もう少し振り返っていたくて
向かい風にもたれた
もう少し立ち止まっていたくて
吸い込む息を止めた

どれだけの線を引いて分かてば
それぞれの傷に触れず進める？
どれだけのきれいごとが並べば
笑い声が戻る予定？
教えて　ねぇ教えて

もう少し遠くに飛びたくて
抱えたものを捨てた
もう少し深く潜りたくて
繋いだ手を離した

どれだけの涙流し祈れば
鳴り響く音が止まり眠れる？
どれだけの声を捨てて塞げば
美しい空に届く？
教えて　ねぇ教えて

オキシゲン feat.初音ミク

蛍 雪 桜 花火
綺麗なものだけを見て
真っ直ぐに歩けたなら
良かったのにな

透明な言葉が
あまりに鋭すぎて
浅慮な嘘で包んでも
容易く破れる

継ぎ接ぎだらけの
歪な設計図じゃ
水平さえも保てずに
気圧で拉げる

靴は必要ないでしょう
踏み出すたび素足で知るから
傘も必要ないでしょう
涙も血も洗い流すから

蛍 雪 桜 花火
煌びやかな情景が
あの日の無邪気な僕に
届くと良いな

残酷な言葉が
呼吸を止めにかかる
呵責の実を摘んで往けば
空は澄み渡る

夜は恐ろしいものでしょう
伸びる影が傷を曝すから
朝も恐ろしいものでしょう
昨日までを過去に変えるから

琥珀 瑠璃 桜 浅葱
過ぎ去る季節の跡に
灰色だけ残っても
春は来るでしょう

蛍 雪 桜 花火
幼い頃に夢見た
明日を生きていますか
生きていますか

ホタルユキ feat.初音ミク

貴方がまた手首を染める
私はまたその手を掴む

貴方がまた白線を越える
私はまたその手を繋ぐから

貴方にまとわりつく痛みをすべて
私の胸の穴に埋め込みましょう

等間隔で鳴り響いた電子音
裏拍子で呼吸を追う

貴方がまた纏めて飲み干す
私はまた貴方を呼び戻す

貴方がまた手摺を離す
私はまた貴方を受け止めるから

貴方を縛りつける孤独の糸を
私が引き裂くから抜け出しましょう

無影灯が照らした部屋の片隅
無機質な影が嗤う

貴方がまたきつく輪を結ぶ
その時また私は間に合う？

貴方がまた深くに潜る
その度また呼吸を送るから

アンセム feat.初音ミク

例えば明日、世界が終わるとしても
もう少しだけこのまま往こう
靴紐固く結んだら、ほら
二度と二人がはぐれぬように
月が綺麗

春の風、まだ少し冷たいけど
大丈夫と強がり嘯いてみる
桜散る、陽射しは柔らかなのに
さよならも告げずに流れて消えた

当たり前の日々にいつも甘えてきたけど
次の駅で何を選び進むのだろう

いつかは雨も上がって傘を畳んで
寄り添うだけの理由も消えて
悴んだ手を繋いだら、ほら
次の理由を探しに往こう
月を泳ぐ

もういいかい
もういいよ　
もう一度

夜空を流れる星よ、輝く月よ
どうかを二人を照らし続けて
分かれた道のその先で、ほら
独りきりでも迷わぬように

幸福な時はすぐ終わるけど
残った傷もすぐ消えるから
絡まった指解いたら、ほら
やがて最後の駅に停まるよ
月に吠える

終点 feat.初音ミク

得意気な顔で歌い続けてる
覚えたての歌　ワルツで誤魔化す
止まない雨さえ貴方にかかれば
雨粒ひとつもオーケストラ

いつか花を植えるときに
きっと私と同じように
貴方も水をあげ続けるでしょう
手折れて枯れてしまわぬように
いつまでも咲き続けるように

貴方が私の垂れ下がった手を
掴んで握ってくれるたびにほら
私は「生きてて良いんだよ」って
言ってもらえた気がしていたんだよ
　
真剣な顔で描き続けてる
用意された色　余さずに使う
曇った夜空も貴方にかかれば
手形模様の星が光る

