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Osterreich

ずっととおくえ

03 三月、回想に燃ゆる


明けがた、オレンジの眼差し
窓ぎわ、木漏れ日にまぎれ込んで
日差しを気にしてうつむいて
いうこと聞かずにカールする前髪を

その薄く白い手のひらで
照れくさそうに押さえつけながら
「出かけよう、きょうもいい天気だよ」なんて
そっと笑う

青く透んで、屈折して
懐かしい音も、声も、ぜんぶここに置いて
名前のない感情であふれてる
こわれそうなほどに、ほら
手をひいて、ギュッてにぎってて
加速していく
いつもどおりじゃない夏の予感

きれいな水辺とワンピースに
反射して、眩しい夢みてるみたい
ほどけた気持ちを吹き込んで
遠くまでシャボン玉とばしたいから

これが恋なのかわからないとき
それはもう恋に落ちているの
宇宙に触れたときの感覚と
きっと似てる

青く透んで、屈折して
懐かしい音も、声も、ぜんぶここに置いて
名前のない感情であふれてる
こわれそうなほどに、ほら
手をひいて、ギュってにぎってて離さないで
恋は風車と同じリズムで
くるくる回る

青空に跳ねた虹のプリズム
思わず目をふせたとき、きみは
無理やり僕のメガネはずして
夏がくるからって言うの

青く透んで、屈折して
懐かしい音も、声も、ぜんぶここに置いて
きみの元へといま、走っていく
加速していくほどに膨らんだ速度が
時計の針を止めた
きみと過ごした夏はあの日のままなんだ

繋いで

2014/07/02

ボーイミーツ

8/17

toah 2nd demo [text 02]　lead track.
thak you for listening.

名前のない少年

真っ白な髪を解いて泡になる
なにも思い出せなくなった！
誰の声も届かぬまま神になる
なにも失わなくなった！
誰かのために生きても？

天使なんかじゃない、誰も彼も
天国なんかじゃない、どこで誰に祈る

食べても食べても食べてもまだ足りない
返してよ、火をつける前に

夢を見ているような気がしてた

最後の名前を呼んだ
ほんとうの名前を聴いた
そして気がふれた

天使なんかじゃない　誰も彼も
天国なんかじゃない　誰が誰を許す？
食べても食べても食べてもまだ足りない
消えないでよ、火をつける前に

冗談

メロディセンスとチューニングのずれないギターがほしい

それはもっと最低な言葉が似合ってた
きっとすでに後の祭り、きみを想うことも
重なるほど薄れてゆく絵の具のように悲鳴もなく
きっとすでに、思い出に追いつかれてしまった

あのカイトが消えていった下で
首輪を食べた、た、た、
花束に似たまつ毛だった
いつか大きな蟻地獄の中で
「生まれ変わる」
と言った

むしばみだす叫び声で
僕ら輪になった
ただれてても選び取れば
いっそ楽だと
　
裏返ればけだものだ

それはきっと間違えた溺れ方だったろう
目を閉じて、ただの麻酔
ゆりかごを墓場へ
きみの背より少しだけ高く、ひ弱な気球の上
きっと僕は立ち尽くし
口を開けて果てを待った馬鹿だ

いつも笑顔を見せて、いまも

それはもっと動物の演技じみていた
きっとすでに後の祭り、何を捨ててももう
乾ききった薄い肌で後悔せず、躊躇もなく
きっと僕は、思い出に取り憑かれてしまった


ベルファスト

母になる病をわずらうきみとすれ違う場所で死にたい
あとは望まないから
そっと薬を飲み込めば、踊りたい場所で踊りたいように
ナイフをなくしたピエロのようだ　飛行機が落ちる夢だよ　それは喜劇だったか
そっと写真を飲み込めば、棺が震えて
いかさまでもいい、名前を、さあつけて
るーららら、るーららら、るーららら
きみが吐き出すお菓子、集めて飾ればここから楽園だ

それでもぼくらはクズじゃないと言えるのか
撫でるだけのいたわりで
逃げ切ったさきが地獄ではないと思うのか
おまえだけが傷つけばいい！！！！！！！！
　
舟の行き先知った

ウユニのみなそこ沈んだ舟で、繰り返す言葉
「きっとおまえは知っていたね、かえれないこと、その場所もなく」

母になる病をわずらうきみとすれ違う場所で死にたい
それが叶わなくとも
あの仕組みが壊れたら、古ぼけた棺さかさまに落ちた
深い穴だった
るーららら、るーららら、るーららら
いまたどり着いたよ
落ちても落ちてもどこへもいけないよ

寄り添うそれを死体じゃないと言えるのか
猿のおもちゃみたいだった
振り向けばそこが楽園じゃないと気付くのか
アニメじゃない、それは

それでもぼくらはクズじゃないと言えるのか？
おちるだけの生きもので
振り向いたさきが地獄ではないとわかるのか？
「おまえだけ」が傷ついても
　
わずらっていく、どこまでも

わずらう

Vo 鎌野愛
Ba,たいち

傘をさすふり
地下鉄の終点でいま、吐き出してしまった
あとすこし
嘘をつくたびさかさまになった気がした
焼き付いたしみが膿む前に

諦めてしまえば鉄の味した

わかりあってどうした？
間違い探しのようなつぎはぎだらけの奇跡が、そっと老いていくだけ
きみの呼吸に鐘の音なるような祝福を

まわらない鍵
地下室のすみっこでまた泣き出してしまった
赤子のように
唾を吐く度王様になった気がした
ああ、なりだした音がやむ前に

跪いてみれば罰の味した

ああなにも知らず生きていくだけで
いつも痛いの
ねえ守りたいものはいまもこうして
見えなくなるの
さあ殻の教室で待つよ
ねえとても寒いよ

映画で見た景色だ
はぐれたミミズをそっと散らかして、迷うことなく、
ずっと血を流しているきみの体に心が寄り添う祝福を
誰よりも祝福を

映画（かまのさん）

さいごのこと（かまのさん）

無宗教です

信仰

抱きしめた腕がそっと花瓶に膿を流す
「想い合う」という絵をいつか見た気がする

熟れた果実が踏まれ、潰れていくときの音がした

途切れていた蜘蛛の糸にすがりついて誰を殺してしまった？
間違えたまま生まれてきたね
螺旋のなか、知らぬ花を抱えていたよ

どれがほしいのか教えて
どれを選んだのか教えて

ふれた加害者
キッチンから漏れる音を覚えてた

繋がれていたカラスの群れに
捧ぐものをきみは持っていなかった
気づかないまま生まれてきたね
花屋のそと、知らぬ色と

途切れていた蜘蛛の糸にすがりついて誰を殺してしまった？
間違えたまま生まれてきたね
螺旋の破瓜
きみのほとり
与えたもうと

信仰

https://soundcloud.com/onlyifyoucallme/question
https://soundcloud.com/onlyifyoucallme/nazo-is-question

ボードレール「どこへでもこの世の外なら」より

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