　2019年9月、オーストリア・ウィーンへ1ヶ月間の短期留学をした際に、数々の美術館や演奏会、博覧会などに足を運んだ。さまざまな芸術作品に出会うなかで、自身が最も衝撃と影響を受けたのは、画家グスタフ・クリムトが描く黄金世界と、その中に佇む乙女たちの深い眼差しであった。
　本作品では、クリムトの絵画に関する記憶と共に、「金銭に触れる瞬間」に自身の内面世界に湧き起こる、静謐かつ緊張した感覚を描く。
　楽曲冒頭には、ウィーンに位置するベルヴェデーレ宮殿内、グスタフ・クリムトの絵画「接吻（The Kiss）」画前にて、実際に自身で録音した環境音を使用。ピアノの音色を主役とし、「琴線に触れる」瞬間に自身の中で想起される、「銀糸が張り詰める感覚」と共通点を見出している、いくつかの弦楽器と金物の音色を用いた。
　また、楽曲の構成には以下の通りに、自身の体験をそのままの時系列で組み込んでいる。

’人で溢れる美術館の中を進んでゆくと、巨大なキャンバスが見えてくる。そのファーストインプレッションに魅了され、周囲のざわめきは遠のき、独特な世界へと引き込まれてゆく。内面世界に没頭し、こころの中に湧き起こるざわめきと対峙する。・・・・・後ろの客のシャッター音で我に帰り、止まっていた時間は再び進み始める。わたしはまだ、この絵画を眺め続けている。
　これらの記憶は長い余韻となり、今もなお、日記や夢・創作物の中に幾度となく現れる。’


構成楽器：
グランドピアノ2台
ヴァイオリン
ヴィオラ
チェロ
コントラバス
琴
ハープ
フルート
ゴング
サスペンドシンバル
スラップスティック
トライアングル
チャイム
ウィンドチャイム
スレイベル
タンバリン
アンティークシンバル

環境音（自身で録音）：
Artmuseum (Schloss Belvedere)
秒針
手帳に書き綴る音
頁を捲る音

制作：2019年9月-2024年1月

The_golden_art_of_Klimt

文学座創立80周年関連企画　文学座有志による自主企画公演 メアリー・ステュアート
2017年3月17日〜3月20日

作：ダーチャ・マライーニ　翻訳：望月紀子
演出：靏田俊哉
出演：石井麗子　鬼頭典子
美術：石井強司　照明：賀澤礼子　音楽：高崎真介
音響：藤平美保子　舞台監督：岡野浩之　宣伝美術：U.G.サトー

音楽スタッフ
作曲：高崎真介　録音・トラックダウン：古川健司
演奏
ヴァイオリン：長崎真音　ピアノ：高崎真介

MS_M06_わたしの声がわたしの口から

MS_M23_死の部屋

MS_M11_インタールード

MS_M07_男を抱かなくなってから

MS_M12_かわいい豚さん

MS_M17_取っ組み合い

MS_M20_宿敵

MS_M09_美しく、けだるい夜

MS_M21_手紙

Music for Dream & Nostalgia 🌖まどろみと郷愁の音楽
Impro pianist / Composer / Vocal / Writer 

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