怖い夢を見て飛び起きた
外が白む静かな世界
汗ばむ掌が掴んだ
夢の欠片　そっと見てみる

いつも同じところで終わる
よく知っているはずの結末へ
辿り着くのが怖くて
魘されては目を覚ます

心のどこかに隠している
小さく大きな不安
そこから知らない間に住み着いていた
か弱く根強く脅かすもの
遠ざけてもまだそこで待っている
思い出すのを待っている
心の隙間でじっと佇んで
私を見つめているもの


怖い夢のさなかに立って
これは嘘と唱える頭
それでも裏腹に震えて
すくむ足に涙がひとつ

きっと馬鹿らしいと笑って
取り合われないような物語
信じてなどいなくても
何度だって繰り返す

世界が終わってゆく日の夢
明日が途絶えてしまう日の夢
その日は不思議と穏やかなまま
絵本のページを閉じるみたいで
ふと目を閉じたらそれで最後だと
なぜだか思えてしまって
瞬きひとつもしてはいけないと
恐れて朝日を迎える


眩しい空気に晴れる空も
炎が滲んだ夕日も
遠くで絵具がゆらめく水平線も
街並み縁取り連なる山も
6時のチャイムが響く公園も
欠ける月を待つ子供も
全てが二度とは戻らないことに
私の心が怯える

夢でよかったと笑いたい


世界が終わる夢

「終末画家のあしたについて」

中学校の屋上で、ばかなぼくら空と話してる　セイハロー
音楽室は短調を　校庭は罵声を奏でてるから　
このまま影になっちゃおう
このまま影になっちゃおう

中学校の屋上で、消極的に破滅を描いてる　セイハロー
音楽室に短冊を、そいつがハ長調でゆれている。
そのまま、夜があけた。
そのまま、夜があけた。

なつのおわりの　この世が　おわる日の　せいくらべ

手をつないで、いつかしたみたいに笑う
風が吹いた、スカートが鼻腔を　燃やした。

中学校の屋上で、明けた空で夜明けを待っている　セイハロー
終末画家が筆を折る　その音を右耳で聴いていた。
「このまま、ばかになっちゃおう・・・？」

「きょうも、おわるね。
　かなしいけど、世界は、きれいだね・・・。」

手をつないで　いつかしたみたいに　笑う
君が泣いた　赤い目で　ドレミ、うたった。

きみに　まけて、きみが　まけて、
ぼくら　きえて、やっと　きえて、

（ひとにあわせて、「変わってる」で売って
　うけいれられて、
　声を合わせてださい歌うたって、
　恥ずかしくなって、
　なんかいいな　っておもって、）
へいわに

わらう

終末画家のあしたについて demo ver【FREE DL】

twitter→@tekenori
シングル収録予定曲です。
（最新アルバムはhttps://kiirorecords4.bandcamp.com/album/--2 よりフリーダウンロード可能です！）

「第２音楽室のアリア」

雨にうたれきらめく　きみの頬なぞった日　僕らは青い時間にいた
脳を空気に晒すように優しさは急所だと　傷まみれ　きみ　笑う

校舎の中立て籠る　音楽室の不協和で　僕ら世界を潰したかった
純粋は悪だろうか、とにかく君は傷ついた。籠城はつづいてゆく

風は窓から頬を撫でて、「雨だ。」僕は校庭見下ろした。
包囲する街のモノクローム　きみはピアノに向かった。

さよなら、僕らの麗し夏の日　音粒　雨粒　ミサイル降らして

（原材料：果糖　ぶどう糖　液糖　混入したコーンスターチ
　アルコール０％で迎える夕暮れ
　校舎が夜に塗る黒インキ　籠城は続く　あてもなく
　鍵盤を押す、教室の水面が波打つ
　かつて君に借りた小説「アーモンド入りチョコレートのワルツ」
　その２つ目に収録された「彼女のアリア」を思い出す
　不眠の少年、虚言の少女の旧校舎午後の密会の話
　その目的を除いては遠い話ではないと考える
　“今夜は無数に月が出ている”そんな空想に花を咲かせる
　午前３時　先は見えない　今夜で僕らは終わりそうなんだ。）

