No.22島村一平『ヒップホップ・モンゴリア ―韻がつむぐ人類学』(青土社、2021年)

No.22島村一平『ヒップホップ・モンゴリア ―韻がつむぐ人類学』(青土社、2021年)

ブックトーク・オン・アジア

青空と草原の遊牧民の国――それは理想化されたモンゴル像に過ぎない。都市化と開発が進み、そしてヒップホップ、ラップが深く浸透した「ヒップホップ・モンゴリア」でもある。ラップの盛況ぶりからは、口承文芸・伝統宗教との接点、社会主義による近代化によって生じたねじれ、民主化以降の西側へのコンプレックスとナショナリズム、ゲットーから放たれる格差への怒りが見えてくる。新自由主義に翻弄され「周縁」に置かれた国家のリアルをすくい取り、叫びを韻に込めるラッ…

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