妄想癖

あの街は無い　この目に　収まることだけ
土の中　眠るカブトムシ　誇らしい　交尾中のついばみ
どっかある星からみた空　晴れることはない
人が住めない水、湿り、深く吸う息　水、湿り、深く吸う息
先祖代々から壊れた肺　コンクリに染みた空気
まるでアメリカのザリガニ　泥も日光を反射して光って見えた
ニワトリ用に積もった餌　風にさらされて消えてなくなった
どっか飛んで誰か食べた　しっかりそれは見えなくなっていた

全部の壊れた道　恒星が沈む海　奥を眺めながら幻視
誤魔化す仕草　戸惑うおかしな甘味　綾鷹の安心感
全部忘れても入ってくるもの　感じながら眠ったみたいに目を閉じ
明日来ない気がした
気がしただけだった

根を吸い、吐き戻す

再来 また 雷 しびれを止む
有耶無耶の裏表 刈り取る両手 表裏
無駄な仕草 一つ消す 遠く飛ばす
知恵を捨てる代わりに知識を摘む
とか言いつつまた反抗ばかり
意外にも目に光 地下一階
ばったりドッペル再会

a me hu

奪い去った 未関係 発展した全ての文明から一転
砂漠の夜ほどに寒さ 布を広げ足を切ってまでも食いつなぐ
熊に称された 磔のスコール 黒い服の人体 
傘も要らないほどに何か、すり抜けている
重油 それに混ざった怨念 不純物
そんな目にもない確証 作り上げた物
それもいつか吹き飛んだ 頭痛の正体 月の満ち引き 海の満ち欠け
爆発した幹線 碁盤の目に いつか熱い溶岩を注いでみたい
3月5日 海で腐ったレールの上 人にまみれた機内の中 赤色の空の下
メキメキと鳴った 体の節から節に液体の筋肉を満たす
ビーカーの外側 裏返しの内側 しがみついて離れない太陽

惑星の堤防

未踏破である価値 旗を立て 踏み 足を殺す土
鏡の前 吸った息 ずっと溜めて頭を腐らせる
逆さまの霧 雲に写る動物から等間隔に隔離
北極星が消えた日、雪に間違いだって書いてあった
誰かの内側を覗く気 大層な腸にキス
雀の声一つでも壊れてしまう感覚にカナシ
そう思ったそれは言葉になれないまま 歯の隙間からスっと抜けた
どこに飛んだかもわからないままだった
骨の一つも埋まっていたかった

再製

根幹から時間が感覚
根幹から時間がずれた
混乱から時間が毎秒
混乱から時間が消えた
根幹から時間が毎秒
根幹から時間がずれた
混乱から時間が感覚
混乱から時間が消えた
決壊 久々 浴びた線が頭からどこか抜けていった
手で書いたみたい丸型の熱砂
髪が抜け落ちる重力ばかりが重視される未来
いらないものばかり、それも地球の中身であると諭される
巣に持ち帰ることもできず燃え上がる
困りきった顔、肩に乗った手、それはそれ
逃げ切った先で知らんぷり すぐあった目
中身なくてもそれはなんとなく見えて
落ちてる部品の先端が、足の裏にぐちゃり刺さったら
それはなんとなくに痛かった。
また意味ないとか言われてしまった。

根を吸い、吐き戻す

Satomura Tsukasa