雨、

溶け始めている雲の信号さえ
渡ることを拒む透明な園児

はかない歌声
空からこぼれ落ちる
見ている自分も
翼を持っているように
ふと

雨の絵の具で色あやざか
この世界はもう薄れてゆく
歩き疲れて地図も失くして
手がかりもない

知ることさえ拒む固まる宇宙
小さな亀裂だけにすべてを賭ける

茜色の銀色の繭の中
魚たちが行き交う坩堝に来たとき

雨の絵の具はボクらの息
水の中でも生きてゆける
旅をしている同じ場所を
出口などない

ムササ…

Related tracks