ジュピターを墜とす

ジュピターを墜とす

m.ishibashi

手の中は空っぽ なにもないや
空白のまま 走り出した

観客は云う 「どうせ無駄だ」
僕は黙ってそれを聞いていた

僕たちはもう引き返せない
諦めたあとに残るのは 諦めた自分だけ
敵はいないし 味方もいない 死神が笑顔で待っている

誰かが敷いたレールを 外れてでも僕はゆくんだ
不幸の種を撒いたって

ヒーローを殺したって 約束を破ったって 僕は僕を続ける
今ここで終わったって 道半ばで死んだって 諦めるよりマシだ
 
僕は此処で星を見…

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