短歌連作：土岐友浩（ねむらない樹vol.7 より）
朗読：初谷むい
photo：土岐友浩

ナムタル - 土岐友浩

エッヂの欠けたテーブルを撫でて
引っぱりだした冬服を干して
暗い浴室でふと考える
あなたはどこにいてなにを思う

草の上にねころがってみる
いやと思ったことにいやと言う
つまらない理由で失われた道
なぞる　ひとり　たどって歩く

大丈夫

あさがたには見えていた
はずのものが　もう見当たらない
深い　あお　が覆うそら
や建物　
かんたんなかけごと
なくなっていく　いまもどっちみち
欲しいものはなに　いらないものってどれだろ
はらみたす　おにぎり
で　すぐに眠くなる
忘れてしまう夢　外側　はぎしり
みなかった映画
いきたかった場所
きりがなかった可能性
霧がかった　町の路地で
いつかきっと会おうね

OK

消極的レジャー / OK、大丈夫

私の声 深海に響く
誰も知らず 水中を泳いでいるの

私の声 深海に消える
誰も知らず 1人唄っている

青い太陽を追いかけては
漂う光が 私を誘うの

朽ちる 身体すべて
命 繋ぐ奇跡に 私 溶けて消える
浮かぶ 泡になって
あなたを追って光を目指し 空へ昇る

忘れないでね

鯨骨群衆.demo

そういうものだ That's the way it goes.

GRASAM ANIMAL / 俺たちに夏はない

This song failed an audition, fuck.
【終電を逃して】

終電を逃して僕は穏やかな気持ちになっていた
充電も切れてしまえばもっと楽になれるのにな

君が目を覚まさないように
気付いたらそばにいないように
死んだ目の狂った虹彩
どうか僕に光をください

君に僕はタッチした
抗えないこの部屋で
嘘になるから優しいとは言わない
そんなもんなんでしょ？

1ページで終わる物語
失って始まる長い旅
こいつは酔っ払いの代償
当然タダ酒なわきゃねぇ

久しぶりの君との会話
ぶっ壊れてイカれたポート
いっつも手を繋いでたのはどっちの手だったっけ
忘れた

派手に鳴った空砲が僕のドタマぶち抜く
歩けそうもない
見送ってくれたら
死んでいいなら
泣いてくれなきゃ
そんなことないでしょ？

まもなく電車が発車
よろける僕、スタート地点でコケる
空砲が鳴る
また僕を殺す
ドアをノックする

君は僕にタッチした
どうしようもない僕にタッチした
さあ、鬼を代わる
誰かを追いかける
足がもげる
地に横たわる
こんなもんかよ
人生誰でも、ケツカッチン
笑えてくる
そんなことないでしょ？

終電を逃して

雨は嫌いです。iPhoneのgaragebandで作成、編集、録音。lytics,music,vocal,arrange : uami

唯一のとりえを取り上げるのやめて
ほっといたらなにも出来ない
"随分と傷を負ってしまった"って
ガサついた大人になるでしょ

とつぜんに姿くらませた
と思われませんように
と願うだけでは
務まらない毎日

あなたにぶつけても
しょうがないのは承知
予想どおり言われる意気消沈
愛想笑いもしないでね

唯一の美しいわたしの髪の
つやめきすらも奪う雨が嫌い
っていう私の隣で
たしなめてくれた貴方はどこへ

いつのまにもう朝が来て
空港まで
バスの窓ゆらゆらになる
排水溝なみなみ溢れている
雲は見えない、裸足は痛い、嘘はつけない

いつのまにもう朝が来て
空港まで
バスの窓ゆらゆらになる
排水溝なみなみ溢れている
雲は見えない、裸足は痛い、嘘は消えないわ

雨・ennui

1/29リリース予定EP『水色日記』より

歌詞

きっと前髪はもう切らない
むずかしいことももうやめた
水面に映る 指先を浸す 空が歪む
数え切れないほどの約束も
見えなくなって 流れてく
ホースを伝う フェンスの向こう ぼくら
プールサイド 打ち上げられた魚

踊れない日々が続くなら
二人で一つの銃を構えよう
泳げないままで
二人の秘密はプールの中

灯る明かりを避けてぼくら
暗い水の底 潜ることを選んだら
嘘だって言わなくてすむから
このままでいいと思った

踊れない日々が続くよね
二人で一つの銃を構えよう
泳げないままで
二人の秘密はプールの中

ナムタル - 土岐友浩

初谷むい

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