兵隊さん / Inside of the door
 
機械の兵隊さんが　砂漠の街をすすむよ　　
流砂を含んだ風を受け　眼球はひからびた　　
愛する人を残して　温かい故郷も棄てた　　
機械の兵隊さん　心もひびわれた
あんなにイカしたダンスのステップも　　
いつの間にか忘れてしまったよ　　
大事な人と暮らしたアパートも　　
今じゃもう　瓦礫の下だって聞くよ
 
 
ひとりで歩いて
どこまで行けるでしょう
この砂漠は深く、終わりがない、心の中のよう
 　
忘れられた丘に住む　女の子は今日も歌うよ　　
意味なんか分からなくても　讃美歌のメロディ
遠くに行ってしまった　あの人が遺してくれた
意味なんか分からなくても　その歌に救われてた
 
 
どんなに悲しみが積もる夜も　　
目を閉じればあなたに会えるから　　
大事な人と過ごした思い出は　　
誰にだって奪えやしないのさ　　
きっと　そうさ    そう言って欲しいだけ
 
 
忘れてしまえば
泣き出してしまうでしょう
この丘は肌寒く、あなたの他に誰もいないから
 
 
どうかお願い神様　僕らは不公平さ　　
どうかお願い神様　報われていたいだけさ
 
 
ああ、愛されたい
誰でもいい訳ではない
ああ、愛されたい
誰でもいい訳ではなかった
 
あなたに触れていたい
 
触れていたい
 
...そうかい、そうかい駄目かい
 
 
機械の兵隊さんが　砂漠の星をすすむよ　　
ひからびたはずの目からも　とめどなく涙出るんだ

兵隊さん

11月 / Inside of the door

少年はアスファルトに飛び散って
冬の空は透き通っていた
「悪くないな」
「少しいいね」
でも、さよならくらいは言ってよ


少年の言葉はこなごなになって
あの子の心にずっとずっと遺った
「悪くないな」
「少しいいね」
たまには僕も、思い出すよ


きっと愛したって、すぐになくなってしまうよ
忘れてしまうよ
ねぇ憂鬱だっていつか言ったっけ
僕にもやっと分かったよ


真っ暗な地下室であの子はずっと
彼の遺したピアノに触れてた
「悪くないな」
「とてもいいよ」
だって、優しかった彼の音がした


きっと愛したって、やがてなくなってしまうよ
忘れてしまうよ
ねぇ憂鬱だっていつか言ったっけ
同じさ、僕も同じさ

そうか
分かったよ
僕にもさ
君のことば
分かったよ
僕にもさ
君のこと、少しだけ
でも分かったんだ

寂しくないよ
ひとりじゃないよ


きっと愛したって、すぐになくなってしまうよ
忘れてしまうよ
ねぇ憂鬱だっていつか言ったっけ
同じさ、僕だって同じだった


そして
愛したってすぐになくなってしまったよ
もうなくなってしまったよ
ねぇ憂鬱だっていつか言ったっけ
同じさ、誰だって同じだったのに


君の抱えた憂鬱も
溶けるよ
溶けたら
朝が来るのさ

君と僕の朝だよ
もうすぐ朝が来るのさ

11月

Inside of the door

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