いつか花を贈るときに
きっと私と同じように
貴方も迷いながら選ぶでしょう
どんな言葉を認めるのだろう
どんな音色を響かせるのだろう

貴方を不条理に傷つけるものを
死ぬまで悔やませて雑に壊したい
貴方は私に理由を与える
他には何にもいらない

私が貴方と過ごした時間の
すべてを忘れてしまったとしても
貴方がたくさん理由をくれたから
私は生きていけるんだよ

ガーデン feat.初音ミク

此処にいたい
痛い　痛いのは
ねぇ何処だっけ
愛したい　慕い
肢体の傷跡が熱を帯び
燃え尽きたよ

誰が悪いのかさえわからないまま
ただ傷つけている
正しさを振りかざせば
許されるものと思っていた

何かを守るためには仕方がないの
諦めにも似た理
惰性が知らず知らずに身体を蝕み
容易く引き金を引く

此処にいたい
痛い　痛いのは
ねぇ何処だっけ
愛したい　慕い
肢体の傷跡が熱を帯び
燃え尽きたよ

相容れないものすべてを拒絶して
ただ見ないでいる
他人の痛みに鈍感なふりして
また感度が死ぬ

向かい合う貴方にも愛する人と
帰りを待ってる人がいて
そこに何の違いも多分ないけれど
狂わぬように思考停止

貴方もまた同じだね
譲れぬものを抱えて
また誰かの正しさを踏みにじる

此処にいたい
痛い　痛いのは
ねぇ何処だっけ
愛したい　慕い
肢体の傷跡が熱を帯び
燃え尽きたよ

ナイトロゲン feat.初音ミク

思っていた以上に言葉は不自由で
伝え切れないことばかりが降り積もる
臆病すぎて噤み　何処かに仕舞いこんでいた
そよ風に靡いて　風化して散る

貴方のつまらない嘘に付き合う毎日に
一体どれほどの価値があるというのでしょう
偽りを正しく見せる術だけ長けてきて
気づいたら呵責は見えないくらい擦り減った

違えた約束を纏めてひとつにしたなら
何かの拍子でほら叶うかな

私たちは言葉の雨に打たれながら
掬い切れないけど手をかざし集める
私たちは言葉の風に晒されながらも
手を伸ばし　すべて受け止めて進む

ありがとう　ごめんね
おはよう　バイバイ　おやすみ
大嫌い　大好き
さようならがひらひら舞った

貴方が戯けてももう何も笑えやしないの
繕う科白がただ空しい

私たちは言葉の海にぽつんと浮かぶ
まるで小舟みたい　波に攫われていく
私たちは言葉の雲に視界を奪われ
ゆらゆらと誘導灯を探す

私たちはいつから
慈しみ合うことを諦めたのだろう
すれ違ったのだろう
私たちはどうして
互いの弱さ咎めて　傷つける
深く跡が残るまで

言ノ葉の海 feat.初音ミク

もし、死ぬなら今日みたいに
星が綺麗な夜が相応しいと思う

空は黒くすべて飲み込むのに
何故、私の吐いた息は白いの

ぶらり、投げ出した右手を
掴んで明るい方まで連れて行って
次の朝を迎えるその前に
ここにいても良いんだよと
誰か教えて　星降る夜に

もし、死ぬなら今日みたいに
波が穏やかな日が相応しいと思う

海は青く透き通っているのに
何故、私の流した血は赤いの

ゆらり、浮かんでは沈んで
間違わぬように正しく選んでも
次の波が押し寄せたら終わり
きっと私、がんばれたよね
誰か掬って

呼吸をしても息苦しい
吸い込む酸素に私は殺される
神様、もし何処かにいるのなら
私か世界のどちらかを消去してよ
星降る夜

雨が上がって　鳥が羽ばたいて
光が差して　ほら、また花が咲いて

波に揺られて　深呼吸して
呼吸を止めて　ほら、また眠りにつく

エトワール feat.初音ミク

貴方の思う大事なものと
皆の大事なものが
いつもつりあうわけじゃないから
何処かですれ違ってしまう

貴方にかける言葉ひとつ
選んで飛ばしてみても
すり抜けるか届かないまま
違う場所に不時着する

上手に呼吸ができずに何度も
立ち止まって俯いた貴方
私はいつでも隣でその手を握っている
夜が明けても

どんなに穏やかな日々でも
ひとつ影が落ちると
たちまちすべてを飲み込んで
全部嫌になるの　わかるよ

例えば未来が真っ暗闇でも
明日に希望を見出せなくても
諦めることに慣れないでほしい
我儘な想い

貴方の孤独と私の体温
合わせて等しく分け合えたら
生きづらさがほら
マシになるかもしれないから
ほんのちょっとさ

君死にたまふことなかれ feat.初音ミク

綺麗事を重ねすぎて
元の形さえ見失っている

傷を塞ぐために違う形の傷
無理矢理ねじ込む

貴方が描く幾つもの日々
照らしたいけど陽は沈む
いつまでも隣で並んでいたのに
もう、さようなら？

形だけの優しさなど
無意味なのに傷口に塗った

貴方が捨てて手放したもの
拾い集めて抱えたら
両手は塞がってその手も掴めない
もう、さようなら？

貴方が望む私でいたいと
手を尽くすけど枝枯れる
違えた道のりが二人を隔てる
もう、さようなら？

沈む夕陽を照明代わりに
落ち葉の舞台でワルツを踊りましょう

貴方が生きる世界の片隅で
私はまた別の誰かと歩く
ひらひら舞い落ちる
熱を失い消える
もう、さようなら

落日に落葉 feat.初音ミク

胸の穴を
埋めるためにどんなもの
詰めたらいい
それはありふれたものか

どうしてだろう
欲しかったはずのものも
手に取ったら
ただのがらくたに見えた

僕らは間違って
正して　間違う
正しく間違って
ただ知る　間違う意味

雨が止むのを待っていたけど
気づいたらもう上がっている
なのに今も留まっている
靴を汚したくなくて

むかい風に背を向けて
もたれたままで委ねている
楽に進む　否、後進
またぐるぐる回っていく
ぐるぐると

この陽射しを
洩らさず閉じ込めるため
どれくらいの
深い穴を掘ればいい

使わぬまま
鍵をかけて仕舞っていた
言葉たちを
今になって探していた

僕らは傷ついて
傷つけ　傷つく
気づかず傷ついて
気づいて傷隠した

君はもう良いよって笑うけど
本当は良くはないんでしょ
どうしようもない嘘ばっかり
上手くなっていくんだね

引き返した距離の分
時計の針を戻せたら
間違わずに行けたのにね
またぐるぐる回っていく
ぐるぐると

遭難 feat.初音ミク

事なかれ主義。緩やかな鎖国。猫好き。

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