天使の鋳型

02 海を渡ろうとして


明けがた、オレンジの眼差し
窓ぎわ、木漏れ日にまぎれ込んで
日差しを気にしてうつむいて
いうこと聞かずにカールする前髪を

その薄く白い手のひらで
照れくさそうに押さえつけながら
「出かけよう、きょうもいい天気だよ」なんて
そっと笑う

青く透んで、屈折して
懐かしい音も、声も、ぜんぶここに置いて
名前のない感情であふれてる
こわれそうなほどに、ほら
手をひいて、ギュッてにぎってて
加速していく
いつもどおりじゃない夏の予感

きれいな水辺とワンピースに
反射して、眩しい夢みてるみたい
ほどけた気持ちを吹き込んで
遠くまでシャボン玉とばしたいから

これが恋なのかわからないとき
それはもう恋に落ちているの
宇宙に触れたときの感覚と
きっと似てる

青く透んで、屈折して
懐かしい音も、声も、ぜんぶここに置いて
名前のない感情であふれてる
こわれそうなほどに、ほら
手をひいて、ギュってにぎってて離さないで
恋は風車と同じリズムで
くるくる回る

青空に跳ねた虹のプリズム
思わず目をふせたとき、きみは
無理やり僕のメガネはずして
夏がくるからって言うの

青く透んで、屈折して
懐かしい音も、声も、ぜんぶここに置いて
きみの元へといま、走っていく
加速していくほどに膨らんだ速度が
時計の針を止めた
きみと過ごした夏はあの日のままなんだ

繋いで

2014/07/02

the cabs - タッチ(EP)

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