　
そろそろ窓を開けっぱなしでは　少し肌寒くもなるな
あんなに暑かっただけの夏が　時に恋しくもなるな
　
余計な言葉は何処かに隠そう　隠せない言葉は呑みこもう
好かれるより嫌われないように　そんな事だけ考えた
　
夏に捕まえ損ねた　動きの鈍くなった虫を
そっとこの狭い部屋から　夜空に向け逃がしてやった
夏が終わったみたいだな
　
　
酷く辛いと思ってしまった　闇の中にいるようだ
酷くいたたまれない気になった　世界が僕一人のようだ
　
眩しすぎて見えないように　羨ましすぎて聞こえないように
両目を瞑り耳を押さえて　嵐が過ぎるのを待った
　
あの日捕まえ損ねた　想いを部屋から追い出し
少し名残り惜しみつつ　そっと窓を閉めたんだ
夢で終わったみたいだな
　
　
近ごろやけに夜が静かで　穏やかだと思ったら
なんだそういう事か　君の事、思い出さなくなった訳か

17-07-02 with渡瀬千尋 @難波屋『ひるひなか難波屋で』

『虫の音』冬支度+渡瀬千尋 live at 西成 難波屋 2017.7.2

2017年7月2日　西成 難波屋での『ひるひなか、難波屋で』。
カニコーセンさんと冬支度のツーマンライブ。
冬支度はパーカッションの渡瀬千尋さんを迎えトリオで。
　
　
【車窓より（drop D ver.）】
窓に肩肘ついて　列車に揺られては
ぼんやりと今までを　思い返していた
　
がらんとした車内に　駄々をこねる少女の
泣き声だけがただ　響き渡ってたのさ
　
　
この景色も明日から　見る事もないだろう
走る列車が街を　小さくしていった
　
窓から吹く風は　長い髪を揺らして
溢れ出す涙も　すぐ乾かしてしまう
　
　
日差し浴びる稲穂が　　揺れる 波のように   　　　 　　  　　 
黄金色が眩しく　目を逸らしてしまう
　
見上げてみれば　ほら、空はとても高くて
雲一つ見えずに　どこまでも晴れ渡る
　
　
見慣れた景色とも　ひとまずはお別れさ
ふと思い出すよな　古い記憶になるまでの

『車窓より(drop D Ver.）』 冬支度+渡瀬千尋 live at 西成 難波屋 2017.7.2

2017年7月2日　西成 難波屋での『ひるひなか、難波屋で』。
カニコーセンさんと冬支度のツーマンライブ。
冬支度はパーカッションの渡瀬千尋さんを迎えトリオで。
　
　
【浮かない顔して】
雲に覆われた空が　騒ぎ始めたので
家路急ぐ人たちの足も忙しそう
　
つられて僕も軒下まで　駆け込み浮かない顔さ
滲んだ街角　僕は何か考えてるような顔してた
　
　
冬の雨は寂しさをいっそ募らせるね
冷え切った手を缶珈琲で温めてる
　
軒からぽつりぽつり落ちる　雨粒が地面を跳ね
僕の靴の先濡らすんだ　この雨は止みそうもないね
　
　
どんよりと居座る灰色の雲
この空に陽が射すのはいつの事だろね？

『浮かない顔して』冬支度+渡瀬千尋 live at 西成 難波屋 2017.7.2

2017年7月2日　西成 難波屋での『ひるひなか、難波屋で』。
カニコーセンさんと冬支度のツーマンライブ。
冬支度はパーカッションの渡瀬千尋さんを迎えトリオで。
　
　
【天気屋】
この間までの　寒さが嘘のようさ
色づいた街が　やけに眩しい日で
枝からこぼれる陽に　影がゆらり揺れてる
ついでにあの人の　心も揺らしてくれよ
　
春はもうそこまで　来てるっていうのに
支度も何も　出来やしないまま
日は過ぎていくだけさ  
　
　
さっきまで差してた　陽射しが嘘のようさ
いい天気なんて　洒落てる暇もない
春の空は今日も　猫の目のように変わる
まるでこの僕を　見てるようで嫌になるな
　
春はもうそこまで　来てるっていうのに
支度も何も　出来やしないまま
日は過ぎていくだけさ
　
　
さっきまでの通り雨は何処かに消えて
七色の虹の橋が空にかかる
その虹のたもとに　辿り着けたのならさ
空の果てまでも　駆け上がっていけるかい？
　
春はもうそこまで　来てるっていうのに
支度も何も　出来やしないまま
日は過ぎていくだけさ

