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「職業空想家」

日没 大きな国道の交差点
カーブが美しい
そこにそぐわぬ
暖色の明かりが灯る
100円の手書き
1ミリの隙間もなく
積まれた文庫本
掻き分け進む 
その奥には まさに今
白髪を抜こうとした
老婆が腰掛け
目線だけ寄越して
プツンといった

『あんたか』
『ええ、また来ました』
『好きにやっとくれ。
不幸も幸せも物語は選ばない
選ぶのはいつも買い手の方さ』
『ええ、そうでしたね。
奥のお部屋、お借りします。』

壊れかけのイーゼルと
パレットと絵の具
抱えて さぁ行こうか
長い旅へ

おとぎ話を聞かせてあげる
夢を見ているような
おとぎ話は語り継がれる
誰かがやめる日まで
空へ飛び立った
鳥はどこへ

びっしり積まれた本と
壁にかかった無数の人物画
何度も塗られてある色は
どこをとっても美しい
外から想像できないほどの
長い廊下を歩いて歩いて
息が上がる そろそろかな
雨も降っていないのに
濡れてるような豆電球
数回、チカチカしたあとに
二度とつくことはない
南京錠ははずれてた
重たいドアを押し開ける
無限に広がる そこは

眩しいほどの夜空
星の位置が変わった
小高い丘 腰掛け
見上げる 星座の

おとぎ話が輝く世界
夢を見ているような
おとぎ話は語り継がれる
誰かがやめる日まで

おとぎ話を聞かせてあげる
夢を見ているような
おとぎ話は語り継がれる
誰かがやめる日まで
空へ飛び立った
鳥のように

Kizuna・Watashi Ou Hanasanaide

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