不眠のまま、夜へ向かおう。時計に吸われ る音色。
初めての夜明かし、鍵盤に胸が鳴る。破滅のふたり、午前３時。

「外泊。ちょっとドキドキするね。」永遠に近い青い一瞬。

乗り込む大人達、バリケード破られた

さよなら、僕らの永い永い夜。僕らは無力だ、世界にとって。
おのれをころすな　白い旗握るな
逃げるのをやめるな　祈りを奏でて

すべての悪意にミサイル降らして

第２音楽室のアリア（demo ver）

2019

ジュディ

狂ったオッサンが
値打ちぶっこいて
スカしたツラして
小麦粉吐いてる

磨いた終売品
歪んだ消失点
時代は通過して
取り残されてる

終末論 わたしたちなら
終末論 うまくやれるわ
終末論 声が嗄れたら
はじまるよ

腐った脳内が
プリンに変わって
食われただけ
今更なんですか

狂ったオッサンが
値打ちぶっこいて
スカしたツラして
小麦粉吐いてる

終末論 わたしたちなら
終末論 うまくやれるわ
終末論 声が嗄れたら
はじまるよ

キノコファクトリー

終末論

ああ　ちょっと泣きそうだ
理由なんて分からないけれど
ああ　強いて言うのなら
この世界のせいかも

悲しいなって
胸を張っては言えないな
辞書を引いたって
これが本物かは分からない

誰かが僕を品定め
お前に悲しむ権利はないぞと
後ろ指さされたとしても
もう　とめられない

ああ　何か壊したい
何をなんて分からないけれど
ああ　強いて言うのなら
この僕そのものかも

苦しいなって
そんな偉そうに言えないな
人に訊いたって
これが本物かは分からない

誰かが僕を急き立てる
お前に苦しむ資格はないぞと
嘲り笑われたとしても
もう　やめられない

本物だとか
偽物だとか
知ったことじゃない
本物でもない
偽物でもない
僕だけのもの

ああ　ちょっと泣きそうだ
理由なんて教えないけれど
ああ　今はひとりで
泣かせてほしい

僕だけのもの

壊れたビルと昼の月
乾いた喉とアスファルト
帆船のような目眩とか
音叉のような耳鳴りと

聴いていますか　僕の声
その人は誰　どこにいる
つまらない嘘つかないで
僕はなんにも思わない

その日暮らしだけ考えて
今の痛みだけ見つめてて
明日のことなんてわからない
今日一日だけ凌いでく

傾きかけた陽のうしろ
錆びた空き缶　赤い花
冷たく沸いた頭とか
小指の先の震えとか

待っていますか　僕のこと
その人は誰　どこにいる
気休めならばいらないよ
慣れているからこういうの

次の街灯を一つずつ
片手で触って次に行く
そんなふうにして毎日を
こなしていくしかできなくて

机の上の片隅で
ひっくり返す砂時計
最後の砂が落ちる時
僕はいったい何してる

春が来たならば終わろうか
夏になったなら仕方ない
秋にさしかかり諦めて
永い冬せめて安らかに

フラジャイル

夕闇に映える信号機
滲む街並み　
震えた指先に思い出が絡む

言いたいこともあるし
言えないこともあるよ
僕の中の君は
灰にもなれない
まだ　まだ　

細胞まで染みた愛も土に帰る
心を孕む僕の脳が過去に縋る
君の熱は消えず形を日々変える
気配もなく　でも確かにある

いつかは僕の名前を呼んでくれる？

送葬不可

今日も昨日も誰とも喋ってない
教室の真ん中で
イヤホンをして
寝たフリをしている

寂しさは強めの鎧
面てしたら小手ってされる
家に帰ったらヤッフーチャットを荒らす

ついに幻覚を見た
ババァが天井から手を伸ばして
私になんか言っているよ

やったーやっとここまで来た
どんどん壊れてく私が可愛い
腕に包帯も巻いちゃお

おいねぇ　見えてるんだろう
ねぇ　誰も構うなよ

家に帰っても電気はつけない
イヤホンは挿したまま
何も思ってない。
涙が溢れる

どこにも行けない
誰にも会えない
多分ずっと死ぬまでこのまま

夢で見た楽しい日常
ここにはない
私には何にもないから

あの子は元気かな
二度と会えないあの子
こんな姿は見せられない

ねぇ　もう忘れたかな
ねぇ　私のこと

終末論

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