『天気屋』冬支度+渡瀬千尋 live at 西成 難波屋 2017.7.2

近頃やけに夜が静かで　落ち着かないと思ったら
なんだそういう事か、虫の音が聴こえなくなったって訳か

あんなに煩くて耳障りな　虫の音も聞こえないと
少しは懐かしくもなるな　少し寂しくもなるな
 
夏に掴まえ損ねた　動きの鈍くなった虫を
そっと、この狭い部屋から　夜空に向け逃がしてやった

夏が終わったみたいだな
 

そろそろ窓を開けっ放しでは　少し肌寒くもなるな
あんなに暑かっただけの夏が　時に恋しくもなるな

余計な言葉は何処かに隠そう　隠せない言葉は呑み込もう
好かれるより嫌われないように　そんな事だけ考えた
 
夏に掴まえ損ねた　動きの鈍くなった虫を
そっと、この狭い部屋から　夜空に向け逃がしてやった

夏が終わったみたいだな
 

酷く辛いと思ってしまった　闇の中にいるようだ
酷く居たたまれなくなった　世界が僕一人のようだ

眩しすぎて見えないように　羨ましすぎて聞こえないように
両目を瞑り耳を押さえて　嵐が過ぎるのを待った
 
あの日、掴まえ損ねた　思いを部屋から追い出し
少し名残惜しみつつ　そっと窓を閉めたんだ

夢で終わったみたいだな
 

近頃やけに夜が静かで　穏やかだと思ったら
なんだそういう事か、君の事　思い出さなくなった訳か

虫の音

人差し指を一本立てて
一周年を祝ったのは
今から随分前の今日のような
こんな天気の日だったな

二年目は二本の指で
Vサインで あぁ景気がいいね
三年続けば一人前だって？
なら次の一年を目指そうか

そして六周年を迎え
片手だけじゃ数えきれなくなった
十周年が過ぎ十一周年目は
もう両手でも賄いきれず
　

今年は十五周年さ
もう一人の指じゃ足りない
よければ手を貸しておくれ
ついでに祝っておくれ
　
　
料理とお酒で音楽が映え
音楽で箸と酒が進む
そんな場所はどこにあるんだい？
今君がいる場所がその場所さ
　

この先もずっとここにある
料理とお酒に音楽が鳴る
今年は何年目だったっけ？
と忘れてしまうぐらい

続いておくれ

弾き語り

数えきれない(仮）/ 冬支度（安田 弾き語りver.）

薄墨色の海が　次第に薄れてゆく
浜辺に腰掛けただ　それを見つめている
　
静かな朝の海は　人っ子一人も居ない
海鳥が飛び立った　空を分けるように
　
砂浜の上に残った足跡なんてさ
よそ見してる間に波がどこかさらってしまうはずさ
　
　
波が寄せては返し　また繰り返している
退屈そうな顔した僕がそれを見てる
　　
　
夢も叶えば案外と空しいもんだろ？
いつか、なんて日は意外とこんな朝の事なのかも
　
　
薄墨色の海が　青い色に染まった
こうしてまた浜辺に一日が始まる
　
浜辺にさよならして　戻ろうか来た道を
潮混じりの風が　僕を追い越していく
香り残し

大津光央＆安田支度2018関東ツアー特典音源

『 浜辺 』 安田支度（大津光央＆安田支度 2018関東ライブご来場特典CD-Rより）

2019年10月14日 名古屋鶴舞K.Dハポンでの「大阪のともだち」より。冬支度with渡瀬千尋「コンビニコーヒーブルース」です。

出演：百景借景、大津光央と屋上ワルツ、冬支度 with 渡瀬千尋


【コンビニコーヒーブルース】
　
ここから見る景色がもうたまらなくて
何かにつけて屋上に昇ってた
一日の終り 夕暮れが
過ぎるのはあっという間
　
山を背に見る公団住宅の
窓灯りがちらほら光りはじめ
その灯りのひとつひとつ
それぞれの暮らしがある

確かなものって一体なんだろうな
そんなこと考えた事もなかったんだ
コンビニコーヒーの氷溶けだして
水滴がぽつりと地面に落ちた
　
カップの残りを飲み干したとこで
今日も屋上を後にする
　
　
確かなものって一体なんだろうな
そんなこと考えた事もなかったんだ
コンビニコーヒーの氷溶けだして
水滴がぽつりと地面に落ちた
　
何も変わりやしないなと思い
今日も階段を降りてゆく
　
老朽化で取り壊されたあのビルの
その跡にはコンビニが賑わっている
あの日のこと思いだして
コンビニコーヒーを買ってみた

その時も夕陽は街を染めていた
もうたまらなくて

『 コンビニコーヒーブルース 』冬支度with渡瀬千尋 at名古屋鶴舞K.Dハポン

191030練習分+渡瀬千尋・北里修 ＠パワーサウンドスクウェア 19時～22時

コンビニコーヒーブルース（オルガン入り）

大阪を中心に活動する男女二人組。アコースティックギター、フルートにアコーディオン、そこに男女の歌を乗せ、洋邦のルーツ音楽に影響を受けた『日本語詞によるフォークミュージック』を奏でる。ふとした感情やどこか懐かしい風景が思い浮かび心揺さぶられるような。08年1月よりライブ活動開始。油野美術館で定期的にライブイベント『靴音までメロウに』を開催。5曲入り1stミニアルバム『オールドハイツ・ミュージック』発売中（税込 1,000円）
斉藤祢々子：flute・accordion・vocal
安田支度：acoustic guitar・mandolin・vocal

冬支度blog⇒ http://fuyujitaku.seesaa.net/

fuyujitaku

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